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言葉は人を生かすことも殺すことも出来る。傷付け合うのではなく、支え合ってお互いを生かしあうページにしたい。

ヒロシマナガサキ:編集・(S・オカザキ)

2007年09月29日 | 映画紹介コーナー

ヒロシマナガサキ(S・オカザキ)
ジャンル:戦争  2007/08/15 23:04
(編集 S・オカザキ)

ストーリー
62年前に、日本の広島・長崎にて投下爆発し、瞬時に21万人が殺戮された。その事実を、まず正しく知ることから始めること。ここから、全ての戦争観、核戦争の是非が語られなければならない。
・・・このドキュメンタリーは、日米14人の証言を基に、当時の映像と体験談を生々しく紹介しつつ核兵器が何をもたらしたのかを訴えている。
・・・世界の全ての人が、この映画を見ることで、ヒロシマ長崎の事実に対して謙虚な目を持つ必要があるのではないか?
被爆者たちが持つ心の傷と、体に刻まれた傷をしっかり見据えて、戦争と平和というテーマにこと得る必要がある。

出演:            中沢啓治 ローレンス・ジョンストン 肥田舜太郎
この映画にいくら出せますか? 1000円~~2000円
音楽   ストーリー  映像・演出  俳優   総合評
☆☆☆  ☆☆☆☆   ☆☆☆    ☆☆☆  ☆☆☆☆

コメント
米国のケーブルテレビを通して、この映画は現在全米に放映されているという。
原爆により、どれだけの人々が悲惨な犠牲を強いられ、今もなお苦しめられているのかを深く考える機会でもある。

ヒロシマ・ナガサキの犠牲者たちが何を訴えているのかをしっかり考えて欲しい。
・・・彼らは、ほとんどが民間人です。
米国の核政策は、軍人や軍施設を破壊することを超えて、戦争状態にある国の住民すべてを巻き込んで都市破壊を実行したことに、この核兵器使用の本質を見る必要があります。
・・・もちろん、焼夷弾による多くの都市へのじゅうたん爆撃も住民の皆殺し作戦の一環であり、問答無用に、人間を虫けら同然に殺戮する作戦です。B-52の爆撃により、やはり数十万の人々が犠牲になっているが、核兵器はこの作戦と一線を画している。
1個の核兵器が、都市を丸ごと破壊し、その後何十年も放射能の汚染にさらされ、生物全体にどれだけの悪影響を与えるのかはまだその全貌が明らかにされていない。
・・・解明されていないというのは、核兵器の影響が、子、孫、曾孫に至る何十年も深刻な影響を与える可能性が懸念される。


私たちに問われているのは、こうした都市を丸ごと破壊し、生きるもの全てを根絶するような兵器を容認するのか?どうかが問われているのです。

恐らく、核戦争が始まれば、地球上では未曾有の恐ろしい人的被害が生じて、夥しい人間が放射線の犠牲になるでしょう。

・・・この映画をよく見て欲しい、広島・長崎の被爆の実態をよく見つめて欲しい・・・
そのためにも、数少なくなった生き証人の言葉と傷跡をしっかり覚える必要がある。

・・・やがて、彼らも寿命が繰れば死んでゆくでしょう。・・・しかし、彼らが語った核戦争の体験は、世界の国々に語り届けられる必要があるのです。
なぜなら、日本は、世界で唯一、核兵器の犠牲とはどんなものであるのかを体験した世界で唯一の国家であるからです。
・・・核の烙印を押された国家の子孫として、非戦闘員の子供や年寄り全てが焼き殺された核の実態を忘れてはならないのです。





ひめゆり: (編集:柴田昌平)

2007年09月29日 | 映画紹介コーナー

ひめゆり: (編集:柴田昌平)
ジャンル: 戦争 2007/07/28 11:40


ストーリー 戦後62年、沖縄戦でのひめゆり学徒の真実は、まだまだ知られていないことが沢山あります。
このドキュメンタリー映画には、余分なナレーションはありません。
流れているのは、ひめゆり学徒に動員され、死線を超えて生き残ったおばちゃんたちの生の話し声と、当時の戦場の跡の風景、沖縄の海・空・花です。

二十数人の元ひめゆり隊の証言は、きっと聞く者の心の中に、沖縄線がどういうものであったのかを伝えることでしょう。
すべての人に、見て頂きたい証言集です。

出演:             ひめゆり同窓会有志
この映画にいくら出せますか? 1000円~~2000円
音楽   ストーリー  映像・演出  俳優   総合評
☆☆☆  ☆☆☆☆   ☆☆☆☆   ☆☆☆  ☆☆☆☆


コメント
2時間10分にわたるドキュメントですが、語るおばちゃんたちの話に引き込まれ、時間の過ぎるのを忘れる映画です。

出演者は、すべて実際のひめゆり学徒で召集された女学生の人たちです。
同僚や指導していた教員など220人は殺されてしまった…この戦争という名の殺人を、だれが正当化するのでしょう?
当時は、それを聖戦扱いし、日本軍と一緒に戦うことが栄誉とされていた・・・また降伏して捕虜になることを、恥と教えられ、手榴弾を渡されて自爆することを教えられた人たちがいたのです。

ちょうど、イラクやアフガンの自爆攻撃と同じように、当時の日本軍は、一般市民・女学生にまで自爆をすることを美徳と教え実行させていたのです。

信じられないことですが、こういう狂気じみた戦い方が、当時の戦争では正当化され、天皇陛下の為と称して、おびただしい数の若い命が失われていったことを、私たちは忘れてはならないと思います。

「死にたくない、お母さん助けて・・・」と叫びながら、多くの女学生が無くなった事実をしっかり記憶し、心にしっかり留めておきたいと思います。






硫黄島からの手紙(監督:C・イーストウッド)

2007年09月29日 | 映画紹介コーナー

硫黄島からの手紙 (C・イーストウッド)
ジャンル:    人間 2007/01/01 23:26
監督・編集    (C・イーストウッド)


ストーリー 太平洋戦争の末期、硫黄島にて米軍と日本軍により戦われた激戦の実話を元に、米軍の立場からのものと、日本軍の立場からの2本の映画が作成された。
この映画は、「父親たちの星条旗」の次に作られた、日本軍の立場から描かれた硫黄島を戦場とした人間物語です。


出演 :           加瀬亮 伊原剛志 渡辺謙
この映画にいくら出せますか? 1000円~~1500円
音楽  ストーリー  映像・演出  俳優    総合評
☆☆☆ ☆☆☆☆   ☆☆☆☆   ☆☆☆☆  ☆☆☆☆  


コメント
●クリント・イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」を観て、まず一番印象に残ったことは、男くさい映画として描かれていることです。登場人物の中にはもちろん女性も居るのですが、戦闘場面に入ってからは、すべて軍人は男性で占められている。これは当然と言えばそれまでですが、男たちが繰り広げるドラマとして、味気ないものにはなっていない。
それは、一つには戦争と言う非日常的な場面の中で、死に直面したぎりぎりの緊張場面で繰り広げられている物語だからでしょう。

●私が印象に残っている一番の場面は、当時の日本のある街で、憲兵として上官と2人で見回りに出ていた青年が、ある民家の前で立ち止まり、日章旗が掲揚されていないことを発見し、家族を呼び出し詰問する場面です。
中から出てきた女性が、子供たちも顔を出す中で必死に弁明している。「国旗を掲げるつもりでしたが、女子供だけでは掲げられなかったので、手伝っていただければ掲げます」と言い訳をする。若い青年憲兵は母親を手伝って国旗を掲げたが、その家の犬が吠える。
それに怒った上官の憲兵が若い憲兵に命令し、「任務にはむかう犬を処罰しせいばいせよ!」と命令する。家族の目が若い憲兵に注がれ、必死に命乞いをするなか上官は非情にも裏庭にて犬を処分せよと命令する。
・・・やむを得ず、若い憲兵は犬を裏庭に連れてゆき、拳銃を発砲する。・・・しかし、それは上官に判らない様犬を助けるための空砲であった。「犬を黙らせて、家の中に入れておけ」と命令して家を出、其の侭立ち去ろうとしたが・・・「わんわんわん、」犬が小さく吠える声が聞こえてくる。おそらく、黙らせきれずに、恐怖心で犬がまた吠えたと推測される。
それを聞きつけた上官は、民家に駆け上がり、自分の銃でその犬を射殺する。
戻ってきた上官は、今度は若い憲兵退院を殴りつけ、「犬一匹殺せぬ奴が、憲兵としては務まらぬ」と怒鳴りつけ、上官の命令に反抗したかどで、戦場の前線に送られる処分を受ける。・・・こうして、若い憲兵退院は、硫黄島の前線に送られ、帰る可能性がない戦場にて、命を捧げて戦闘に駆出されることとなった。

●この不条理な一青年憲兵隊員の挿話は、もう一人の戦場に借り出されたパン職人の運命と重ねあわされて描かれている。・・・彼も、赤紙を受けて硫黄島に送られてきたのだが、故郷には身重の愛する妻が待っている。妻は、赤紙が渡されてきたとき、「あなたはもう2度と帰ってはこない」と泣いた。しかし、彼は妻とお腹の中の子供にそっと約束した。「俺は、必ず生きて帰ってくる」と。その約束を果たすべく、彼は硫黄島の戦いの中で何とか生き抜いてゆく・・・
最後の場面では、傷ついて多くの傷病者と共に戦場から脱出して行こうとする場面です。
辛くも、彼は生き残って命を永らえることが出来た。・・・しかし、多くの戦場で亡くなって逝った仲間たちや、上官たちの思いを一杯に抱えて、彼は、預かった多くの手紙類を廃棄せずに遺して来たことを思い出している。後に、この手紙類が開封され、遺族たちの元にその文面が届けられることにより、今回の映画の下地が作られることとなる。・・・渡辺謙主役の栗原中将が話題をさらっているんですが、私は、どちらかと言えば、この若い憲兵隊員とパン職人の生き様が一番印象に残りました。

●この映画は、見る人それぞれの立場で味わえる作品です。
さまざまな解釈と見方・評価がなされて良いと思います。どの見解が正しいか?正しくないか?ではなく、戦争と言う究極のころ試合の場面に立たされた人間が果たしてどういう態度を見せ、生き抜いてゆくのか?あるいは死んでゆくのか?を考えさせる映画です。





蟻の兵隊蟻の兵隊(監督:池谷薫)

2007年09月29日 | 映画紹介コーナー
蟻の兵隊蟻の兵隊(池谷薫)
ジャンル:歴史 2006/08/06 19:45
編集 (池谷薫)



ストーリー 全ての人に知って欲しい事実、日本軍山西省残留問題を知っていますか?ポツダム宣言以降、4年間にわたって中国にて軍閥の元で戦闘を継続した部隊が居た。その数、2600人あまり、4年の戦闘で約550人が戦死した。29年帰国した部隊の人たちが遭遇したのは、自分達には知らされなかった軍司令部の密約であった。
自分達は何のために戦ってきたのか?日本の国のために戦ってきたはずなのに、国からは余計な中国の戦闘に自発的に参戦したとして、軍人としての名誉を剥奪され恩給も請求却下となる。・・・一体、俺達は、何のために戦って、誰が俺達を見捨てたのか?高ぶる怒りを誰にぶつけたら良いのか?・・・奥村和一さんは、今日も自分達の戦いが名誉回復されるために行動している。


出演             奥村和一
この映画にいくら出せますか? 1000円~~2000円
音楽  ストーリー  映像・演出  俳優    総合評
☆☆  ☆☆☆☆   ☆☆☆☆   ☆☆☆☆  ☆☆☆☆

コメント  
誰も考えなかったようなストーリーが山西省残留問題として残されている。
提訴している元兵隊達は、もう80歳から90歳を超えつつある。その数2600人。・・・中国での戦闘で、550人が無くなった。しかし、無事日本に帰っても、自分達の闘いを認めてくれない?何故なのか?

身体的にも精神的にも、活動できる期間は後僅かであろう。残された時間を彼らは切々と関係機関に働きかけて居る。
「自分達は、お国のために、戦ってきた。知らされなかった終戦の知らせが、軍の指導者により握りつぶされ、中国の各地で戦闘を継続して来た・・・我々が好んで戦闘に参加したのではなく、そう言う指令が下ろされて戦闘を継続した事を証明すべく裁判所にも訴えた。しかし、裁判番書は冷たい。彼らの訴えは却下されて、今尚彼らは自ら志願して国民軍に志願した傭兵であると結論されている。

しかし、彼らは、自ら志願して戦ってきたのではなく、上官の命令にただ従って、ここまで戦ってきた事を誰に証明して貰えば良いのか?奥村さん達は、まだ自分達が頑張ってきた事を、分かってもらっていないと歎く・・・


明日の記憶(堤幸彦)

2007年09月29日 | 映画紹介コーナー
明日の記憶(堤幸彦)
ジャンル:人間 2006/05/14 09:40
編集
ストーリー 働き盛りの50歳、広告代理店部長が突然若年性認知症にかかり、職を失い、家族に激震が起こる。・・・やがて、次第に彼の記憶が失われてゆく・・・
出演 渡辺謙 樋口可南子
この映画にいくら出せますか? 1000円~~2000円
音楽   ストーリー  映像・演出  俳優    総合評
☆☆☆  ☆☆☆☆   ☆☆☆☆   ☆☆☆☆  ☆☆☆☆


コメント
近くにある駅前の映画館で昨日13日の最終放映時間に見ました。(20:40から22:50まで)何時もは、ぱらぱらの少人数の入場者ですが、今日は初日でもあり15人くらいのお客さんが入っていました。
意図せぬ脳の病に侵されて、主人公の記憶が加速度的に失われてゆく。・・・それを、なかなか病としては捕らえなれない苦しみ、自らの職をも明け渡さなければならない悔しさが主人公”佐伯雅彦”の表情から痛いほど読み取れる。
・・・家庭での療養生活は、佐伯にとっては辛い月日である。次第に、自分の記憶や歴史が脳裏から離別してゆく苦しみが続く。それを忘れまいと日記を付けたりもする。懸命に夫を支えようとする妻の献身的愛、・・・それさえもに佐伯は当り散らし暴力を振るうまでに病気が進んでゆく。・・・クライマックスは、山道で遭遇する妻が識別できず、行きずりの人として挨拶し歩いてゆく場面である。山奥のつり橋の上を二人が歩いてゆくさまが移されているが、その二人のシルエットは寄り添って、仲睦まじく歩いている姿ではなく、底深い悲しみに満ちた痛みに打ちひしがれる夫婦の歩いてゆく光景である。

この映画を見ることにより、若年性認知症に苦しむ人たちへの共感を少しでも多くの人が理解するきっかけになるのではと思います。映画を通じて、みんな涙を抑えることが出来なかったと思います。

単騎、千里を走る(チャン・イーモウ )

2007年09月29日 | 映画紹介コーナー
単騎、千里を走る(チャン・イーモウ )ジャンル:家族 2006/02/03 00:36
編集
ストーリー 危篤となって癌に冒された息子との心のよりどころを取り戻すために、主人公(高倉健)は、中国のミャンマーの国境近くの中国・麗江市に赴き、舞踏家の男を探し出す。しかし、彼は何と犯罪を犯して監獄の中に居た。如何すれば、彼の京劇を撮影することが出来るのか?主人公(高倉健)は行動に出る・・・

出演:             高倉健 中井貴一 寺島しのぶ
この映画にいくら出せますか? 1000円~~2000円
音楽・  ストーリー  映像・    演出 俳優   総合評
☆☆☆  ☆☆☆     ☆☆☆☆   ☆☆☆☆   ☆☆☆☆


コメント
癌で冒されている息子(健一)にはもういくばくも時間が遺されていないことを知らされた主人公は、自分が中国へ出向いて、京劇を撮影しようと旅立つことになる。
しかし、言葉も分からず、現地で取材の意思を伝えることは困難を極めた。
・・・しかし、主人公(高倉健)は諦めなかった。役者の中国人舞踊家・李加民(リー・ジャーミン)に息子がおり、彼も離れ離れになって別離の苦しみを胸に抱いて生きていたことを知る。・・・そこで、主人公は周りの者の反対を押し切って李加民の息子に会いに出かける。・・・少年のヤンヤンとの面会を祝ってくれる村人達の心の温かさを知って、悲しみを懐く父親が中国にもいることを気付く彼はヤンヤンの写真を取ってきて役者の李加民に息子の姿を見せる。そこで、再び李加民の父親としての涙を見る。・・・主人公は、己一人の悲しみやわだかまりだけに捉われていた自分の至らなさにもつきあたる。・・・もう、主人公にとっては“千里走単騎”を撮ることは意味の無いものとなった。息子の死を知らされた今となっては、芝居を撮る必要もなくなった。・・・しかし、李加民を始めとして、中国の囚人たちは自分達の演劇を撮ってくれと頼む。主人公は、感動の中で、古来の京劇、 「千里走単騎」を撮ることになる・・・・
この映画は、純粋さと人間の感性が、国境を越えて、何時の世も人々を結びつける力がある事を知らせてくれているように思う。
派手な「切ったはった」はないけれども、人の心を揺り動かす温かさを知らせてくれる物語であると思う。
私には、アクションものが闊歩する映画情勢にあって、このての地味な映画が、遺されてゆくことに安堵するひと時がありました。