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次なる舞台へ(第二部終章/次なる展望)Lv7>550そのまま引用

2005-12-19 11:15:20 | 第二部設定資料集
:次なる舞台へ ◆VonfJKTU22 :2005/08/05(金) 20:36:05
傘日本支社本部ビル。
その地下、わざと照明を落としているのか、部屋の中央で怪しく光る唯一の光源をの周りで、彼らは思い思いの
姿勢で佇んでいた。

「さて――随分と派手にやられちゃったのね。デュラン坊やは。この様だと計画の実行は先送りかしら?」
光源――内側から淡い光を放つ培養カプセルを軽く叩きながら、金髪の大佐は誰にともなく口を開く。
「大佐、私が言えることではありませんが、準備は抜かりなく、寸前にまで進めておくのが良いかと」
狂熱を帯びた瞳で、カプセルの中で眠るデュランの姿を見つめながら、銀色の巨人がそれに答える。
「準備って言ってもなぁ旦那、後はコクーンとやらを奪いに行くだけなんだろ?」
皮肉げな口元の東洋人が、横柄な口調で言う。
「傘の反対派は言うに及ばず、始祖によって利益得る全ての愚物を始末せねばならん。新世界には不要な人間どもだ」
「俺らだって似たようなもんだろ。それに世界がガラっと変わっちまうんなら、必要ないと思うがね。除草剤を撒く前に
雑草を間引く奴はいないだろうが」
黄金の龍が刺繍された拳法着姿の青年は、あくまでも面倒そうであった。

「それでどうするの? コクーンのある場所はもうわかっているんでしょう? 襲撃は早いほうがよろしいのではなくって?」
緑の髪と瞳を持つ、美貌の大尉が話しを進める。
「ああ、すでに一人送り込んである。外界から隔離された山間の村だ。奪取は殲滅をもって行うとしよう」
「ってことは、旦那率いるアタックチームが向こう。大佐と残りの奴らは――」
「ええ、お客人を晩餐に招待させていただくわ」
「最後の、ね」
大尉と大佐が、二人して華やいだ声をあげる。その笑みには濃縮された女の迫力が漂っていた。

「・・・・なんだか俺、すんげえ場違いな所に来ちゃったよママ」
誰にも聞こえないように呟き、アランはカプセルの中の主に、途方にくれた視線を送る。
彼の傷が癒えた時、世界は新たな産声をあげるのか・・・・・
それとも・・・・・

今はただ、神のみぞ知る。

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