Tomuro Blog

お仕事以外の色々なことを気が向いた時に書いています。

ベッドの上での読書

2014-08-10 17:55:56 | 本と雑誌
日本列島を台風が通過し、外は時おり激しい風にうなり声を感じます。
早いもので退院からは1週間が経ち、
ほんの少しずつですが、その頃の記憶の生々しさは薄れゆく予感がしています。

その時に一番過ごす時間が多かったのは当然ベッドの上です。
窓の向こうにはきれいな青空が毎日広がっておりましたが、それは眺めるばかりです。
そうした幽閉感を吹き飛ばすには、現実から離れられる「読書」がなかなか効果的です。

ということで、入院中に読了した一部をピックアップさせて頂きます。


1

まずは、宮部みゆきさんです。
現代モノではかなり昔から好きな作家の一人です。
下町の雰囲気を表現するときに、私自身の出身地をどことなく思い出させる感じがして好感を持っております。

時代モノもけっこう書いているのですが、それは今まで「食わず嫌い」でした。
江戸時代にミステリーも何もないでしょう…という勝手な決めつけですが。

読んでみれば、この世界に入り込んでしまいますね…それぞれのキャラクターがつい面白いので。
内容に関しても、細かな小道具は、それは江戸時代なのでありませんが、
全体として意外性を表現していて、上下巻のボリュームながら楽しく読めました。
このシリーズでは続編も出ているようなので、チェックしたいと思います。


2

続いてはバリバリの現代モノ、恩田陸さんです。
それまでに読んだものは、どことなく現実から少し距離があるような無いような感じがしておりましたが、
これはどっぷりと現実っぽい内容です。

題名通りの「受け答え」で淡々と進行していきます。
それぞれのQ&Aの先に起こること、
読者が想像してそれがその通りに進行するかどうかを詳しく示すことなく、
ひたすら淡々と書き記されていきます。

このブログのために画像を撮るときに気がついたのですが、表紙はそういう場面だったのですね…
今の今まで分かりませんでした。

想像をすればするほど、それぞれの読み手の展開が広がりそうな長編です。
何となくですが、読む季節は夏が相応しいかと…私は、背中が涼しくなれました。


それ以外にも「本」は持参したのですが実用書などで、小説はこの2編です。
まだまだ暑い日が続きますが、時には活字を追うのも良い時間の過ごし方かと…







6泊7日の小旅行(風呂・食事編)

2014-08-03 18:44:49 | 健康・病気
さて、旅行の楽しみと言えば、食事と(温泉などでは)お風呂が上位にあがってくるのではないでしょうか。

今回は、病室メインの状態ですので、
食事とお風呂は特に楽しみの期待が高まるイベントとなってきます。

初めてのお風呂の前日の夜、こんなプレートを渡されます。

1_2


もうこれだけで、どことなく興奮気味です。
なにしろ、このときは、ほぼ3日ぶりです。その間に手術やら何やら、
サッパリしたくなるようなことがめじろ押しでしたから…

いざ!
貸切風呂で長々と横たわれる浴槽を兼ね備えています。
シャワーもワンハンドルで湯温と湯量がそれぞれ調節できるタイプは、楽々です。
思いっきりくつろげる仕様には、大満足でした!

が、いかんせん時間が20分限定貸切でした…
これはけっこうプレッシャーです。脱ぐ前から着た後までのフルタイムが20分です。

これだけは何とかしてほしいですね。
少しだけ、刑務所とか軍隊とかそういう世界を想像してしまいました。(もっと厳しいのでしょうが)

食事に関しては、「当たり」だと思います。
温かいものは温かく、冷たいものは冷たく出ることがまず嬉しいですし、
個別のオーダーにも対応していました(乳製品が苦手な方には、ヨーグルトでなくフルーツなど)。

ある日の夕食
水ぎょうざ
ブロッコリーとキノコの炒め
ごはん
スープ(白滝ほか)
オレンジ

なかなかのものでしょう…けっこう野菜を使うことに重点を置いているようです。
規則正しい生活と、バランスのとれた食事、残念ながら適度な運動はかないませんが、
退院後に体重を測ったら、1㎏落ちていました。

最後の朝食には、次のようなカードを付けてくる気の配りようです。

2_2

ちなみに、右上のお二人は、右が院長で左が医師です。けっこうそっくりです。

そんなことで、無事に退院となりましたが、
これでおしまい、めでたしめでたし…で終わらないのが現実ですね。

この後もいったいどうなることなのでしょう…









6泊7日の小旅行(時間の過ごし方編)

2014-08-03 18:22:13 | 健康・病気
基本的には病室で過ごしている時間が多いのがこの旅行の特色です。
動き回ることそのものを禁止されている訳ではありませんが、
特に行くところも見当たりにくいことも正直な話です。

自然と、ベッドの上での時間が増えてきます。

1


よく言われる「時間つぶし(失礼!)」グッズのうちのいくつかを、
持参しました。(病院推奨のものや、ネットでのオススメや、周りの推薦などです)

・本 5冊
これは定番です。
電子書籍であれば、スペースや重さを気にしなくてすみますが、
昔ながらの活字好きとしては、やはり「本」です。
1冊は、パズル(数独)を持って行きました。個人的にはこれは当たりです。
思いっきり時間をかけることができました。後半は難しくなってイライラしましたが。

・携帯、スマートフォンやタブレット
今どきは必須かもしれません。割と皆さんベッドの上で操作しておりました。
さすがに通話は非常階段や入口外でという規則でしたが、ご高齢の方で無頓着に使われている方も…
スマホやタブレットであれば、音楽や動画まで網羅できるので良いかもしれませんね。
充電の環境に注意してみましょう。

・イヤホン
TVを見るときには必ず使ってください、と病院から推奨されました。当然、音楽もですね。
100円均一で準備しましたが、性能が良くて驚きました。コードは2mもあれば十分です。

・耳栓
けっこうネットなどではオススメされていて、持ち込みました。(もちろん100円均一)
使ってみると、雑音がカットされてけっこうイイ感じではありました。
が、時間が経過するごとに、その存在感(耳の中の異物感)が増してきました。
結局、外して使わずじまいでした。いつも使っていないと、違和感があって使わないものですね。

・アイマスク
こちらも耳栓同様で、全く使いませんでした。
昼間など明るくても、アイマスクが無くてもあっても、眠れるときは眠れるし、
眠れないときには眠れないものということが今回分かりました。


モノとしてはこのくらいですが、
同室になった人(今回はほぼ同じ症状の同じスケジュールの人がおひとりいらっしゃいました)と
ご挨拶で顔見知りになることは重要です。

ちょっとした会話がどれだけ心強く、お互いに励ましになるか痛感しました。
食事もほぼ毎回一緒に頂く間柄になりました。

そんなこんなで過ごした時間も、気付けば終わりが見えてきます…











6泊7日の小旅行(薬ほか編)

2014-08-03 00:03:38 | 健康・病気
手術(7月28日午後)の後は、その夕方から麻酔が切れると、
猛烈にお尻がジンジンジングルベルな感じで(ふざけているようですが、けっこうこんな感じ)
熱いといいますか、痛いといいますかに見舞われました。

飲み薬を投入されますが、あまり効果がはっきりしないので、
さらに点滴を投入です。ここから点滴人生の始まりでした。

その夜は点滴そのものは行わないものの、腕には針が刺さった状態のままです。
落ち着かないことこの上ありません。

翌29日も日中は点滴人生、ようやく夕方に一区切りです。

点滴とともに一緒に人生を歩み出したのは、ガーゼです。
不要なものを切り取ったということで、しっかり切り傷が残っている状態です。
子どもの頃(に限った訳ではありませんが)、転んだりして作った切り傷・擦り傷からは、
じゅくじゅくと何か体液が滲み出ませんでしたか?

簡単に言うと、それと同じことが起こっているいるそうです。
なので、じゅくじゅくと滲んでしまって、このままでは下着が大変なことに…

それを防ぐための、ガーゼです。

1_3


普通のガーゼではなく、特注のものを重ねて、両面テープで貼り付けたりします。
最初は間違えたりしまして、「もったいない」でしたが、
そのうち慣れてきて、家内制手工業の熟練工に早変わりです。
ちょっと自慢でした…

話は戻って点滴ですが、これで最後となりました。この開放感たるや!

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7月31日のことでした…
それからは飲み薬メインに変わります。ひとつだけ話題を…
漢方系の「お腹をゆるくする」効用の顆粒のものがあります。とても苦く、独特の風味です。
これなんて、お腹をゆるくする効用というよりは、単にお腹を下しているだけのような気もします…






6泊7日の小旅行(手術編)

2014-08-02 18:19:08 | 健康・病気
内視鏡検査というオプショナルツアーを終えると、
ベースキャンプには吸水性の良さそうなシーツが敷かれてありました。

気が利いているようで、あまりこちらを信用していない感じで、
「慇懃無礼」とでも言うのでしょうか…
(多少、精神的に不安定な状況なので何に対しても懐疑的な気持ちになっています)

1_2


本人がどう思っていようと、時は流れ使者はやってきます。
ベースキャンプから呼び出され、廊下の端に置いてあるストレッチャーへ誘導されます。

そこですかさずの、点滴です。
この、ストレッチャー&点滴という組み合わせは、
どんな健康体をも気持ち的には「患者」に仕立て上げます。
天井しか見られない視点、活動性を著しく落とす点滴のチューブ、何より針が刺さった時の痛み…
よく考えられているように感じます。(何を考えているかを追求する余裕はありませんが)

弱った(?)ところで、そのまま手術室へ搬入されました…

手術台は、(側臥位というウワサもありましたが)うつぶせ寝と指示されます。
処置しにくくないのかしらと、余計な気遣いをしていますと…

おっと!!「電動」です。

股関節を回転中心として、下半身は下降します。
そして、ウエストのあたりがちょっとだけ上昇します。
ひらがなの「へ」みたいな形になります。これで患部は見やすくなるでしょう。
これは、職業柄、少しだけ興味深い体験でした。

そして、麻酔です…幸か不幸か全身ではありません。
あらかじめ「闘病記」などで学習していた腰部麻酔でもありませんでした。
(よく効くのですが、副作用が出たときに1週間くらい続くそうです)

より狭い範囲で効きの限定的な仙骨への麻酔をやってみて、
ダメなら腰部麻酔で行くという流れでした。

ブスッと注射が(注射だと思うのですが、直接は怖くて見ていません)
思ったより痛いです。グリグリと入れられている感じです。

しばらく(10分くらい?)すると、じんわり温かくなります。
これが麻酔の効いてきたサインだそうです。
ピンセットのようなものでチェック!…チクリと、痛いです!効いてます?
同じことをお尻(臀部)でやってみると、猛烈に痛い!なるほど、かなり限定的な麻酔でした。

なので、手術中も意識はハッキリ…BGMも聴こえます。
なぜかサザンオールスターズをオルゴール風に聴かせるパターンの「有線」でしょうか。
「エロティカ7」~「いとしのエリー」~「TSUNAMI」~「もう一曲(名前忘れました)」
の黄金メドレーのうちに終了となりました。

取り除いた患部もしっかりと見せてもらいました。
感想は、言わぬが花ということで…

手術そのものは、麻酔の注射が最も痛いくらいで、最初の不安は全くの杞憂でした。
イイ感じのスタートです。