【前回までのあらすじ】
36時間働きづくしで
とうとう犬の肛門の幻覚(柴犬)
を見てしまった
半生半死のパトラッシュ・プクプク。
うっかり貴重品満載の財布を紛失！！
営業のKさんに盗難届を出すことを勧められ、
なるへそ～と軽い気持ちで110番☆
…予想に反し、1時間後に現れたのは
パト2台と白バイで乗り付けた湾岸署トリオ！！
真下さん
青島さん
ワクさん
そして
↑無線相手の室井さん。
ご近所の人々の疑惑と好奇心の視線がそそがれる中、
ワクさんと真下さんが
8,800円のママチャリカゴ（事件現場）を
火サス並みにマジ捜査！！
緊迫した空気の中、
青島さんとのシリアスな事情徴収が始まる…！！
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
BGMを聞きながらどうぞ！
青「2.3日前に盗難に遇われて、
今日までずいぶん長い間、
財布がないことに気づかれなかったんですね？」
プ「ええと、ここ3日間、ずっと家にこもって仕事をしてまして…。
コンビニに自転車で行ったきり、買い物をする機会が今日までなかったので…。」
青「怪しい人を見かけたりしませんでしたか？」
プ「…いえ、とくに…。」
青「怪しい人は見ていない、と…。
…わかりました。
最後に財布を見たのは、自転車のカゴ、
2日前の12時頃、不審な人物は見ていない、ということで
間違いないですね。」
まっすぐな瞳でこちらを見る青島さん…。
…ええっと…。
…言えない…。
あたい、もう言えない！！！
「青島警部！！自分！！この3日間、
正直、コンビニで立ち読みした
漫画
（「宇宙兄弟」と「とりパン」）の内容と
「酒と泪と男と女」を歌いながら
コーラの残りで祝杯したこと以外、ほぼ記憶にありません！！
財布を自転車のカゴで見た記憶もありません！！
すべては適当な憶測です！！ビシィッ！！（敬礼！）」
…なんて！！
口が裂けても言えない！！！
見てみろ、あのオタンチンな現場（チャリカゴ）を
親の仇のように
念入りに調べ上げている、お2人の姿を！！ええっ！！？？
8,800円のママチャリをつぶさに調べ、
「鍵穴は荒らされてないね…。」と
真剣に呟くワクさん…！！
ヤクルトでベタベタの
現場（チャリカゴ）に苦戦する
指紋ポンポン係 真下さん…！！
裏切れない！！
この人たちの信頼をあたいは裏切れない！！
ええ、決して！！！
てゆーか偽証罪でしょっぴかれちまう…！！！
プ「……は、…はい！間違いありませ…」
「
ハハハ～プクプクさん、
記憶とんでるんですよね～。
徹夜続きで～ハハハ～。
財布も家にないから、自転車のカゴじゃないか？っていう
憶測で～。ハハハ～。」
…ぎゃあああああああああああああああああ！！
ナニ言い出したーーーーー！！！
共犯者
Kさんめがああああああ！！！！
売りよった…！！！
こいつ、ワシをポリに売りよったでぇええええええ！！
プ「…ちょっ…ちょっとKさん…！！
あなたが盗難届け出せってゆーたやないですかーーーーーー！！」
K「え？そうでしたっけ？ハハハ～
いやあ～、こういうことはですね～
おおごとになる前に正直に言ったほうがいいですよ～
プクプクさん～（笑）ハハハ～」
もうとっくに、おおごとだっちゅーーーーねん！！！
「………確かに自転車のカゴに財布を置いていたんじゃ、ない、ということですか？」
………！！ヒィイイイイイイイイイイイイーーーー！！！
振り返れば奴がいる！！
さっきまでマジメで優しかった青島さんが
司馬先生に変貌したああああ！！！
真下さんとワクさんも
指紋ポンポンと、懐中電灯持ったまま
棒立ちになってるYO！！！
あわわわわわわわわわ…
今すぐどっかに
高飛びしたい！！
プ「あの、あの、すみません！！
徹夜が続いていて、何がなんだか….。
多分っていうか、
さんざん家を探しても財布がないので、
こりゃチャリカゴだと、
まあ、そのぅ…
消去法で推理しまして…。
」
エクトプラズムだしながらヘドモドするプクプクと
「徹夜続きでしたからねぇ～ハハハ～」
と能天気に笑うKさん…。
一気に脱力する湾岸署トリオ…。
す、すんません！すんません！
すんません～！！！
マントルまで届く土下座を、いま、今しますから！！！
BGM
青「そうですか…。
でしたら盗難ではなく
置引きか紛失ということになりますね…。
盗難届けではなく、
紛失届けにしましょうか。
手続きもすぐ終わりますので…。」
紛失だったら
紙切れ一枚ですんだ…と…。
ぐおおおおおおおおおおおお、
紛失や置引きと盗難はそんなにも
扱いが違うものだったんですか！！？？
ボクチンの小学校じゃ、だれも教えてくれなかったよぅ！！
ふがーーー、
完全に徒労に終わった
ワクさんと真下さんを
怖くて見れません！！
青「えーーー…こちら盗難現場。ブシッ！
午後10時43分、
事情徴収の結果、紛失届けに変更しました。どうぞ。ブシッ」
テンション低めで本部に報告する青島さん。
しばしの沈黙の後、
「…了解。」と答える室井さん…。
む、室井さーーーん！
お、怒ってます！？？怒ってます！？？
知らんかったんや～！！
ワイ、こんな大事になるとは知らんかったんや～
堪忍！！堪忍やで～～～～～～～～！！！
うなだれる私を見て、
「徹夜だなんて、お仕事大変ですね。
じゃあ、お宅で紛失届けを
これから書いてもらっていいですか。
すぐ終わりますので。」と
司馬先生から戻ってきてくれた青島さん。
あ、ありがとうございます！！！
あたい、しょっぴかれずにすむんですね！！！
じゃあ、早速うちで紛失届けを…。
…ん？うちで？
………………………………
…………………………
いやいやいやいやいや！！
今、我が家は腐海途中放棄の上に
財布の探索と徹夜仕事のせいで
北斗の拳にでてくるスラム街のごとく
無秩序！！！！
ぐっしゃぐしゃなんスよ！！！
青島さん！！！！
BGMチェンジ！
プ「す、すみません、うちすごく散らかってるんです！」
青「大丈夫ですよ、気にしませんから（笑）
失礼しまーす。」
ガラッ。
…………………………………………………
…………………………………………………
…………………………………………………。
ひでぶ！！
だから言わんこっちゃねぇ…。
3人とも秘孔つかれたように動かないよ…。
その時、フォローのつもりでか
「2日前はここまで散らかってなかったですよね～」
と言ったKさんの何気ない発言に
ペテランポリス・ワクさんの目が鋭く光った！！
BGMチェンジ！
ワ「2日前も、Kさんはこちらにいらしてたんですか？」
K「はい～、ちょっと打ち合わせをしに～ハハハ～」
ワ「…なるほど…。」
あーあーあーあー。
Kさん…あんた…
今、完全に
容疑者になりつつあるよ…
よりによって、なんで今日、
ローリングストーンズの
ベロ出しTシャツと
糸のほつれた
短パンとビーサンなんて
どうみても
カタギのサラリーマンじゃない
うさんくさい格好で来ちまったんスか…。
↑イメージ画像
K「いや～、ぼくは絶対家にあると思いますよ～、
警察を呼ぶなんて大げさでしたねぇ～ハハハ～」
Kさんよ…。
そんなに臭いメシが食いたいか！！
君の海馬がこわれかけのレディオなのは
もうどうでもいいのだが、
その「警察呼ぶなんて余計なマネしやがって」
ともとれる発言がだネ、
ますますもって湾岸者トリオに
「容疑者発見！！」って確信を持たせていることに
気づいているカナ？
青「まあ、ちょっと、ここではアレですし
交番の方に行きましょうか…。」
キターーーーーーー！！
連行や～！！
Kさん、あんた「カツ丼、食うか？」コース確定や～！！！
今頃、室井さんが
宇品ブリッジを封鎖してるよ！！！
歩いて5分の交番まで
「パトカー乗りますか？」と
言われたのを
「近いので！！！！」と熱く断り、
白バイと赤ランプぐるぐるのパトカーに先導されながら
トボトボと歩く私と
「いいおまわりさんたちで良かったですねぇ」と
能天気なKさん…。
ご近所の方々が
タバコを吸いにちょっと外に出ました風や
ちょっとウォーキング風を装って
こっちをガン見しまくってるよ…。
どっからどうみても
これ、
6班組長 逮捕シーンに見えますわ…。
ああ、
2日前に見たお月様と同じく
今日も綺麗なお月様…。
ねぇ、お月様…。
あの時、財布はチャリカゴにあったのかしら…
お願いだから、教えてぇえええええええええ！！！
そして交番に到着ー。
青「どうぞお2人ともお座り下さい。
では、財布ですが、どんな色と型でしたか？」
K「なんか茶色のポーチみたいなヤツでしたよね～？」
ワク「…詳しいですね。」
ああっ、また
カツ丼に一歩近づいちゃったよ、この人！！
青「財布って、以外と近くにあったりするんですよ。
ホント、ごく近くにね…。」
ああっ、青島さんが
私じゃなく、Kさんをじっと見つめながら言ってるよ！！
カツ丼5秒前！！
どうにかフォローせんと～！！！
プ「いやあ、あの日、打ち合わせして、
Kさんが帰られた後に
コンビニに買い物に行ったんですけどねぇ～、
どこいっちゃったのかなァ、お財布…。」
よしっ、ナイスパス！！
これでヤツが帰った後も財布があったことが
湾岸署のみなさんにゴリっと伝わったハズ！！
K「はあ、そうでしたかねぇ～？」
ひでぶ！！！
こ、コイツ…！！
人の気も知らんと…！！
もういい！！
チミはカツ丼の後、
ついでに臭いメシも食ってきたまえ！！
しかし、あまりのKさんのすっとぼけブリが
功を奏したのか、
ヒモをかばう情婦のような発言をした
目の下クマまみれの私を哀れと思われたのか
紛失届けを書いた後に、
Kさんを正面から見ながら
「早く見つかるといいですね（早く財布戻せよの意）」と
青島さんが言われて、調べは終了。
湾岸トリオに見送られながら
我々は釈放されたのでした…。
【エンディング】
BGM
プ「…Kさん…。完っ全に疑われてましたね…。」
K「え、僕ですか～？なんでですか？いつですか？」
プ「ずっとですよ！！私がかばったからシャバに残れたんですよ！！」
K「いやあ、むしろ、あれだけ散らかってる家なら
財布も出てこないワケだって思われてましたよ、絶対！！ハハハ～。
そもそも財布なくすからこんなことに～ハハハ～」
プ「はあああああ！？喧嘩うっとんスか！！」
K「いやいや、そういうワケじゃあ～ハハハ～」
と、深夜の交番前で
見苦しい口論がおっぱじまり、
別件でしょっぴかれそうになるのでした…。
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後日談／
BGM／RHYTHM AND POLICE
その2日後、今度はママチャリカゴ（現場）に
なんでかフリフリの
ピンクのパンティーが
放置されていました…。
なんでやねん！！
このチャリカゴ、事件多すぎ！！
助けて～！！湾岸署トリオ！！！
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次回「事件はママチャリのカゴでおきている！
スピンオフ作品「容疑者K」」に続く！！
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↑すべて実話ですが
すんません、続きません…。
