元気の素 SMAPに愛を叫ぶブログ

SMAPがSMAPらしくいられますように。草彅剛くんを贔屓にしていますが、SMAPあってこそなんです!

金魚が、頑張って水槽を脱出しても

2005-10-14 | フィクションー思考の欠片
飼われ始めは、可愛がられました。
日々、年々、水槽は汚れ、餌は忘れられがちになりました。
金魚の私は、水からでますと、苦しいです。
でも、汚い水の中で暮らすのも、苦しいです。
あまりに忘れられているので、時々ジャンプしてみます。
水を辺りに撒き散らすと、気づいてもらえます。
ポンプを、新しい強力な奴に替えて欲しかったりします。
私は何十倍も大きくなりました。
水槽も大きくして欲しいです。
私をもっと見てくださいよ。

テレビを見ていたら、ニモとかいう奴が、冒険していました。
すごい広い水の中、泳いでいました。
気持ちよさそうだな。
金魚の私でも、其処にいけるんだろうか?
いろんな生き物も、居るんだねぇ。
あ、其処のお兄さん、ちょっとじゃま。
テレビが見えません。
…ああぁ~、水槽からどうやって脱出するのか、解りませんでした。

金魚の私に、何ができるでしょう?




クールでよくわからないんだ

2005-08-19 | フィクションー思考の欠片
R子は、昔の男を思い出す。

「ホントに僕の事、好きなのかなって心配になることあるよ」
P太が、女のセリフみたいなことを言ったのは、R子との情事のあとだった。
「なんか、嫌がっているように見えるんだ」
甘えてくっついてくるP太の頭をなでながら、R子は考え考え、言葉を選ぶ。
「う~ん、好きだよ。大好きだけど。子供の時から、甘えたり自分を出したりするの苦手だからぁ。」
「だって、寂しくなるんだよ…」

そんな事があったな。
今から思えば、恋われて付き合いだした男だから、そんなに好きじゃなかったのかも。
それでも。
自分がどんな気分かとか、こうしてほしいとか言えなかったな、万事。
相手を見つめてもいなかったような…。
恋人がいると、安定する。
それを楽しんでいて、愛を育むとか、二人で何かしたいとか、思ってなかったな。
P太もかわいそうに。
こんな人間失格な女に、大事な3年間関わりあっていたなんて。

そして、今の男も言うのだ。
「R子は、クールなんだよな」
相変わらずのR子なんだな。

同志と恋と愛と

2005-07-27 | フィクションー思考の欠片
ユメちゃん、聞いてもいいかな?
ちょっと、自分が解んなくなって。

同性の友人に触れたいって、思ったことあるよね。
言葉にすれば、なんか恥ずかしいけど、「背中をポンポンたたいて元気だして」とか。
それから、友人にすごく親しい友ができて、しっとするってあるよね?
これは、でも友情だよね。

異性の同僚に会いたいって思うことあるんだ。
同じ苦労して励ましあってきたからね。
でも、それと関係なく彼の趣味が、自分と同じで、そこでも盛り上がってしまったら、憎からず思えてきて。
休日にも会えたらいいなって思えてきて。
これは、どうなんだろう?
恋かな?

今の恋人とは長いんだけど、嫌いになったわけじゃないんだけど。
新鮮味がなくなったというか、ときめきがないってというかさ。
今日、会えなくてもいいかなとか。
メールに返信がなくても、忙しいのかな、なんて流せるし。
どうなんだろう?
愛してるんだろうか?

この間、親が倒れたんだ。
日ごろ、親なんてうっとうしいことこの上なかったんだけど。
死んだら、どうしようとか、本気で心配した。
病院から、真っ暗な家に帰ったら、すごく寂しくなってね。
このまま逝かれたら嫌だなって、思った。
これは、ただの情かな。
愛かな。




暗転

2005-06-28 | フィクションー思考の欠片
独り言を言うM美。
「はぁ~、キムタクドラマでも、ダメだわ。」

M美は毎週楽しみにリアルタイムで見ていたドラマを、録画に切り替えた。
今晩は、とても見る気になれない。
原因は、彼の浮気。
M美の携帯に、チクリメールがきたのだ。

件名:注意
 先日の火曜日、彼、職場の女とテーマパークに二人でいたよ。

メールの主は、元同僚。
彼も、私も、女も、顔見知りの人間。
人まちがいではないだろう。
だって、心当たりがあるから。

あんなに嫌っていたテーマパークだ。
何がそんなに心変わりさせたの?
M美が、何度も楽しそうに行くから、行く気になったのか?
そう、言い聞かせていた。
彼の性格上、少し無理があるのに。

「朝早く行くよ」
イソイソと出かけていった。
その日くれたメールは、着いた連絡と、今から帰る連絡。
楽しかったようだ。
今度は、子供たちも連れて行きたいと言っている。

後日、彼が一人で出かけた旨を報告すると、O嬢が言う。
「朝、雑用済んでから、向こうで待ち合わせて、デートすればよかったのに」
うん。
そう。
そうしようかなって思った。
でも、言えなかった。
怖かった。
断られるのが。
狼狽する彼を見たくなかった。
解っていた。
コソコソしていた。
直視したくなかった。
誤魔化していたかった。
解っていたのに。

そして眠れなくなった。
そして化粧せずにはいられなくなった。

M美は、危ない橋を渡る。
お花畑が咲いている場所だと思っていたが、そこは幻だった。
M美が見たいと思っていた物だけを、並べた場所だった。
M美は、そこから出なければならない。
舞台が、暗転したのだ。
次の場面に行かなければ。
台本もないまま。
何が起こるかわからないまま。

大切なことは、なんだ?



好きな人を形容すると…

2005-03-11 | フィクションー思考の欠片
「一緒に暮らしたい人」

S也 「なぁ、俺の事どう思ってる?」
S也は、TVを目を輝かせて観ているF美につぶやくように聞いた。
F美 「え?何?何?どういうこと?」
TVには、F美の大好きなタレントが出ていた。
まるでS也の存在を忘れていたかのように、あわてて振り向く彼女。
S也は、ため息がでた。
S也 「いいよ。TV観てなよ。俺、帰るわ。」
F美 「え。…ごめん。TV消す…。」
F美は、迷いも無く電源を落とした。
録画はされていることを確認しながら。

F美 「ビール、全部飲んじゃったね。日本酒ならあるよ。」
S也は、手土産の缶ビールを空にしていた。
S也 「うん、もういい。…F美さ、好きなタレント観てる時、すごくいい顔してるんだよな。俺といても、いい顔するんだけど…いろんな顔するんだけど。なんか、くやしいっていうか…。俺のこと、どう思っているかなって…」
F美は、空き缶をいじりながら言葉をさがすS也を見ていたら、励ましたくなった。励ますっていうか、いちゃつきたくなった。
F美 「S也のこと、大好きだよ。いっしょにいたいし。話したいし。遊びたいし。喜んだ顔見たいし。」
そういいながら、軽くキスした。
S也 「でも、俺のことはかっこいいとか、いわないよな。」
F美は、まじまじとS也を見た。
F美 「何よ~。素敵~って思ってるよ。仕事してる時見かけたら、ドキドキしてるよ~」
抱きつきながら、F美は、…確かにS也には『かっこいい』とは使わないな…と思っていた。


道徳のテキストのごとく

2005-03-08 | フィクションー思考の欠片
フィクションです。

「無くなったノート」

妹 「ちぃにいちゃん、この問題わから~ん」
ちぃ「ん?どれ」
妹が宿題を聞いてきた。
ちぃは、明日の学校の準備中だったが、自分の机からはなれて、妹の机に行った。
ちぃ「なになに、Aさんは、お店で…」
二人は年子だ。遊ぶ時は年の上下無く、じゃれあったり、けんかしたりしている。それでも勉強になると、ちぃの方が、まだ一日の長があり、妹は頼るのだ。ちぃもそれが嬉しいらしく、いそいそと教えている。

しばらくして、妹は宿題と明日のしたくもできて、大きい兄ちゃんと遊び始めた。
勉強を教えていたちぃは、遅くなった準備の続きだ。

ちぃ「あれ?国語のノートがない。おかしいなぁ。どこにおいたっけ?」
ちぃは、ドタバタ音を派手に立てて探している。
ちぃ「無いなぁ。教える前にはあったのに…妹のせいだっ。いっしょに探せよ」
妹 「やだ。しらないもん。今、遊んでるもん」
ちぃ「ナンだよ!」
ちぃは、ありそうにないところまで、かきまわしはじめた。

それを見ていた、大きい兄ちゃんは妹にこっそり耳打ちした。
「自分のランドセルの中とか、本棚とか見てやれば?」
妹と大きい兄は、妹のランドセルを調べた。

あった。ちぃの名前のノートが混じっていた。

泣きそうな妹に、大きい兄は、またこっそりと言う。
「ちょっと、黙って待ってて」とノートを後ろ手に乱雑なちぃの机に近寄った。
ちぃが後ろを向いている隙に、机になにげなく置いて戻ってきた。
妹は複雑な表情をしていたが、いたずらな大きい兄の目を見てたら、笑いがこぼれた。

ちぃ「あれ?あれ?あったー!!!おかしいなぁ。さっきまでなかったけどなぁ?」
大きい兄「ただ、ボケなだけじゃないの~」
ちぃ「なんだよ!ちがうよ!おっかしいなぁ~」

にやけた二人と、釈然としないちぃでした。

見られないのに買って置いておくDVD

2005-02-17 | フィクションー思考の欠片
架空の話です。
でも、モデルはいます;


  『あるO嬢の話』

「オーちゃん、○○のDVD買った?」
ケイは、共通の○○ファンである友人に聞いた。
「買ったよ~。うふふ」
「特典映像がいいよね~、裏側で…あれ?」
どうも電話の向こうの様子がおかしい。
「うっ、実は、見てないんだー。DVDレコーダー持ってないもん」
「えー、じゃ、なんでビデオにしなかったの?」
「だって、時代はDVDじゃん。そのうちレコーダーかなんか、買うしさ。」
オーちゃんは、幼馴染でもある。趣味も似てるところはある。が、やっぱり理解しづらい奴だとケイは思った。今、熱をあげているのになぜに見たいと思わないのだろう。手の届くところにお預けして我慢できるなんて、信じられないよ。
「そうなんだ。だったら、うち来た時見ようよ。いつ来る?」
「う~ん、今忙しいから、ゴールデンウィーク明けかな~」
のんびり言うなぁ。今は3月だよ。
「じゃ、また連絡してよ。」
あきれたケイは、電話を切った。
その後、なんのかんのと外では遊ぶのに、結局7月になってやっとO嬢はDVD鑑賞したのだった。

それから、2年。
O嬢は、まだビデオ生活だ。そして、フィルムがかかったままのDVDが増えていた。
きっと、そのうちDVDレコーダーかなんか買うのだろう。その時なにを見るかは知らないけれど。