NO MOVIE NO LIFE

映画・DVDの感想をしたためています。素人の独断と偏見で映画のレビューをどさっとさくっと。。※ネタバレ注意※

tokyo.sora(2002・日)

2006-06-13 02:09:27 | ★★☆☆☆
6人の女性の東京での生活を描いたオムニバス形式の映画。

この映画台本なかったそうです。ハイ、もちろん無音シーンのオンパレード!
ナチュラルな空気の良さはすごく伝わるんです。
石川寛監督はCMディレクターでもあるので、観客との距離感や濾過された透明感をすごく大事にしているなぁと思う。
それでもやっぱり私には物足りない・・・
抑揚のない前半はもっと短くしてもいいんじゃないのって思ってしまいました。
忍耐力ないので。
あと、私はどうしても映画にはスピード感を求めるし、脚本家による練られて気の利いた台詞って好きなので。
好きだ、』は同じようなタッチでも耐えられたんだけどな。
やはり宮崎あおいの力でしょうか。


最近思うこと。
本を読んだり映画を見たりする中で、登場人物や役者をやたらに自殺させるのが多いことに疑問を抱きます。
確かに効果的に描く作品も多いんだけど・・・
『自殺』は観客に衝撃を与えるし緊張感も与える。でもそこに甘んじて意図がわからなくなることも多い。
この映画もそうでした。
ランパブの同僚のユキ(井川遥)とヨウコ(板谷由夏)は、それぞれの孤独や閉塞感を共有して朝の東京を下着姿で走り回る。
その直後にユキは(推定)自殺をしてしまうんだけど、えっそこで死ぬ必要あるの?って思ってしまいました。
ヨウコの自殺未遂、その直前に電話したランパブの客に残したメッセージ、ってところではしっかり伏線になっているんだけど、どうしても自殺を逃げ道にしている気がした。


そのときのヨウコの電話の相手で常に死を考えるという喫茶店のマスターの
『生きるのが重くなったとき 人はこういう声で話すんだ』 は印象的。


電車のアナウンスや車輪の擦れる音、トラックの騒音、
明けた直後の、絶望的に濁った朝の空。
ここに描かれてる東京が、私が毎日存在する東京なのかって考えてみたけど、ピンときませんでした。
私の肌には東京の空気や匂いは吸い付いていて、日常で東京を客観的に見ることができなくて。
ふーん 石川寛には、東京はこう映ってるのか。

10年後、30歳でこれを見たら、その印象ってきっと変わるんだと思う。


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