ここに紹介するA&Aは、きっとご存知の方も居られると思います。しかし、その内容に関する理解という点では、多くの問題があると考えます。・・・そこでこれから何度かに分けて、解説されている内容の問題点を論じていきたいと思います。
手元に、”訪問介護サービス内容に関するQ&A”という裏表A41枚の資料があります。
これは、おそらく厚生労働省もしくはどこかの自治体が作成したものだろうと思われますが、よく分かりません。(別添)と表題にあり、ページ数が11ページから14ページまでです。
ところで、このQ&Aですが1・が身体介護に関するもの、2・が生活援助に関するものです。
この中で解説されている位置づけを読んで、皆さんどう思われますか?
すでに内容を承知している方も多いとは思いますが、少し紹介してみます。
全部ではなく一部の紹介になりますが、皆さんの感想を出し合ったら面白いと思います。
身体介護。
1・通院の帰りに、道沿いにあるスーパーや商店に立ち寄って買い物をする。
●訪問介護では、居宅もしくは居宅を介して行う必要性があるため、ケアプラン上で買い物同行が位置付けられていたとしても、医療機関からスーパー等への移動の介助は介護保険の対象とならない。
2・病院、診療所、あんま、マッサージ、整復の施術所整骨院、針鍼灸等へ自費で通う。
●医療保険対象か否かのみで判断すべきでなく、①その通院が日常生活上必要かどうか、②要介護者等の身体の状況等から通院の為に介助が必要かどうか、この2点を満たすかどうかで個別的に判断する必要がある。ただし、治療のためではなく、単なる慰安を目的とするものは対象とならない。
4・利用者の趣味趣向品を買いに行く。
●介護保険は適用できない。趣味趣向のものとは、例えば、酒、たばこ、中元、歳暮の品等。
7・警察、裁判所へ出頭する。
●利用者が自立した日常生活を営む上で、必要なものとは考えがたい為、対象とはならない。
9・認知症等の利用者が、精神的に不安定になった時、落ち着くために外出する。
●気分転換の為の外出は、介護保険の対象とはならない。
10・医師からの指示による下肢筋力低下防止や、認知症による徘徊予防のために、近くの公園まで歩く。
●訪問介護で位置付けるべきではなく、他のサービス提供を検討すべきである。
11・入院している知人や親戚の見舞いに行く。
●算定できない。
12・地域の催し(盆踊り、カラオケ大会など)への参加や、気分転換の為の小旅行やドライブに外出する。
●利用者の趣味趣向に関わる行為であり、日常生活上必要とは考えがたい為、算定できない。
13・選挙の投票に行く。
●社会的事由(公民権の行使)に該当する為算定できる。
14・冠婚葬祭、墓参りなどの為に外出する。
●利用者が自立した日常生活を営む上で必要なものではないため認められない。

今日は、このくらいにしておきましょう。・・・全部で40項目のQ&Aなので、一気に全部検討すると大変です。
皆さん、これらの回答を読んでどう思われますか?
勿論納得できるものもあるんですが、おかしい?と思えるものもある。一面的だ、と考えられるものもある。・・・いろいろ意見を出し合ってはいかがでしょう。
実は、私の属する事業所の法人専門職の研修で、これらの内容を検討する時間を持ちました。
・・・実にいろいろ意見が出ましたが、厚生労働省や自治体の判断に合点いかない意見も多数出されたのは事実です。
ただ、だから自治体に個々に異論を申し出ても、おそらくここのサービスがこの解説から逸脱して認められる可能性は低い。
個別的に例外が認められるとしても、この見解が訂正される可能性は低いと言えよう。
だとするならば、ケアマネとしてどう位置付けてサービスを提供するのか?その方法はあるのか?
だめだと言われていることを、どう工夫して可能とすることが出来るのか?…これはある意味、専門職としての錬金術のようなものかも・・・
こうした細工や工夫にたけた人もいれば、不得意な人もいる。
文章面での記述に長けた人もいれば、そうしたことに不得意な人もいる。
これだけは言えることがあります。
それは、介護保険は、保険者がその判断権を有しているということです。
そのケースにおいて、ここのサービスの在り方についても最終判断は保険者の判断にあり、具体的には担当係官の見解が最終判断となる。(ただ、もしこの判断に異存があれば、裁判にて争うことは可能)・・・しかし、そこまで争うことが出来る人は限られてくるから、普通のケアマネと利用者が出来ることは、各自治体の担当係官へ直接交渉をして、文句を表明し、苦情を聞いてもらって、問題の善処を求めることぐらいでしょう。・・・こうなると、いくら粘って交渉しても、どれくらいの苦情が認められるのか?極めて見通しは悪い…
ボランティアや、包括支援センターの生活支援事業を使えと行政は言うかもしれません。
でも、どれだけのこうした社会資源が使えるのか?
はたして、介護保険を補完できるだけの社会資源があるのかないのか?教えて欲しいものです。
・・・先に結論を言えば、そんなものどこにもないのが現実です。・・・もし幸運にも、ここで言われているような支援方法に出会えることが出来たなら大歓迎ですが、おそらく殆どのニーズには答えられないのが現実と思います。
”制度あって、それを運用する人少なく、満足する者おらず…”・・・こんな介護保険に誰がした?