40分の船旅である。心地よい風が、頬を撫でる。あっという間に礼文島に到着した。
某社の社員が出迎えてくれた。フエリータワーの直ぐ傍にある会館へ行く。部長に会う。この人は、古くからの友人ともいえる人である。まだ、55、6歳で組織に対する情熱が人一倍ある人である。久し振りの再会に互いに喜び合った。
疲れただろうといって、早速、今日の宿泊場所へ案内してくれた。
今は、観光シーズンで、ホテルや旅館は予約で一杯のため町営のコテージしかないという。2年前に出来たところで、場所は、久種湖の傍にあるという。途中、桃岩を見物する。形が桃の形に似ている所から、そういわれようになったという。
この島に着て気が付いたことは、木々の姿がないということである。木の姿が全く見えない。あっても沢の辺りに申し訳なさそうにあるだけである。動物は、熊も蛇もいないとのことである。
至って環境の良いところである。高山植物が多く群生しており、この時分は、黄色い花を咲かせるエゾカンゾウが目に飛び込んでくる。緑の絨毯の中に映える見事な花である。