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街角風景

街角で拾った風景

心おぼえ―6-熊も蛇もいない

2022-07-18 10:22:19 | 日記

40分の船旅である。心地よい風が、頬を撫でる。あっという間に礼文島に到着した。

某社の社員が出迎えてくれた。フエリータワーの直ぐ傍にある会館へ行く。部長に会う。この人は、古くからの友人ともいえる人である。まだ、55、6歳で組織に対する情熱が人一倍ある人である。久し振りの再会に互いに喜び合った。

疲れただろうといって、早速、今日の宿泊場所へ案内してくれた。

今は、観光シーズンで、ホテルや旅館は予約で一杯のため町営のコテージしかないという。2年前に出来たところで、場所は、久種湖の傍にあるという。途中、桃岩を見物する。形が桃の形に似ている所から、そういわれようになったという。

この島に着て気が付いたことは、木々の姿がないということである。木の姿が全く見えない。あっても沢の辺りに申し訳なさそうにあるだけである。動物は、熊も蛇もいないとのことである。

至って環境の良いところである。高山植物が多く群生しており、この時分は、黄色い花を咲かせるエゾカンゾウが目に飛び込んでくる。緑の絨毯の中に映える見事な花である。


心おぼえー5-腰が心持引けている

2022-07-12 08:52:17 | 日記

岸壁を離れるに従って利尻富士の全景が見えてきた。美しい山だ。暫し、その山を眺めていた。ふと気が付くと、進行方向の左手後方のデッキから女性の笑い声が聴こえる。よく見ると3人の女性が船を追ってくるカモメに餌付けをしている。カッパ海老せんを摘み、背伸びしながら、手を挙げている。餌付の上手な女性の指先から、難なくカモメが餌を銜えて飛び去って行く。

下手な女性が一人いて、なかなかカモメが銜えてくれない。それで、笑いがでる。

よく見ると、どうも、餌を与えようとしている女性の腰が心持引けている。女性は、3人の中で一番背が小さく二人の女性の真ん中に挟まっている。

カモメから見ると恐らく手前の女性と後方の女性の指先は、良く見えるが、真ん中の女性が目に入らないのでなかろうか。何度も繰り返すが、カモメが餌を銜えてくれない。

瞬間、一羽のカモメが、真ん中の女性の餌を銜えて飛び去った。一斉に歓声が上がった。

一番背の高い女性が、手を休めたときに、真ん中の女性の餌に喰らい付いたのだ。その女性は、小躍りし喜び両側の女性の肩を頻りに叩き喜んでいる。その姿を見ていて、小生も思わず声を出した笑った。

 


心おぼえー4-フエリーで 

2022-07-04 13:36:38 | 日記

地元の職員に迎えられ車でフエリー乗り場まで車で送ってもらう。15時30分発のニュー宗谷に乗船する。650名ほどの収容可能なフエリーである。団体客が多く、特にリュックサックを背負った中高年の男女の姿が、多く見受けられる。

その団体客と一緒になって乗船する。二等船室で畳席はあるが、船尾の椅子席に座る。乗船客は、8割ほどで余裕があり、息抜きが出来た。フエリーは汽笛を鳴らし岸壁を静かに離れた。

舳先を礼文島に向け、エンジンアップを図りながら力強く一直線に進みだした。

 


心おぼえー3―礼文島が目に入った

2022-06-28 14:36:36 | 日記

上空から眺めるのは、初めての経験である。西日に照らされてくっきりと眼下に稚内市の全景が見える。機首が左に回った途端に礼文島が目に入った。

大きな島であった。着陸地は、利尻島である。機長のアナウスが入り、利尻富士の紹介があった。間もなく、眼下にその山が見えてきた。凛々しい男山である。頂上が三角形で聳え立っている。標高は、凡そ2千メートルで、その山の裾野に町がある。

飛行機は、山の頂を左手にして着陸した。飛行機を降りて目の前を見ると70ミリ映画を見ているような錯覚を覚えた。眼前に利尻富士が迫っている。思わず「オウー」と声を挙げた。雲一つなく山の輪郭がくっきりと見える。写真を一枚撮ろうと思ったが、迎えが来ている。それで、帰りにでもと思いその場では撮らなかった。

迎えに来た人に「素晴らしい眺めですね」というと「雲一つない、今日みたいな日は、なかなかないです」とのこと。

 


心おぼえ-2 間もなく利尻島

2022-06-20 14:21:44 | 日記

平成11年7月8日

3日間に亘り利尻島と礼文島を訪れた。千歳空港13時35分発の利尻行きの飛行機である。それが15分遅れとなり、50分発となった。天気は晴れ絶好の飛行日和である。飛行時間は、40分である。仕事で出掛けたが、どちらかというと遊覧飛行のようだ。上空へ舞い上がってから水平飛行に移り、北海道の西海線に沿って稚内方向へ飛ぶ。

眼下に目を遣ると、タバコの煙のような薄い雲が所々に流れており、その間から小さな町並み見える。

稚内に近づくと豊富町付近で、急に左に旋回して利尻島へ機首を向けた。

稚内港の全景が目に入ってきた。茹で上げたばかりの蛸のような恰好をしている。日本の最北端と言われている町である。