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永崎士道の建設業徒然なるままに、時々国防とグルメも

主に建設業の話題を書きたい。
私自身建設会社の社長だったので、
業者贔屓の発言も大目に見てください。

『実質』という名のヴァーチャル(その4)

2012-09-29 | 超入門経済学
今日もう一回だけ、超入門やります。 昔は名目GDPが見出しに、実質は説明書きのように小さく新聞に載っていたものだ。 ところが最近は、実質が見出しで、名目は付けたし扱いである。 一流大学の教授たちが、『実質では円高になっていない』、『実質ではデフレとはいえない』、『名目はマイナスでも、実質ではプラス成長している』と、実質を強調するからだろう。 『実質』は英語の『real』の訳だ。 realは『真 . . . 本文を読む
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『実質』という名のヴァーチャル(その3)

2012-09-28 | 超入門経済学
実質為替レートの計算で重要なのは、インフレ率の分数計算である。 分数の値は、分子(外国)が大きくなるか、分母(日本)が小さくなった時に増大する。 だから、アメリカは超金融緩和で物価上昇、デフレで日本は下落している今、実質ベースで円高にならないのは当たり前の話しである。 むしろ、実質で円高になっていないことこそ、日本がデフレに陥っている証拠であり、デフレの早期解消を経済学者はコメントするべきなのだ。 . . . 本文を読む
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『実質』という名のヴァーチャル(その2)

2012-09-27 | 超入門経済学
  実質為替レートは、以下の計算式で求める。 名目為替レートは為替市場で日々、秒単位で決まっている。 外国・自国の物価指数は統計データから得られる。 これらを入力して計算する。 つまり、実質だけが計算上で求められる現実には存在しない数値である。   以下の数値で事例を検証してみる。 2000年をスタート年として、10年の間に日本はデフレ率100%で物価は半分になる。 一方、アメリ . . . 本文を読む
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『実質』という名のヴァーチャル(その1)

2012-09-26 | 超入門経済学
今日含めてあと3回だけ超入門やります。 その前に、昨日の『株価が上がっても~(その10)』の訂正。 『世界の貿易額合計は約30兆円』ではなく、約30兆ドルでした。 ごめんなさい。 以前『談合ブレスト(その17)』で書いたように、GDPや為替レートには、名目と実質の二つがある。 名目はインフレ率を調整しない数値、調整したものが実質だった。 この説明だけを読むと、実質の方が真実に近いような感じがする . . . 本文を読む
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株価が上がっても、なぜ実体経済が回復しない?(その10)

2012-09-25 | 超入門経済学
先進国ではおカネがスムーズに、かつ末端まで循環しなくなっている。 製造業から金融業への産業シフト、高度消費社会の消費行動、高度工業化社会の耐久財の出現。 さらに、生産工場の海外移転は、海外へ雇用とおカネを流出させているからだ。 だが、これらは従犯にすぎない。 1986年、サッチャー改革から始まった金融ビッグ・バン。 これが主犯である。 金融ビッグ・バンで、おカネでおカネを買う貨々交換が完全自由に . . . 本文を読む
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株価が上がっても、なぜ実体経済が回復しない?(その9)

2012-09-24 | 超入門経済学
『不況と恐慌は程度の違いにすぎない』という説もある。 しかし、根本的な違いを指摘する経済学者もいる。  工業化社会以前の不況は、主に供給不足が原因であった。 当時の主たる供給源は第一次産業、食糧生産である。 天候不順などによる不作が農漁村の収入を激減させ、それが社会全体に波及、不況が発生した。  ところが、産業革命以降、農林漁業などの機械化が進み、第一次産業の供給能力は飛躍的に向上した。 さら . . . 本文を読む
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株価が上がっても、なぜ実体経済が回復しない?(その8)

2012-09-23 | 超入門経済学
経済学には、上・中・下級財という分類とは別に、消費財、耐久財という分け方がある。 消費財の特徴は、一回の使用で消費されてなくなってしまうこと。 食糧品がもっとも代表的だ。 耐久財は、何度も繰り返し使えるモノで、現代社会では大概の製品がそうである。 ただし、衣料品などは機械系に比べて使用できる期間が短いので、耐久消費財という言い方をする。 分け方としてはこちらも、消費財、耐久消費財、耐久財という三分 . . . 本文を読む
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株価が上がっても、なぜ実体経済が回復しない?(その7)

2012-09-22 | 超入門経済学
弟の親友に、大企業令嬢と結婚した逆玉君がいる。 非上場企業(つまり一族支配)だからすごい。 彼の額面月収は500万円、手取り300万円(ただし、銀座ホステスとの浮気がばれてから、額面はそのまま、手取りだけが30万円になったようだが)、スーツも車も、もちろんすべて上級財で、残念ながら日本製は少ない。 数年前、6,000万円のロールス・ロイスを買うとか買わないとか言っていた。 だが、ヨーロッパ車を買 . . . 本文を読む
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株価が上がっても、なぜ実体経済が回復しない?(その6)

2012-09-21 | 超入門経済学
経済学ではモノ・サービスを、上級財、中級財、下級財の三種類に分類する考え方がある。 上級財は『所得が増えると、消費量も増える財』、中級財は『所得が増えても、消費量は変化しない財』、下級財は『所得が増えると、消費量が逆に減少する財』のことをいう。 食事を例にとるなら、高級日本料理やフランス料理が上級財、下級財はインスタントラーメンや回転寿司あたりかな。 中級財は微妙だが、普通のラーメン屋さんや定食 . . . 本文を読む
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株価が上がっても、なぜ実体経済が回復しない?(その5)

2012-09-20 | 超入門経済学
収入時に格差があっても、消費時におカネが広く分配されれば、所得の偏りはある程度修正される。 巨額な報酬でバンバン買いものしてくれれば、それは売る側の収入増になる。 そして、この連鎖がつながると、社会全体に広くおカネが分散していき、結果として多くの人たちの収入を増やす。 ところが、高度消費社会では、うまく連鎖の輪がつながっていかない。 金持ちはもちろん、普通の人たちでも、量より質を重視するようにな . . . 本文を読む
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株価が上がっても、なぜ実体経済が回復しない?(その4)

2012-09-19 | 超入門経済学
3日ぶりの超入門ですが、その前に昨日のコメントに返答を。 おっしゃるとおりですね。 共産主義者もグローバル・スタンダードかぶれの自由主義者も、共に国家や民族、さらに宗教、文化といった価値観を否定(あるいは非常に軽視)します。 その点で中共とグローバル・スタンダードかぶれの経団連、反日左翼の三者は親和性が高いのだと思います。    金融業の分業の狭さは、業界内部でも突出している。 G . . . 本文を読む
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株価が上がっても、なぜ実体経済が回復しない?(その3)

2012-09-16 | 超入門経済学
貨幣経済では片方だけモノを売るが、物々交換経済では双方がモノを提供する。 A商人はモノAを、B商人はモノBを交換しようとする時、A商人がモノBを気に入っても、B商人がモノAを気に入らなければ、交換は成立しない。 しかし、A商人が貨幣で支払いできれば、B商人の好みに関係なく、売買が成立する。 このように、物々交換経済においては、両商人の購買動機が一致する『欲望の二重の一致』がなければ、取引は成立しな . . . 本文を読む
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株価が上がっても、なぜ実体経済が回復しない?(その2)

2012-09-15 | 超入門経済学
前回は金融業とソフト産業を一括りに虚業産業としたが、ちょっとソフトに失礼すぎるので、虚業は金融だけにして、ソフト産業はそのまま呼ぶことにする。 言いたいことは、両者は分業のすそ野が狭く、就労人口が少ない。 だから、失業者の吸収にあまり貢献しないということだけ。 金融・保険業の一人当たりGDPは1,800万円に近い。 日本の労働人口が約6,500万人だから、仮に全員が金融・保険業に就労したら、単純 . . . 本文を読む
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株価が上がっても、なぜ実体経済が回復しない?(その1)

2012-09-14 | 超入門経済学
米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和第三弾(QE3)を決定したので、今日は超入門をやりたいと思います。 リーマンショック後、FRBは非伝統的金融緩和と呼ばれるQEを矢継ぎ早に行って、株価を急速に回復させるのに成功した。 当初は株価急上昇をうけて、二番底はなし、アメリカ経済はまた成長を始めるという楽観論が大勢を占めていた。 ところが、株価は急回復したが、実体経済のもっとも重要な指標の失業率が思 . . . 本文を読む
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日本の現行政府当局こそ、いじめっ子の典型だ(その5)!

2012-08-02 | 超入門経済学
大津の学校や教育委員会に憤りを感じるのは当然が、一般論として言えば、モンスター・ペアレンツとマスコミの卑怯卑劣が、先生らの事なかれ主義(臆病)を生んだ一番の原因だと思う。 私の中小学校時代の経験から言っても、生徒指導に熱心な先生は、結構手が早かった。 生徒・保護者たちも熱心さを知っていたから、特別問題になることもなかった。 ところが、公に対する感謝を失くしたモンスター・ペアレンツとマスコミが、体 . . . 本文を読む
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