元カノというより、、、

悲しいけど

あの子はおれにとって

被害者でしかなくなっとるみたい

昔の荷物のなかから

出てきたいくつかの

過去の女との写真やプリクラ、手紙

けどあの子だけには

付き合ってた時間の実感がない

その何倍もの期間を

被害者-加害者の関係で

過ごしたんやから

もうとっくに何重にも

上塗りされてて当然か

それを思うと

やっぱりただただ申し訳がない

ずっと被害者でありつづけたんやろう

おれが加害者になってからと同じ期間を

そして今を

白か透明で上書き出来んのやろうか

おれはこのままでいい

せめて向こう側だけでも

再接続

事件前の荷物の整理に

やっと取り掛かることが

できた

今まで、ダンボールに詰め込まれた

中身を見るのが怖かった

何かドロっとした塊が

溢れ出してしまいそうな

気がして、ずっと避けてきた

始めはおそるおそる

そーっと封を解いて

爆破物の処理のように

危険を回避するように中身を一つづつ

とりだしていった

ひとつひとつと記憶が呼び戻されて

今と繋がっていく

全て捨ててしまって

まっさらから始める気でいた

それでもセカイは地続きで

そんな都合のいいこと許しては

くれないと薄々気づきはじめていた

思い出が、過去の自分と、

関わった人たちが、

今のこのおれに向かって

逃げなくていい

そう言ってくれてるように

おもえてきた

事件と懲役によって切断

されてしまっていた

過去と今が

やっと繋がった

また逢おう

そのために今やるべきことが

見えてきた

そこに向かう勇気が湧いてきた

生きる

生き抜いて、生き残って

取り戻してやる

引きこもり属性ゲット

"自殺未遂"、

"殺人(未遂)罪の前科"

に加え

"引きこもり"の属性がプラス

されました

いよいよな感じになってきました

良き良き

漆黒の手枷

本物の手錠はつや消しの黒色で

ずっしりと重い

通常、単体で使われることなく

腰縄のついたベストのようなものと

併用される

複数名の連行の際には

この腰縄を用いて一列に

文字通り数珠つなぎにされる

これらが身柄から奪うのは

身体的な自由というより

精神的なそれだ

ひとりの人間としての価値が奪われた

ような気になる

自分が獣同然に扱われることを

受け入れざるを得なくさせられる

あの漆黒の手錠には

市民として、人間としての

重要なものを奪い取る力がある

いや、それを既に失っていることを

気づかせる力と言ったほうが

正しいかもしれない

闇と自由と孤独と、、、

星空の下を

一人歩いてて

やっと自由を実感できた

昼間は誰かの目におびえてしまう

ムショの中の、常に監視の目を意識している

のと似た感じの緊張感

闇はおれの身を隠して

完全な自由をもたらしてくれる

身と心を軽くしてくれる

それとともに

何処までも広がる孤独もおしよせる

こんな無限の自由を

おれはただ一人で楽しむ他ない

という孤独

けどそれはなんだか清々しい

清らかな孤独でもあった

○年ぶりのマックシェークとナゲットは

とてつもなくンマかった