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どんこの空(そら)に 。

きっと何かが足りない~それを探す日記~

wedge。

2013-11-07 | Sandstorm



ウェッジを握っていたら、夜空から雨が落ちてきた。
初めは霧雨のように感じていた雨粒も、いつの間にか大きくなり、明るい練習場の屋根を騒々しく叩きはじめた。
暫しウェッジを眺める。
休憩しようか。
クラブを握ったまま、椅子に腰掛ける。
見ると、サンドウェッジの刃先が錆び始めていた。
ひっくり返すと、ソールのバンス部分も細かな斑点模様が出ている。
思えば約2年半前、震災直後で憚られながらも10年振りにゴルフクラブを握ったとき、まだバッグにはマグレガーのターニーが入っていた。
パーシモンのドライバー、マッスルバックのフォージットアイアン、オールスチールシャフトの古参に、とどめはL字パター。
時は2010年代。
とんだクラブセッティングときたもんだ。
あれから2年半、バッグの中身は少しずつ装いを替え、バッグすらも替わり、そして今やその時に入っていたクラブは、このウェッジ1本だけである。
かつては3番から10番までいた兄弟たち。
パワービルト、スーパーサイテーション。
最後の1本も、気持ち的にはそろそろお別れの季節。
愛着はもちろんあるのだが、時代の流れ、進化の流れには逆らえないと感じている。
ただ、いくらクラブが進化し易しくなったとはいえ、ゴルフはだんだんと下手になっている気がするのは気のせいか。
あがってナンボ、と誰かは言った。
確かにそうではあるのだが。
工夫がない。
色気がない。
そんなゴルフになってしまった。
そんなもんだろ。
いやなら、他の誰かに負けるしかない。
希望に溢れてバッグに入れたのであろう20年前のあの日のウェッジ。
そんなウェッジひとつ、今だ使いこなせないまま。
雨上がりのウェッジは、なぜかキレキレに絶好調だった。
もう一回、ラウンドに出てみるか。
新しいバッグに唯一、似つかわしくない存在感。
古いウェッジはきっと、あがってナンボの腕試しにふさわしいクラブだと思う。








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