花よりもなほ（2006・日）

主演ジャニーズ岡田、脇役に加瀬亮。
監督は中学生の頃から大好きな是枝裕和です。
これは必見ですよね。

親父の仇を討つ！と江戸に出てきた、逃げ足の速いチキンボーイ岡田。
ダメ人間と貧乏人（芸人や芸人や芸人）、そして美しい未亡人（宮沢りえ）が共生している長屋に住むうち、「仇討ちしない人生」も知ってしまう。

岡田くんの演技は圧巻です。節目節目の表情にドキッとします。
特に　刀を眺めて仇討ちできない絶望感に襲われるシーンと、ラストシーンの笑顔。
全体的に閉塞感のある作品なんだけど、彼の表情で救われているというか。



是枝監督作品にしては、明確なメッセージ性を強く押し出してる作品だと思う。
珍しく、是枝監督は脚本を書いたらしいし。
そして、宮沢りえに言わせます。
『お父上が宗左さんに残したものが憎しみだけだとしたら、寂しすぎます…』
子供の喧嘩や忠臣蔵までを持ち出して、「仇討ちしないという選択」を観客に理解させようとしているようでした。
ストーリーに違和感はありませんが、そこまで露骨に描かなくても・・・
是枝監督には、「描かないで伝える」力があるのに。

是枝監督のイメージは、ドキュメンタリー、そして生。
もともとドキュメンタリー映画の監督だったんだっけ？確か。
それで、誰も知らないとか撮ってたわけです。
子供たちの演技（いや、演技じゃないか？）は圧巻でした。
その監督が、あれ、なんで？？ってかんじ。
いや、そういう先入観を抜けばいい作品なんですけどね。十分。



加瀬亮は最近話題作にたくさん出てますね。やっぱり存在感あります。
眼力もありますね。一緒にこの映画観た子が、『オダギリジョーかと思ったよ』と。
いやぁ彼ももうカンヌ作品出演者レベルということでしょうか。
ウハウハです。
そういえば、オダジョーはこっちの東京タワーの映画の主演もやっちゃうらしいですよ。
原作に、かなり笑い涙したいち読者としてはあんまり期待できないんですけど・・・

「仇討ちはなぁ、儲かるんだなぁ」だって。

クリックお願いします★