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昭和43年盛夏、初めて出会った人生の師匠は云った。
未来に羽ばたく使命を自覚するとき、才能の芽は急速に伸びる。

第48回 明治神宮野球大会

2017年11月12日 | 光球の風2011-2021

[写真] 試合開始前、3塁側ベンチの前に集合して記念写真を撮る創価大学・硬式野球部

第48回 明治神宮野球大会

[ 出場大学 ]
 北海道二連盟   星槎道都大
 東北三連盟    富士大
 東京六大学    慶應義塾大
 東都大学     東洋大
 関東五連盟    1位 日本体育大 2位 創価大
 北陸・東海三連盟 名城大
 関西五連盟    1位 大阪商業大 2位 関西大
 中国・四国三連盟 環太平洋大
 九州三連盟    九州共立大

[ 試合日程 ]

 1 回戦 11月10日(金) 13時30分 明治神宮球場 関西大
 2 回戦 11月12日(日) 16時00分 明治神宮球場 星槎道都大
 準決勝 11月14日(火) 13時30分 明治神宮球場 環太平洋大vs.慶應義塾大の勝者
 決勝  11月15日(水) 12時00分 明治神宮球場 

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二回戦 [ 星槎道都大学 vs.創価大学 ]

2017年11月12日(日) 16時48分 ~ 19時10分 明治神宮球場
星槎道都大 (北海道二連盟)  0  0  0   0  0  1   0  0  0 =  1
創価大  (関東五連盟 2位)  0  0  0   0  0  0   0  0  0 =  0

[投 手] 杉山(7)‐望月(2)
[本塁打] 
[三塁打] 
[二塁打] 
                 1 回 2 回 3 回 4 回 5 回 6 回 7 回 8 回 9 回
1番(二) 宮武  [香川/尽誠学園 ] 右安    中安       ニゴ    一ゴ
2番(中) 松村誠 [山梨/日本航空 ] 犠打    三振       ニゴ    三振
3番(一) 南     [東京/創価   ] 三振       三振    三振       右飛
4番(右) 高     [大阪/関西創価 ] 三振       一ゴ
  打  西田  [島根/石見智翠館]                   左安
  走右 大西   [大阪/大体大浪商]
  打 海老原 [東京/創価   ]                         ニゴ
5番(三) 松村真 [大阪/関西創価 ]    中飛    三振       犠打    三振
6番(遊) 下小牧 [東京/日大三  ]    一安       中飛    三振
7番(捕) 大河   [愛媛/新田   ]    三ゴ(併殺)    二飛
  打 山形   [高知/明徳義塾 ]                   四球
  走 谷藤   [大阪/関西創価 ]
  捕 萩原  [宮崎/日南学園 ]
8番(投) 杉山  [岩手/盛岡大付 ]       一直    三振
  打 高山   [秋田/秋田   ]                   三振
  投 望月  [千葉/市立船橋 ]
9番(左) 松本   [大阪/関西創価 ]       一ゴ       捕ゴ(失策) 二ゴ


残念・・・ 好投手が打てなかったことについては、特段の驚くことではないが、
17人が出場して11三振を喫し、尚且つクリーンナップで6三振だったのだから、
相手投手のピッチングが素晴らしかったと称えるしかない。

幸いなことは、神宮のマウンドを経験した三名の投手(杉山、小孫、望月)が二年生だということ、
しっかりと鍛え直して、来年また新チームとして神宮に戻ってくることに期待したい。
お疲れさまでした。

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一回戦 [ 関西大学 vs.創価大学 ]

2017年11月10日(金) 14時02分 ~ 16時09分 明治神宮球場
関西大 (関西五連盟 2位)  0  0  0   0  1  0   0  0  0 =  1
創価大 (関東五連盟 2位)  0  0  0   0  2  0   0  0  X =  2

[投 手] 杉山(5)‐小孫(4)
[本塁打] 
[三塁打] 
[二塁打] 
                 1 回 2 回 3 回 4 回 5 回 6 回 7 回 8 回
1番(二) 宮武  [香川/尽誠学園 ] 中飛    遊ゴ    遊ゴ       三振
2番(中) 松村誠 [山梨/日本航空 ] 右飛       三振    三振    中安(盗塁死)
3番(一) 南     [東京/創価   ] 遊ゴ       右飛    左飛    三振
4番(右) 高     [大阪/関西創価 ]    三振    三振    三振
5番(三) 松村真 [大阪/関西創価 ]    中安       中安    右安
6番(遊) 下小牧 [東京/日大三  ]    犠打       左安    犠打
7番(捕) 大河   [愛媛/新田   ]    遊ゴ       犠打    三振
8番(投) 杉山  [岩手/盛岡大付 ]       三振
  打  海老原 [東京/創価   ]             犠飛(1点)
  投  小孫  [石川/遊学館  ]                   死球

9番(左) 松本   [大阪/関西創価 ]       遊直    右安(1点)  三振


[写真] 先発した杉山投手、150キロを超えるストレートを武器に豪快なピッチングを披露

まさに・・・ ワンチャンスをものした試合だったと思う。
内容的には、関西大に流れが傾きかけていたような展開でイニングが進む中、
中盤に差し掛かった5回の表裏にドラマがあった。

ここまでヒットは打たれるものの、先頭打者は確実に打ち取っていた杉山が、
初めて先頭の7番にヒットを許すと、8番の犠打、9番のセカンドゴロで二死3塁とされ
打者1番の時によもやの・・・ 暴投、恐らく変化球が引っかかったのではないかと思うが、
ショートバウンドで大きく外れたボールに、キャッチャー大河が飛びつくが取れず、
暴投となってしまい、やらずもがなの1点を献上してしまう。

しかし・・・ その裏、創価大の攻めが鮮やかだった。
ここまで1安打の創価大は、その1本を打っていた5番・松村真がセカンドの左を鋭く抜きセンター前
6番・下小牧は犠打の構えからボールを見極め、スタライクバントを試みるがファールとなりフルカウント
ベンチを見た下小牧に、おそらく打てのサインが出たのだろう。
迷いなくスイングした打球は鋭いライナーとなり、レフトの前で弾み無死12塁でチャンスが広がる。

下小牧の犠打失敗(ファール)が結果的には・・・ オーライとなった。
こういう展開になった時は、采配が全て良い方向に向かっていくから野球は面白い。
7番・大河が手堅く送って一死23塁にすると、ベンチは8番・杉山に迷わず代打・海老原を送った。

明治神宮大会はDH制度がなく、投手もバッターボックスに入る。
中盤の5回でタイムリーを打たれた訳じゃないのに、エースに代打を送るのだから
相当に勇気がいる采配だったと思うが、大河の犠打が決まった時点で直ぐに海老原が出てきたので、
ベンチの腹は決まっていて、望む通りに展開が進んでいたということだろう。

海老原はヒットこそ打てなかったが、ストレートに詰まり気味も高々とレフトに打ち上げると、
これが犠牲フライとなって、ゲームが振り出しに戻る。
そして・・・ 二死2塁から、9番・松本がライトの左に落とすタイムリーヒット
ここまで1安打の投手に、3安打を浴びせて一気に逆転するのだから・・・ 野球は筋書きがない。

だが・・・ この逆転には流れの中で生まれた幸運を上手く掴んだことを忘れてはならない。
もし、海老原の犠牲フライでタッチアップした松村真に対し、レフトがホームに返球していたら
セカンドベースについていた下小牧はタッチアップの用意が出来ていたのでおそらく3塁へ走っただろう。
そして、仮に3塁がセーフだったら二死3塁となるので、
外野は定位置に守り、松村の当たりは位置的に見てライトに捕られている可能性が強かった。

タッチアップした時、関西大の捕手がホームに投げるなとベースの前に出て来ると、
手を上げて、大きな声を発していた。
捕球した外野手や中継に入った内野手は本能的にホームに投げたくなる。
無用のミスを防ぐため、当たり前と言えば当たり前のプレーなんだが、
このプレーが次の1点を左右するターニングポイントだったのかもと思うと・・・ 野球は奥が深い。

下小牧の犠打ファールから始まり、松本の逆転タイムリーまでの一連の試合展開は、
関西大からみれば、セオリー通りのディフェンスをしてきたはずなのに、結果は逆に出てしまった。
まさに、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」の格言だろう。
それが目の前で演じられているんだから・・・ 本当に野球のワクワク感が堪らない。

極めつけの幸運は6回からマウンドに上がった小孫が、先頭の2番にセンター前ヒットを許すが、
次の打者にボールが先行する中、盗塁を仕掛けてきたことは、
創価大のディフェンス力と幸運を維持できてるか否かを試された場面ではなかっただろうか。

そして・・・ 大河が2塁へベースの上にストライクを送ると、タイミングは間一髪だったがタッチアウト
さらに3番の打球は痛烈なライトライナー
西日が傾き、そこにだけ陽射しがあたっていた、西日で打球を見失っても不思議ではなかった。
ライトの高は体を捻りながら、絶妙のタイミングで倒れ込むようにスライディングキャッチを見せる。
これは・・・ スーパープレーだったと思う。

こういう試合は、何が起こっても・・・ 負けない。
リリーフした小孫は、7回こそ三者凡退に抑えるが、
8回は一死から四球の後、痛烈なピッチャーゴロを取った後、セカンドへの送球が右へ流れてしまうが、
ショートの下小牧が懸命に延びて捕球しホースアウト

さらに・・・ 2番にヒットエンドランを決められて二死13塁とピンチが続くが、
要注意の3番をファーストゴロに打ち取って何とか・・・ 凌ぎきる。

そして迎えた9回、先頭の4番にストライクが入らず歩かせると、
5番の犠打で一死2塁とされ、一打同点の場面になってしまうが、
6番の当たりは、痛烈にレフトの頭上を襲うが、松本が背走に背走を重ねてランニングキャッチ
正直言って、この当たりは「抜けた。」と思ったが、追いつくんだから凄すぎる。
これも・・・ スーパープレーだ。

この場面で、ハーフウェイに居た2塁走者はタッチアップすることが出来ず、
3塁への進塁を許さなかったことも、ワイルドピッチで失点していた創価大からしたら幸運だったと思う。
あと・・・ 一人
気合を入れ直した小孫のストレートが切れた。
最後の打者を空振りの三振に打ち取り、緊迫の試合が終った。

試合終了は16時09分
西日が大きく傾き、陽射しの消えたスタンドから神宮の杜に向けて学生歌がこだまする。
おめでとう。
そして・・・ 次も頑張れ。

[写真] ここ一番の場面、代打で登場して同点打を放った海老原選手

[写真] 見事なリリーフを見せた小孫投手、ストレートはMAX143だったがボールは切れていた。

[写真] 3安打を放ち、逆転の起点となった今日一番の元気印、5番サードの松村誠選手

[写真] 逆転の一打を放って、1塁ベースで手袋をはめ直す9番レフトの松本選手

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3 コメント

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初戦突破、良かったですね! (習志野)
2017-11-11 11:26:09
あの松本選手の逆転打は、そんな前々のプレーが、あっての事だったんですね。そういう事がわかると野球が益々面白くなりますね。私は、投げた、打った程度しかわからないので、このブログをいつも楽しく感心しながら読んでいます。これからも色々と教えて下さい。
返信する
紙一重だったんですね。 (火星人)
2017-11-11 11:53:20
おめでとうございます!
正直、勝つのは難しいかなと思っていたので凄い!
創価の堅実な守り勝つ野球出来ましたね。
ずーとハラハラドキドキの緊張感が続くナイスゲームだったんですね。
いやー球場で生観戦したかったです。

日曜日の試合は見に行きたいなあ。
夕方の寒さに耐えられるか不安ですが。笑

いつも素晴らしいブログありがとうございます。
試合内容が良くわかって楽しめます。
返信する
良かったですね。 (誓球の空)
2017-11-11 17:36:01
習志野さま、火星人さま
コメントを頂戴し、ありがとうございました。
昨日は午後からお休みを取って神宮に行ってきました。
本当に粘り強く諦めないチームになったなと感動しながら観戦していました。
記述した内容は、あくまでも私の視点なので、
見方はいろいろあると思いますが、本当に良い試合を観戦させてもらったと思っています。
今日は優勝候補の慶応大学が負けてますし、トーナメント戦は何が起こるか分かりません。
勝って兜の緒を締めて、明日も勝ってくれることを期待しています。
なお、明日は月曜の朝が早いので観戦は無理ですので、自宅でネット観戦をする予定です。
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