「オリンピッグ」騒動

東京オリンピック開会式・閉会式の統括を務める予定だった佐々木宏さんが、開会式の演出で「オリンピック」と「ピッグ」を掛けて「オリンピッグ」という豚のイメージキャラクターを渡辺直美さんに演じさせる提案をした（「檻」とも掛けて檻の中にいる豚をイメージ）。不適切などの理由から周りのメンバーが反対し、この案は廃案になった。
このできごとがあったのは去年でオリンピックの延期が決まる前のできごとでもあったが、最近公になって、渡辺さんの容姿を侮辱するものだと批判が殺到し、佐々木さんは辞任した。

オリンピック開会式の演出は開催国または開催都市の特徴、文化などを紹介する意味を持ち、開催国の文化、自然、歴史、代表的な産業、地理などをモチーフにした演出が行われる。また、スポーツの祭典にふさわしい品格のあるものでなければならない。その点で、人の容姿をやゆするような演出はアウトだ。
その国で有名な動物の演出はある。北京オリンピックではパンダのキャラクターの演出もあった。オーストラリアは野生動物の宝庫でカンガルー、ワラビー、カモノハシ、コアラなど、多種の動物が有名だ。ニュージーランドなら牛（乳牛）やキウイ。日本で豚の演出というのは、豚と日本文化との関連性はないし、日本が他国と比較して豚肉をよく食べるとか、豚の生産量が多いというわけでもないので、国の特徴を紹介しようという意図は全く感じられず、無意味だ。

豚の演出をすること自体が必ずしも悪いわけではなく、開催される地域の文化や歴史との関わりがあれば豚の演出があってもいいと思う。
例えば、沖縄では終戦後の荒廃した沖縄を支援するためにハワイから550頭もの豚が送られてきたことがある。沖縄でオリンピックを開催するとしたら、その歴史上のできごとを表現して、船で豚が運ばれてくる演出をするというのもありだと思う。
いずれにしろ、人の容姿を豚にたとえるような表現はNGだ。

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