平成11年7月5日に礼文島と利尻島へ行くために千歳空港で飛行機を待っている時のことである。
搭乗口3番で時間待ちしていた。その時、ふと目に入った。
上半身に着ている物は、薄い赤に白が混じったTシャツを着ている。下半身は薄い水色のパントロン風のズボンで、これも水色に白が混じっている。
頭髪は7分刈りで前のほうだけ少し5センチほどになっている。色が白く貫けるようである。最初は、男かと思っていたら女である。Tシャツを着ていたので胸のふくらみで女だと分かった。
その上にジーパンの上着を着ていたら恐らく分からなかったであろう。年のころ21~2歳といったところか。
静かに文庫本に目を走らせている。暫くして、その女が公衆電話の前に立ち相手と話だした。
「ここまで8千円で来たの。安かったの。母に頼んでもいい顔しなかったの」
「出来るだけ安くと思ったのでツアーにしたの」
どうも今回の旅行費用を母親に無心したらしい。
電話を切って元の場所に戻り、また文庫本を読みだした。座る場所は、長椅子の隅に必ず座る。こちらも、文庫本を読んでいた。ふと視線を女の方へ向けると居なかった。
搭乗の案内があり、その方向へ歩き始めると彼女がどこからか現れた。当方の2~3人前に並んでいる。
背格好は、1メートル65センチ程度、すらったした女である。
パンタロン姿の似合う人だ。利尻行きである。女は、機内に入ってから見えなくなった。降りるときも見えなかった。恐らく、後部座席にいたのかも知れない。