きいてほしいの、わたしのこと -ウィン・ディキシーのいた夏-
☆あらすじ
引っ越してきたばかりで友達のいないオパールはスーパーでのら犬をみつける。ウィン・ディキシーと名づけられたこの犬は、さまざまな人との出会いをつくってくれて・・・
☆感想
いろいろな人がいて、それぞれがかなしみをもっていきている。それでも、生きていられるのは、そばにいてくれる人たちがいるからであり、その人たちがいるからこそ、笑ってすごせるのだよ。と素直に教えてくれる作品。オリバーの素朴な目からみた町の人たちの、さみしさとあたたかさが、さわやかに伝わってきます。
ただ、少し書き込みが足りなくて、それぞれの複雑な思いが、ただの「さみしさ」でまとめられている気がしました。何人もの複雑な過去を、いとも簡単に説明してしまうのは少々抵抗を感じました・・・大人の小説ではないのだからと言われそうですが、中学生向きだとしても、戦争で傷ついた人を書くならばその時代背景、苦しさを書かなければいけない。それはまだ早いというならば、中学生は中学生なりに感じるかなしさをしっかり書いて、伝えればいい。さみしさ代表=戦争で傷ついたetc…では、あまりにも安直ではないかと。
と,えらそうなことを書きましたが、この作品はそんなに感じ悪くないです(笑)。母親がでていってしまったり、引っ越したばかりで友達がいなかったり・・・・・・、オリバーの微妙な気持ちがきちんと書かれていると思います。
英語の題名が「Becaouse of Winn-Dixie」になっており、「ウィン・ディキシーのおかげ」くらいのほうが、いいのではないか?と思いました。