pukupuku堂

猫4匹+猫世話係1人の毎日

ばあちゃんへ

2012-02-07 00:36:03 | 多事争論
高齢にも関わらず、
車イスということ以外は
病気もなく、元気だった九州のばあちゃん。

さすがに103歳ということあり、
ここ数年は
いろんなことを忘れてしまっていて
ひ孫である甥たちや
孫である私のこと
長年住んでいた家のことも
思い出せないらしく、
いつも「わからんねぇ。」と
言っていました。

私が子供だった頃は
畑仕事や家事や和裁も
バリバリこなして
いつも明るく元気で
シャキシャキしていた
ばあちゃん。

そのばあちゃんが、
車イスに座って、子供のような顔で
「わからんねぇ。」と話す姿を見ると
ぐぅっと、切ない気持ちになっていたのですが、
当のばあちゃん本人は
「わからない」ことに対して
悔しいわけでも、哀しいわけでもなく
ただニコニコとなんだか幸せそうなので
「ばあちゃんが忘れても、私が
ばあちゃんのことをずっと覚えていれば、
それでよかたい。」と
思うようになりました。

小学生の頃、「学校に持っていきんしゃい。」と
畑に咲いた百日草を、新聞紙に包んで渡してくれたこと。

お泊まりした時に出没した
でっかいクモを、事もなげに退治してくれたこと。

夜、薄暗い廊下にあるトイレについてきてくれたこと。

私が拾った猫を飼ってくれたこと。

遊びにくる私たちのために
三ツ矢サイダーをダースで用意していてくれたこと。

道々で採ってきたヨモギを使って
草餅をつくってくれたこと。

椿の種を集めたこと。

たき火をしたがる私たちのために
燃やすチラシを家中探してくれたこと。

お手製のシソのふりかけや
固くて美味しい梅干し。

鶏肉と卵のスープの味。


お正月に会ってから10日後、
風邪から肺炎を併発し、
3週間、生きるための努力を
一生懸命したあと
ばあちゃんは逝ってしまいました。
103歳には見えない綺麗な顔でした。

葬儀の後、親戚一同が集まって
食事をしたのですが
103歳という年齢と、
カラっとしたばあちゃんの人柄のせいか
涙にくれて暗い雰囲気…とはならず、
明るく賑やかに、思い出話や
各々の家のおもしろ話などして
笑いの絶えない見送り会になりました。

10年前に母を亡くした時は
喪失感や後悔が大きくて
笑ったりなんて全然出来なかったので
こんな風にあたたかな気持ちで
見送れるお葬式もあるんだなあと
しみじみ…。

今回、私を含め、12人の孫が勢揃いしたのですが
25年~30年ぶりに会った
いとこの皆が
立派な大人になっていたことにビックリ…!!
5歳~15歳のいとこが30~45歳くらいになるのだから
時の流れは早いもんです…!!

ばあちゃんの子供が5人、孫が12人、ひ孫が16人。
合計33人。

ばあちゃんがこの世にいてくれたおかげで
33人の人間がこの世に産まれたとね。
そしてこれからも、ずっと続いていくっちゃろね。

ばあちゃん、長い間、お疲れ様でした!!
本当にありがとう!
これからも、ずっと忘れんけん。


























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