それで思い出したことなんですが。
大学時代に所属していた演劇サークルで、
練習の一環として何度か即興をやったことがあります。
いろいろバリエーションはあるわけですが、
今回お話しするのは、
「3、4人でグループを作って、与えられたお題(設定)をもとに演じる」
というものです。
1学年下の後輩に、「タレケン」という♂がおりました。
新歓(=新入生歓迎)コンパの際に、
「奥歯でアルミホイルを噛む」という、
芸だか嫌がらせだか判らないことをやらかした男です。
そのタレケンが、即興の舞台に上がったわけですよ。
今となっては、どういう役を演じたのかは覚えていません。
ともあれ、何かしらのきっかけで(オチだったかな?)、
タレケンが走って舞台から去る、というシーンになりました。
僕らの劇団は、一般教室を使って活動していました。
ですから、「舞台」といっても、
単に教室から机を片付けた「スペース」に過ぎないわけです。
その「舞台」から走り去るということは、
つまり教室の中央あたりから、
窓際に移動するということになります。
さて、タレケンが「移動」を開始しました。
けっこうスピードが付いています。
「窓際」というくらいですから、
タレケンが走っていった先には窓ガラスがあります。
スピードが乗ったタレケンは、おそらく瞬時に考えたのでしょう。
手を付くと、ガラスが割れてしまうかもしれない。
とっさに肘を出したんですね。
プロレス団体 NOAH の看板レスラーである三沢光晴の得意技を、
みなさんご存知でしょうか。
肘(エルボー)を使った攻撃です。
数々あるエルボー攻撃の中に、
ランニングエルボーというやつがあるんですよ。
読んで字のごとく、
走りながら(Running)肘攻撃(elbow)を出すというやつでして。
窓際に向かって突撃するタレケン。
とっさに突き出した肘。
僕らの活動する教室は、棟の3階です。


そんなタレケンくんも、今では妻帯者。
