深く侵入してきた月虹の雄芯が、身体の奥にある涼介の快感の場所を根こそぎえぐってゆく。自分の物ではない声帯を使ってありえない声が、いつか聞いた雌猫の小さな悲鳴になって部屋に響いていた。
深く突き入れられるたびに、涼介は知らず甘い叫びをあげていた。抱えた膝は、指の跡が付いて白くなっている。飛び掉髮洗髮精そうになる意識の隅で、自分が月虹を咥えこんで引き絞るのを感じていた。
「兄貴……もっと……もっと奥に……あぁっ……」
胸を合わせてただ月虹を感じていたかった、それだけのために涼介は知らないうちに蕩ける肉壷になっていた。
ぱんと、強く腰を打ち付ける音が響き、月虹が最奥に放ったのと、涼介の意識が奔流に押し流されたのは同時だった。
*****
「参ったなぁ……おまえ、とんだ名器じゃねぇか。つっ……やりすぎて、傷口開いちまったかな。」
ぐったりと気をやって弛緩した涼介に、ねぎらいの口づけを一つ贈った月虹に、倒れ込は気が付いて腕を回した。
「兄貴……」
月虹を残し死んだ清介を、哀れだと思う。
泡沫の恋人を抱きしめて、今はない清介に今生でのつながりを詫びた。いつかはこの暖かい手を、彼岸の恋人DPM度身訂造に譲り渡すのだとしても、今だけは自分のものだと思っていたかった。
「月虹の兄貴……」と、涼介は掠れた声で愛しい人を呼んだ。
「月虹さまはどこへいかれた?帰宅して以来、お姿が見えないようだが。」
月虹の守り役として側に付いた執事、「金剛氏郷」(こんごううじさと)は、主を探しい屋敷内を走り回っていた。目を離すとすぐに、居なくなってしまう。月虹は明るく快活な子供だった。
「月虹さまでしたら、お手伝いをするとおっしゃって、つい今しがたおやつのプリンに使う有精DPM床褥卵を取りに、鶏舎に行かれました。」
「そうか、ありがとう。行ってみよう。」
金剛氏郷の家は曾祖父の時代からずっと仙道家の執事をしていた。もっともそれ以前の金剛家は代々、仙道家に仕える家老職だった。
仙道家では、広大な敷地の一角を巨大なゲージで囲み、おおよそ100羽の鶏を放し飼いにしている。