元気の素 SMAPに愛を叫ぶブログ

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暗転

2005-06-28 | フィクションー思考の欠片
独り言を言うM美。
「はぁ~、キムタクドラマでも、ダメだわ。」

M美は毎週楽しみにリアルタイムで見ていたドラマを、録画に切り替えた。
今晩は、とても見る気になれない。
原因は、彼の浮気。
M美の携帯に、チクリメールがきたのだ。

件名:注意
 先日の火曜日、彼、職場の女とテーマパークに二人でいたよ。

メールの主は、元同僚。
彼も、私も、女も、顔見知りの人間。
人まちがいではないだろう。
だって、心当たりがあるから。

あんなに嫌っていたテーマパークだ。
何がそんなに心変わりさせたの?
M美が、何度も楽しそうに行くから、行く気になったのか?
そう、言い聞かせていた。
彼の性格上、少し無理があるのに。

「朝早く行くよ」
イソイソと出かけていった。
その日くれたメールは、着いた連絡と、今から帰る連絡。
楽しかったようだ。
今度は、子供たちも連れて行きたいと言っている。

後日、彼が一人で出かけた旨を報告すると、O嬢が言う。
「朝、雑用済んでから、向こうで待ち合わせて、デートすればよかったのに」
うん。
そう。
そうしようかなって思った。
でも、言えなかった。
怖かった。
断られるのが。
狼狽する彼を見たくなかった。
解っていた。
コソコソしていた。
直視したくなかった。
誤魔化していたかった。
解っていたのに。

そして眠れなくなった。
そして化粧せずにはいられなくなった。

M美は、危ない橋を渡る。
お花畑が咲いている場所だと思っていたが、そこは幻だった。
M美が見たいと思っていた物だけを、並べた場所だった。
M美は、そこから出なければならない。
舞台が、暗転したのだ。
次の場面に行かなければ。
台本もないまま。
何が起こるかわからないまま。

大切なことは、なんだ?



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