日本の「レイライン」を真面目に研究するブログ

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諏訪大社の謎(2)

2007-05-26 22:33:03 | 諏訪大社の謎
鹿島神宮と諏訪大社(2)

冷静になって考えてみれば、鹿島神社と諏訪大社は厳密な意味で東西に並んでいるというわけでもない。

鹿島神宮の緯度は「北緯35度58分8秒」(国土地理院の地図閲覧サービスで調べたおおよその緯度)。

一方、諏訪大社は、諏訪大社上社前宮・諏訪大社上社本宮・諏訪大社下社秋宮・諏訪大社下社春宮の4つの宮があり、場所が離れている。

諏訪大社上社前宮(北緯35度59分28秒)
諏訪大社上社本宮(北緯35度59分56秒)
諏訪大社下社秋宮(北緯36度4分30秒)
諏訪大社下社春宮(北緯36度4分56秒)

一番近い諏訪大社上社前宮よりも、まだ南に位置するのだが、当初はこの程度の誤差は気にならなかった。鹿島神宮と諏訪の距離は200km以上あるのだ。一方、鹿島神宮と上社前宮の緯度の差は約2.5km。これくらいは許容範囲ではないのか。日本全図上に線を引いてみれば、注意して見ないと気がつかない程度の誤差だ。古代人の技術力では限界があったのではないか…

しかし、それでは範囲があまりにも広すぎるのではないかと感じてきて、この考えは捨てることにした。

その理由は、もっと厳密な「レイライン」が多数見つかったこと。もう一つは、仮にこれが意図的な配置だとしても、誤差の範囲を大きくとると、偶然そうなっているものとの区別がつかなくなることである。

文献史料があれば話は別だが、レイラインの場合、史料が発見されたという話は聞かず、存在自体が疑問視されている。レイラインの証拠となるものは、レイラインそのものしかない。であるから、その存在を主張するためには、魅力的であっても厳密ではないものよりも、より説得力のあるものの存在を発見し、主張すべきであると思う。

しかし、だからといって、ただの偶然であると片付けられるかといえば、そんなことはない。この両神社が「ほぼ東西」に並んでいるのは事実であり、両神社の祭神を考慮すれば、この配置は絶妙である。

現段階で、これを間違いなくレイラインだと主張するのは無理があるが、逆にただの偶然であるとして一刀両断するのも、あまりにも保守的な態度であろう。

(つづく)



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1 コメント

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興味持ちました。 (masa)
2009-01-14 15:12:14
 鹿島神宮の緯度がずれているという事ですが、北浦の対岸、潮来市に鹿島神宮の元社ではないかとされる大生神社があります。
 大生神社の緯度のほうが諏訪大社に近いと思われます。