緊急事態宣言が出されている。不要不急以外はできるだけ外出は控えるようにとのこと。それで守っている。外に出ていない日は、二月の下旬から今日で二か月半ほどになる。そろそろ息が詰まりそうだ。窓から道路を見ると人が一人も歩いていない。窓も開いていない。静かで不気味である。なんだか、不安な気持ちなる。もしかしたら、この団地に住んでいるのは、我が家だけかもしれない。といらぬ心配をする。夜になり窓から各家庭から明かりが漏れているのを見て安心する。
昼間は、太陽にあたり外の空気が吸いたくてベランダから出て家の周りをぐるりを歩く。所詮、家は、ウサギ小屋だ。数分で一回りである。何回も歩くのも世間体が悪い。仕方なくベランダでじと立っている。
これとて飽きる。困ったものだと思いながら、したことがない庭の手入れをする。腰が痛む。屈んだだけで痛む。
ベランダの縁石に座って目の前を見る。前は住宅の便所である。見ていないが、先方は良い気持ちがしないだろう。。
実に困ったものだ。それで尻を向けると我が家のベランダのガラス戸である。背中は便所、前はガラス戸。左右を見ると燐家のベランダである。
実に団地は住みにくい。