今日は、6時に寝て、10時に起きました。(苦笑)
そのまま学校に向かったのですが、
流石にしんどかったのでまたしても唯一の授業をさぼったり(苦笑)
そもそもの原因は私の妹なんですが……
進学の書類(大学に出す志望動機みたいなの)ぐらい一人で書いてくれ。
そのまま学校に向かったのですが、
流石にしんどかったのでまたしても唯一の授業をさぼったり(苦笑)
そもそもの原因は私の妹なんですが……
進学の書類(大学に出す志望動機みたいなの)ぐらい一人で書いてくれ。
レポートに手を付けてないという有り様。
こんなんで大学卒業できるのかしら……
と訳のわからない事で書き始めてみたり。(苦笑)
最近、坂上さんが冊子に書いていたキャラを使って
お題小説を書いているのですが、
その事をメールでやりとりしておりました。
で、まぁそのキャラのモデルが私なんですが
……かなりの悪人(タラシ)です、えぇ。(苦笑)
このキャラと対になるキャラがいるのですが、
そのキャラで坂上さんが同じお題を使って書いてたんですよ。
それを読んだ瞬間、私がダメージを……(苦笑)
お互いにダメージを与え続けるお題を消化していく二人でした。(ははは)
こんなんで大学卒業できるのかしら……
と訳のわからない事で書き始めてみたり。(苦笑)
最近、坂上さんが冊子に書いていたキャラを使って
お題小説を書いているのですが、
その事をメールでやりとりしておりました。
で、まぁそのキャラのモデルが私なんですが
……かなりの悪人(タラシ)です、えぇ。(苦笑)
このキャラと対になるキャラがいるのですが、
そのキャラで坂上さんが同じお題を使って書いてたんですよ。
それを読んだ瞬間、私がダメージを……(苦笑)
お互いにダメージを与え続けるお題を消化していく二人でした。(ははは)
今日は授業だったんですが、
坂上さんがどんな授業なのかというのを知る為に
潜入しておりました。(笑)
前もって、この先生が黒板を消すのが早いと言っていたんですが、
先生が書き終わり、そして私達も写し終わった時に
私 『先生で見えなくなるから先生邪魔やぁ(苦笑)』
坂上さん 『どいてくれってカンジですね』
私 『先生黒板消すの早くない?』
坂上さん 『早いって、悠斗さん寝てるから消えちゃうんですよ~』
私 『いや、ほら(黒板を指して)もう消えて…(苦笑)』
坂上さん 『うわぁ…(もう消えてる)』
という感じの会話をしてみたり。(苦笑)
授業は教授との戦争です。(笑)
坂上さんがどんな授業なのかというのを知る為に
潜入しておりました。(笑)
前もって、この先生が黒板を消すのが早いと言っていたんですが、
先生が書き終わり、そして私達も写し終わった時に
私 『先生で見えなくなるから先生邪魔やぁ(苦笑)』
坂上さん 『どいてくれってカンジですね』
私 『先生黒板消すの早くない?』
坂上さん 『早いって、悠斗さん寝てるから消えちゃうんですよ~』
私 『いや、ほら(黒板を指して)もう消えて…(苦笑)』
坂上さん 『うわぁ…(もう消えてる)』
という感じの会話をしてみたり。(苦笑)
授業は教授との戦争です。(笑)
何故か電車が混んでいる。(苦笑)
どうやらJRが人身事故のために
2時間待ちになっているらしいです。(あちゃぁ)
もう少し、考えとくれよ…(苦笑)
どうやらJRが人身事故のために
2時間待ちになっているらしいです。(あちゃぁ)
もう少し、考えとくれよ…(苦笑)
詳細その他はWeb版文研日記でどうぞ。
なあに、大局をみるさ
森川さや+深江悠斗
私鉄の駅から五分の位置にある学生寮、サンフランシスコン鷹取。そのベランダで男女三人が風に吹かれて佇んでいた。
「で、原稿は?」
ワインレッドのスーツを着た女性が振り返りざまに訊ねた。それを受けてもう一人の女性が答える。
「申し訳ございません、編集長。私の力不足で……」
彼女、北村満瑠(きたむら・みちる)の答えを聞いて、編集長と呼ばれた女性は苦笑を浮かべた。
スーツと同じワインレッドの指先で髪をかきあげるその仕草は、ある程度年を重ねていても妖しげだ。
「いい加減にしな。湯浅」
先程と打って変わって、編集長は男性にきつく言い放つ。しかし湯浅と呼ばれた男性は全く表情を変えずに言った。
「派手ですね。相変わらず」
「喧嘩売ってんのか?」
睨み付けるように編集長が湯浅に言葉を返す。その穏やかでない雰囲気に、満瑠は慌てて言った。
「すみません編集長。躾がなってなくて……」
どう考えてもすさまじい会話だが、ガラスの向こうからは大人の会話に見えるのが不思議だ。
満瑠の科白を機に、湯浅が笑顔で編集長に言った。
「原稿は書けません」
その湯浅の発言に、意地になったかのように
「私が書かせます。何をしても」
と満瑠が言い放つ。そしてまた湯浅の切り返しが始まる。
「あのね、満瑠くん。原稿ってのは強制して書けるものじゃないんだよ?」
「だったら……」
「うるさいよぉ。二人とも」
延々と続きそうな二人の会話を編集長が遮った。遮ったその声はどこか楽しそうだ。
「何にせよ、コイツを私の前に出しただけで上出来だよ、満瑠」
「編集長……」
微笑んで言う編集長に、満瑠は縋り付くような表情をした。
「私の時なんか、黒猫をちぎっては投げ、ちぎっては投げ……」
「そんなことしたんですか」
「そんなことしてたんですか」
二人の反応に満足そうにする編集長。
そのとき、ベランダに黒猫が降りてきた。
そして黒猫は編集長と目と目だけで語り合い、その場を去っていった。その様はまるで戦友のようだ。
「というか、うちはそんなに猫いません」
「まあ、それはさておきだな……」
冷静な湯浅の一言に、編集長は話を変えた。
そして、編集長が一息つくと同時にヒールをカツカツと響かせながら湯浅に近づく。
「ファンをどれだけ待たせたら気が済む?」
「僕にファンなんかいるんですかね」
いないのが当たり前といった風で湯浅は言う。
「いるともさ。全国に三人ほど」
「それはいないに等しいですよ」
苦笑する湯浅に、編集長は自信たっぷりに言った。
「私とコイツと……おまえだ。不満かい?」
にぃっと笑う編集長。嬉しくて仕方ないらしい。
「……ワカリマシタ」
「なら仕事に向かいな。期限は明日まで伸ばしてやるよ」
負けを認めた湯浅が渋々と部屋に戻っていく。
「編集長……」
満瑠に声をかけられた編集長は、ふふっと艶やかな笑みを浮かべる。
「少しアレな台詞だったけど効いたろ?」
「……どうでもいいですけど、発行間に合います?」
現実的な満瑠の発言に、編集長は空を見上げて言った。
「なあに、大局をみるさ。なんせアイツの小説は面白いのだから」
「……なぁ」
いつの間にか編集長の足下に戻ってきていた黒猫が、まるで賛同するように鳴いた。
なあに、大局をみるさ
森川さや+深江悠斗
私鉄の駅から五分の位置にある学生寮、サンフランシスコン鷹取。そのベランダで男女三人が風に吹かれて佇んでいた。
「で、原稿は?」
ワインレッドのスーツを着た女性が振り返りざまに訊ねた。それを受けてもう一人の女性が答える。
「申し訳ございません、編集長。私の力不足で……」
彼女、北村満瑠(きたむら・みちる)の答えを聞いて、編集長と呼ばれた女性は苦笑を浮かべた。
スーツと同じワインレッドの指先で髪をかきあげるその仕草は、ある程度年を重ねていても妖しげだ。
「いい加減にしな。湯浅」
先程と打って変わって、編集長は男性にきつく言い放つ。しかし湯浅と呼ばれた男性は全く表情を変えずに言った。
「派手ですね。相変わらず」
「喧嘩売ってんのか?」
睨み付けるように編集長が湯浅に言葉を返す。その穏やかでない雰囲気に、満瑠は慌てて言った。
「すみません編集長。躾がなってなくて……」
どう考えてもすさまじい会話だが、ガラスの向こうからは大人の会話に見えるのが不思議だ。
満瑠の科白を機に、湯浅が笑顔で編集長に言った。
「原稿は書けません」
その湯浅の発言に、意地になったかのように
「私が書かせます。何をしても」
と満瑠が言い放つ。そしてまた湯浅の切り返しが始まる。
「あのね、満瑠くん。原稿ってのは強制して書けるものじゃないんだよ?」
「だったら……」
「うるさいよぉ。二人とも」
延々と続きそうな二人の会話を編集長が遮った。遮ったその声はどこか楽しそうだ。
「何にせよ、コイツを私の前に出しただけで上出来だよ、満瑠」
「編集長……」
微笑んで言う編集長に、満瑠は縋り付くような表情をした。
「私の時なんか、黒猫をちぎっては投げ、ちぎっては投げ……」
「そんなことしたんですか」
「そんなことしてたんですか」
二人の反応に満足そうにする編集長。
そのとき、ベランダに黒猫が降りてきた。
そして黒猫は編集長と目と目だけで語り合い、その場を去っていった。その様はまるで戦友のようだ。
「というか、うちはそんなに猫いません」
「まあ、それはさておきだな……」
冷静な湯浅の一言に、編集長は話を変えた。
そして、編集長が一息つくと同時にヒールをカツカツと響かせながら湯浅に近づく。
「ファンをどれだけ待たせたら気が済む?」
「僕にファンなんかいるんですかね」
いないのが当たり前といった風で湯浅は言う。
「いるともさ。全国に三人ほど」
「それはいないに等しいですよ」
苦笑する湯浅に、編集長は自信たっぷりに言った。
「私とコイツと……おまえだ。不満かい?」
にぃっと笑う編集長。嬉しくて仕方ないらしい。
「……ワカリマシタ」
「なら仕事に向かいな。期限は明日まで伸ばしてやるよ」
負けを認めた湯浅が渋々と部屋に戻っていく。
「編集長……」
満瑠に声をかけられた編集長は、ふふっと艶やかな笑みを浮かべる。
「少しアレな台詞だったけど効いたろ?」
「……どうでもいいですけど、発行間に合います?」
現実的な満瑠の発言に、編集長は空を見上げて言った。
「なあに、大局をみるさ。なんせアイツの小説は面白いのだから」
「……なぁ」
いつの間にか編集長の足下に戻ってきていた黒猫が、まるで賛同するように鳴いた。
部室に冷蔵庫が入りました。(笑)
わぁい☆
注意書きがステキ。(笑)
『室温が25℃をこえるとアイスクリームの保存ができない事があります』
アイスは早めに食べましょう。(笑)
わぁい☆
注意書きがステキ。(笑)
『室温が25℃をこえるとアイスクリームの保存ができない事があります』
アイスは早めに食べましょう。(笑)
詳細その他はWeb版文研日記でどうぞ。
翻弄される人々。
深江 悠斗
ある日、犬飼航(いぬかい・わたる)がリビングに行くと、見た事のない女性がサンフランシスコン鷹取の管理人、鷹取若菜(たかとり・わかな)と会話していた。
ダークグレーのスーツを着たその女性はとても整った顔立ちをしており、背中の中程まである黒髪をまとめずに垂らしている。
「あら、犬飼さん。一緒にお茶でもいかが?」
犬飼に気が付いた若菜が声をかけ、それに伴いその女性も犬飼の方へ視線を向けた。そして、にっこりと微笑んだ。
その美しさにどきどきしながら「は、はいっ」と犬飼は返事をした。
「は、はじめまして。犬飼です」
しどろもどろになるのを何とか押さえながら、犬飼が名乗った。
「はじめまして。北村満瑠(きたむら・みちる)です」
(キレイな人だなぁ……管理人さんとどんな関係なんだろ)
そんな事を考えながら犬飼が席に着くと、お茶を淹れた若菜が満瑠に声をかけた。
「そういえば満瑠さんがいらしたのって何ヶ月ぶりかしら」
満瑠は少し悩む表情をして答えた。
「確か、前に来たのが夏ですから……三ヶ月ぶりくらいですね」
「そんなになるのかしら~でもそうね、もうすぐ冬ですもんね」
しみじみと言う若菜は満瑠に訊ねた。
「そういえば、最近どうですか?」
「今度どこに出かけるかを話し合ってるところなんです。でもなかなか……」
そう言って苦笑する満瑠に、若菜がすかさず提案する。
「そうだ、遊園地なんかどうですか? 楽しいじゃないですかぁ」
「遊園地ですか……でもそんな年齢ではないですし」
やはり苦笑する満瑠に、ここぞとばかりに犬飼が声を上げた。
「年齢とか関係ないと思いますよっ! やっぱり遊園地とか楽しいですし」
突然の発言に多少驚いたのか、あるいは犬飼の勢いに押されたのか、目を少し見開いた満瑠はそれでも微笑んだ。
「そうですね。いいかもしれませんね」
少しは役に立てたようだと満足げにしていた犬飼は、フラフラと音もなくリビングに入ってくる男に気付いた。
じっと見ていたので若菜もつられてそちらへと顔を向ける。
「あら、湯浅さん。満瑠さんがお待ちですわ」
その声に湯浅と呼ばれた男は満瑠の方へと顔を向けた。
「やあ、満瑠くん。早かったね」
さも今、満瑠に気が付いたかのように飄々と湯浅は言ってのけた。
「約束ですから、遅れるわけにはいかないでしょう。どこに行くか決まりました?」
それに全く動じずに満瑠は湯浅に問いかける。
(えっ!? もしかして出かけるのってこの男とだったのか……?)
犬飼は思わず湯浅と満瑠の顔を見比べた。
「いや、全く」
全く悪びれた様子もなく言う湯浅に、ため息を吐きながら満瑠は言った。
「そうだと思ってましたから、いくつか考えてきましたよ」
満瑠が女友達と出かけるのだとばっかり思っていた犬飼は、自分がこの2人のデートの行き先を決めていたのだという事に後悔した。
(そうだって判ってたら絶対にアドバイスなんかしなかったのに……)
「いやぁ、いつも悪いね~。じゃあ、満瑠くんは先に部屋に行っててくれるかい? 僕もすぐに行くから」
湯浅はそう言うだけ言うと、満瑠の返事も聞かずに冷蔵庫の方へと向かっていった。
「それじゃあ失礼しますね。若菜さん、お茶ごちそうさまです」
席を立ち、満瑠は若菜にそう言うと犬飼に会釈をして一〇二号室へと向かった。
そして二リットルのペットボトルとガラスコップを二つ持った湯浅もそれを追うように一〇二号室へと消えていった。
まだ残っているお茶をすする犬飼に、若菜は話しかけた。
「満瑠さんとってもキレイでしょう?」
「……そうですね」
少しふて腐れたように犬飼が答えると「そうでしょ~」と若菜は言った。
「あんなキレイな人と一緒なんて、湯浅さんも幸せね~」
うっとりと遠い目をする若菜に、犬飼は何も答えられなかった。
その頃、一〇二号室では満瑠が湯浅に詰め寄っていた。
「先生、いいですか? 締め切りまでもう時間がないんですよ? なのに……」
わなわなと拳を震わせている満瑠に、湯浅がいつもと同じ調子で言った。
「それでも書けないものは仕方ないんだよ、満瑠くん」
にっこりと笑う湯浅に、何を言っても無駄だと理解した満瑠は拳をおろした。
「早くデートのシーンを書いちゃって下さい。これがないと本を出す意味がなくなるんですから」
やけくそといったカンジで言う満瑠に、湯浅は「はいはい」と返事をした。
「……今度、編集長でも連れてこようかしら」
思わず呟いた満瑠だった。
翻弄される人々。
深江 悠斗
ある日、犬飼航(いぬかい・わたる)がリビングに行くと、見た事のない女性がサンフランシスコン鷹取の管理人、鷹取若菜(たかとり・わかな)と会話していた。
ダークグレーのスーツを着たその女性はとても整った顔立ちをしており、背中の中程まである黒髪をまとめずに垂らしている。
「あら、犬飼さん。一緒にお茶でもいかが?」
犬飼に気が付いた若菜が声をかけ、それに伴いその女性も犬飼の方へ視線を向けた。そして、にっこりと微笑んだ。
その美しさにどきどきしながら「は、はいっ」と犬飼は返事をした。
「は、はじめまして。犬飼です」
しどろもどろになるのを何とか押さえながら、犬飼が名乗った。
「はじめまして。北村満瑠(きたむら・みちる)です」
(キレイな人だなぁ……管理人さんとどんな関係なんだろ)
そんな事を考えながら犬飼が席に着くと、お茶を淹れた若菜が満瑠に声をかけた。
「そういえば満瑠さんがいらしたのって何ヶ月ぶりかしら」
満瑠は少し悩む表情をして答えた。
「確か、前に来たのが夏ですから……三ヶ月ぶりくらいですね」
「そんなになるのかしら~でもそうね、もうすぐ冬ですもんね」
しみじみと言う若菜は満瑠に訊ねた。
「そういえば、最近どうですか?」
「今度どこに出かけるかを話し合ってるところなんです。でもなかなか……」
そう言って苦笑する満瑠に、若菜がすかさず提案する。
「そうだ、遊園地なんかどうですか? 楽しいじゃないですかぁ」
「遊園地ですか……でもそんな年齢ではないですし」
やはり苦笑する満瑠に、ここぞとばかりに犬飼が声を上げた。
「年齢とか関係ないと思いますよっ! やっぱり遊園地とか楽しいですし」
突然の発言に多少驚いたのか、あるいは犬飼の勢いに押されたのか、目を少し見開いた満瑠はそれでも微笑んだ。
「そうですね。いいかもしれませんね」
少しは役に立てたようだと満足げにしていた犬飼は、フラフラと音もなくリビングに入ってくる男に気付いた。
じっと見ていたので若菜もつられてそちらへと顔を向ける。
「あら、湯浅さん。満瑠さんがお待ちですわ」
その声に湯浅と呼ばれた男は満瑠の方へと顔を向けた。
「やあ、満瑠くん。早かったね」
さも今、満瑠に気が付いたかのように飄々と湯浅は言ってのけた。
「約束ですから、遅れるわけにはいかないでしょう。どこに行くか決まりました?」
それに全く動じずに満瑠は湯浅に問いかける。
(えっ!? もしかして出かけるのってこの男とだったのか……?)
犬飼は思わず湯浅と満瑠の顔を見比べた。
「いや、全く」
全く悪びれた様子もなく言う湯浅に、ため息を吐きながら満瑠は言った。
「そうだと思ってましたから、いくつか考えてきましたよ」
満瑠が女友達と出かけるのだとばっかり思っていた犬飼は、自分がこの2人のデートの行き先を決めていたのだという事に後悔した。
(そうだって判ってたら絶対にアドバイスなんかしなかったのに……)
「いやぁ、いつも悪いね~。じゃあ、満瑠くんは先に部屋に行っててくれるかい? 僕もすぐに行くから」
湯浅はそう言うだけ言うと、満瑠の返事も聞かずに冷蔵庫の方へと向かっていった。
「それじゃあ失礼しますね。若菜さん、お茶ごちそうさまです」
席を立ち、満瑠は若菜にそう言うと犬飼に会釈をして一〇二号室へと向かった。
そして二リットルのペットボトルとガラスコップを二つ持った湯浅もそれを追うように一〇二号室へと消えていった。
まだ残っているお茶をすする犬飼に、若菜は話しかけた。
「満瑠さんとってもキレイでしょう?」
「……そうですね」
少しふて腐れたように犬飼が答えると「そうでしょ~」と若菜は言った。
「あんなキレイな人と一緒なんて、湯浅さんも幸せね~」
うっとりと遠い目をする若菜に、犬飼は何も答えられなかった。
その頃、一〇二号室では満瑠が湯浅に詰め寄っていた。
「先生、いいですか? 締め切りまでもう時間がないんですよ? なのに……」
わなわなと拳を震わせている満瑠に、湯浅がいつもと同じ調子で言った。
「それでも書けないものは仕方ないんだよ、満瑠くん」
にっこりと笑う湯浅に、何を言っても無駄だと理解した満瑠は拳をおろした。
「早くデートのシーンを書いちゃって下さい。これがないと本を出す意味がなくなるんですから」
やけくそといったカンジで言う満瑠に、湯浅は「はいはい」と返事をした。
「……今度、編集長でも連れてこようかしら」
思わず呟いた満瑠だった。