日本の近代天文学の先駆者の麻田剛立の伝記。
☆ 感想
剛立の天文に対する熱中ぶりと、剛立をとりまく人々とのかかわりが丁寧にかかれている。
幼いころから、天体観測しつづけた剛立。自分の目ではとらえることができない天体の動きも、緻密な観測と計算で、とらえることができる。宇宙を知るという大きなことも、実際にみることができる事柄を地道に記録していくことからはじまる。見通しをたてたうえで、地道に積み重ねることの大切さ・すごさを感じた。やはり、伝記は生き方を学ぶ?には適書なのかもしれない(笑)
研究内容もわかりやすい言葉で説明されていて、読みやすい。たとえ、わからなくとも、剛立が実際に観察したことをもとに研究をすすめていったことはわかるし、どれだけ剛立が真摯に研究にうちこんでいたかは伝わってくる。
また、剛立を支えた人たちとのやりとりや、少しずつ先事塾が活気づいていく様子も伝わってくる。
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月のえくぼをみた 麻田剛立
鹿毛敏夫著 関屋敏隆画
くもん出版 2008
略年譜・解説あり
対象 高学年~
評価 B+
件名 江戸 天文