かれいどすこーぷ

emaのブログです。ちょいちょい毒づきながら日々思ったことを綴ります。

平和な「今」に生まれて。

2009年08月16日 06時44分25秒 | 
ずっと観たい観たいと思いながら
なかなか観ることができなかった
『硫黄島からの手紙』はじめて鑑賞しました。

観て改めて感じたのは、
戦争は本当に虚しいものだということ。
そこには善も悪もなくて
殺し合いがひたすら繰り返される惨状。
圧倒的な劣勢の中で敵に追い詰められ
さらに上官に追い詰められ・・・・
普通の精神状態ではいられないですよ。
どれ程苦しかっただろう。
想像を絶します。

兵士のほとんどは軍人でも何でもなく
平穏な生活を送っていた一般の人なんですよね。
生まれた時代が違っていたら
それは自分の父や弟や彼氏だったかもしれない。

実際、私の祖父母は第二次世界大戦を経験しています。
祖父は年齢が若かったために召集されませんでしたが
健康な男子は皆赤札をもらって戦地に赴いたそうです。
そんな人たちを見送りながら祖父は
「自分も戦地に行きたい」と毎日思っていたと言います。
米兵を蹴散らしたい、お国のために散りたいと本気で思っていたと。
「今思えば完全にマインドコントロールされてたな」
とも言っていました。

私は今、なんて恵まれた時代に生きているんだろう。
これは映画の中だけの話じゃなくて
あの戦争は実際に本当にあったわけで、
劣悪な環境に耐え、国の為、家族の為に
命を懸けて戦った人たちがいたということ。
その犠牲の上に今の平和が成り立っているということ。
私たちはその事実を絶対に忘れてはいけないし、
同じ過ちを繰り返さないためにも
戦争を知らない私たちこそが
戦争の虚しさを知り、語り継いでいく義務があると
心底思いました。

俳優人の演技も素晴らしかったです。
渡辺謙さん、伊原剛志さん、加瀬亮さん
中村獅童さんはもちろん、二宮くんの
特にラストで米兵に囲まれ狂乱するシーンは圧巻でした。
しかも驚いたことにあのラストシーン、
クランクインして一番最初に撮ったらしいですね。
本気ですごいですよ彼。
オーディションでこの役勝ち取っただけのことはあります。

とにかく観てよかったです。
自分が今いかに幸せな環境に置かれているかを痛感しました。
極限を知らない私はまだまだ努力する余地があるし
弱音を吐くのはそれからでも遅くない。
色んな映画や本を見ていつもそう感じるのに
時間が経つとすぐ忘れてしまうんです。
どうして人間は忘れてしまう生き物なのかな。
結局一番怖いのは、過去の過ちすら忘れてしまう
「人間」そのものかもしれないですね。
久しぶりにいろいろ考えさせられる映画でした。


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