先週末、日本国債の長期金利が急上昇して、同時に株価が急落した。 すると友人から、『 お前は先日、金利上昇と株価上昇がこれからはセットで起きるといったじゃないか 』と反論を受けたので、もう少し丁寧に説明したい。 まずは下の図を見てほしい。
横軸に三つの短期とそれらを合計した中長期、縦軸に株価と金利を表した。
まず、始点で両者は同じところにいたとしよう。 その後、図のように動いた時、三つの短 . . . 本文を読む
国債金利が急上昇を始めたと、ワイドショーが騒いでいる。 反リフレの識者は、ハイパーインフレの始まりだといっしょに騒いでいるが、このまま一直線に上昇していくことは絶対にない。 金利低下と同時に株式市場が上昇するという、超ありがたい時代が終わっただけである。
これからは、株価が上昇するときは金利も上昇し、金利が下がるときは株価も下がる。 理由は『融通手形ならぬ融通国債の怪(その1)』、『融通手 . . . 本文を読む
G20で安倍内閣の金融緩和が容認されたと、日本のマスコミがはしゃいでいる。 しかし、容認もくそもあるか。 金融政策、財政政策はれっきとした国家主権の問題で、諸外国から容認してもらったり、中止を要請される類のものではない。 日本自身が先陣を切って『容認』、『容認』と騒ぐから、あちらさんも『日本は属国かな』と勘違いを起こすのだ。
リーマンショック後、アメリカ、ヨーロッパが日本に容認を求めたか。 日 . . . 本文を読む
日本国債の金利がすごいことになっている。 『融通手形ならぬ融通国債の怪(その1)』を書いた2月24日は0.69%だったが、今日0.54%になってしまった。 『リフレ、債務者(社)への死刑宣告(その1)!』で、『日銀引き受け期待で国債の人気が高まり、短期的には下がる可能性もある』と書いたが、まさかここまで一気に下がるとはちょっと想定外。 ちなみに、米国債は2012年末の1.6%から若干上昇して最近は . . . 本文を読む
『『協力』じゃなく『援助』だろ!』への3月7日のコメントで、『悪いごだぁ言わね (中野剛志)』というのがありました。
本当に京都大学の中野剛志先生であれば光栄ですが、もし、同姓同名でもない他人が、先生と同じ氏名を使っているのであれば、商標権の侵害などいろいろ問題があるので、おやめになった方がいいと思います。 もちろん、同姓同名であれば、法律上の問題はありませんが。 . . . 本文を読む
『リフレ、債務者(社)への死刑宣告(その1)!』、『リフレ、債務者(社)への死刑宣告(その2)!』で書いたように、日本の金融緩和で世界中の名目金利の上昇が始まったように見えた。 安倍首相が『大胆な緩和』を唱えた去年の11月から、各国の国債金利は上昇。 米国債は1.6%からわずか2か月で2.0%を越えた。 カナダもほぼ同様、仏は1.9から2.3%、独は1.3から1.7%越え、日本も0.69から0.8 . . . 本文を読む
円安に対して、海外からぼちぼち批判が出ている。 ドイツのメルケル首相は24日、スイスで開かれている世界経済フォーラム(ダボス会議)で『為替操作への問題意識は高まっており、懸念を持って見ている』と日本を名指しで批判した。
自動車産業を筆頭に競合する産業分野が多いから他人事ではないのだろうが、金融緩和で散々ユーロを安くし、もっとも大きな恩恵を受けたドイツに言う資格などない。 ダウ平均が上昇中のアメ . . . 本文を読む
アベノミクスの議論が喧しくなってきたが、重要な視点がぽっかり抜け落ちている。
何度も言うが、リフレ政策最大のマイナス要因は、名目金利の上昇による債務者(社)の破産、倒産の激増である。
全般的物価上昇つまりインフレは、それほど心配する必要はない。 なぜなら、よく言われるハイパー・インフレなど来るはずがないからだ。 歴史上ハイパー・インフレが発生したのは常に大規模な戦争後で、生産設備が破壊しつく . . . 本文を読む
今回は二日連続でアップしますが、時間がないので結論的に書きます。
安倍総裁の金融緩和期待で株式市場がうなぎのぼりだが、重要なのは実体経済にも波及するかどうかであろう。
今まで日銀と多くのエコノミストは、『金融緩和で金融市場におカネはジャブジャブある』とコメントしてきたが、確かである。 問題なのは、金融市場でカネが余ってるのに、実体経済の財市場、労働市場にカネが回らなかったこと。 なぜか。 現 . . . 本文を読む
あっという間に一ヵ月たってしまいました。 一週間に一、二回程度の更新と書きましたが、一ヵ月に訂正させてください。 申し訳ありません。
先日、安倍晋三氏が自民党新総裁に就任した。 彼は対外、対内政策ともに私の考えに最も近い人なので、良かったと思っている。 今日はとりあえず、対内政策の目玉である『リフレ』、金融緩和を少し論じたい。
下卑た言い方をすれば、ジャンジャン万札を刷ればデフレは終わる。 . . . 本文を読む
昨日は申し訳ありませんでした。
さて、構造物自身が動かなければ、加速度の計算は不要である。 地震力を除けば構造物にかかる力は自重しかない。 自重でつぶれないよう材料を積み上げていくだけでよい。 だから、建築土木分野の技術は、古代においてほぼ完成されてしまったのだ。 ところが、機械は各部位が様々に可変稼動する。 部材間の応力計算を正確にしなければ、バラバラに壊れてしまう。
力の計算が必要なのは、 . . . 本文を読む
加速度を計算できれば、動く物体の力を計算できる。 逆にいえば、加速度の計算ができなければ、動く物体の力を正確に推計することは不可能である。
ヨーロッパの建築技術が、古代ローマを追い越すのは、19世紀に入ってからだといわれている。 なぜか? 建築や土木は、構造物自体は動かない。
今日はちょっと風邪気味なのでここまでにします。 おやすみなさい。 . . . 本文を読む
なぜ、変化率を計算する微分法が重要なのか。 それは、自然の力をきめ細かく測定計算し、機械的にコントロールすることを可能にしたからである。
18世紀以降、産業革命を支えた技術は、機械工学と熱力学である。 機械工学はその名の通り機械を生み、熱力学はそれを動かす動力を提供した。 この二つの組み合わせによって、人力や家畜に負っていた17世紀までとは、比較を絶する生産力を人類は手にすることになった。
紡 . . . 本文を読む
もちろん、古代エジプト、古代中華の時代から数字は存在したし、四則計算の原理もあった。 だから、ピラミッドも、万里の長城も、その後の古代ローマ帝国のみごとな建築や都市も建設できたのだが、ただしそれは、今でいう算数のレベルにすぎなかった。 しかし近代は、それとは決定的に異なる発明をした。 微積分学である。
微積分がなければ、間違いなく現代の科学技術は存在しなかった。 今でも我々は、中世とほとんど変わ . . . 本文を読む
数量化とは、自然や社会の諸現象を数字と数学(微積分学)によって説明することである。
数量化は、『大きい、小さい』、『より大きい、より小さい』など、主観的、定性的な表現に依存していた研究手法を、客観的、定量的にあらわすことを可能にした(定性、定量は『超入門経済学(その8);コメントへの返答』を参照)。 近代の科学技術は一気に進歩し、100年前には夢にもなかった様々な文明の利器を生み出した。 我々 . . . 本文を読む