まんが収集マニアをやめた理由

漫画がなければ、生きていけない生活をしていた。
萩尾望都、竹宮恵子、くらもちふさこ、etc
溢れかえるマンガ本の中で幸せだった。
いい本屋があると聞けば、どこでも遠征する。
あやしい古本屋で緊張したこともある。
立ち読みしていて痴漢にあったり。
もちろん、家族とは波風がたった。

あの情熱は、どこかへ行ってしまった。

あの男のせいだ。
あいつは、若かったが古本屋の主人だった。
漫画専門店で、こぎれいで、希少本もたくさんあった。
同人の本も置く理解も、あった。
サイン本に高値をつけるのは、いい。
ずうずうしい男だって、まあいいや。

だけど。

話せば話すほど、いやな感じだった。
作家やファンを軽んじている発言。
店内の背表紙が、目に入らなくなった。
本屋なのに出て行きたくなる。

図太く生きることは、いい。
でも、人を尊ぶことを忘れるのは、まちがいじゃない？

収集マニアをやめて、一般ピープルになった。
きっかけはあの男。
でも、身の丈に合わない状態だったり、
好きなことの軸がずれてきていたりして、
潮時だったんだな。