あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

浅田版・新撰組、完結

2013-11-02 | 本(文庫本)
浅田次郎さんの『一刀斎夢録』を読みました。
こちらは『壬生義士伝』『輪違屋糸里』に続く新撰組三部作のシメです。主人公は新撰組の三番隊長だった斎藤一。タイトルの「一刀斎」は、逆に読むと「斎・藤(刀)・一」となるのですね。業界用語みたいなものか?「ザギンでシースー」みたいな…。

近代日本の幕開けとなった時代を、大正まで生きて見届けることになった新選組最強の剣士・斉藤一。老いてなおかつての鋭さを残す斎藤一が、若き衛師団中尉に夜ごと酒とともに語るのは、幕末の動乱、新撰組が辿った運命、剣の奥義。生と死がいつもギリギリのところにあった人生を振り返り語る、平和な時代に存在する斎藤一が見てきたものは…。

ここで斎藤一についてサラッと。
斎藤一 天保15(1844)年1月1日(新暦・2月18日)~大正4(1915)年9月28日)は、幕末期の武士(新選組隊士:副長助勤、三番隊長、撃剣師範)、明治期に警察官。西南戦争では警視隊に所属して西郷隆盛軍と戦う。階級は警部。
退職後、東京高等師範学校(東京教育大学を経た、現在の筑波大学)の守衛、東京女子高等師範学校(現・お茶の水女子大学)の庶務掛兼会計掛を務める。出自、経歴に不明な点が多い。


『壬生義士伝』『輪違屋糸里』を読んでいますので、浅田版・新撰組の最後の作品をスルーできるわけがありません。しかも今回の語り手が斎藤一ですから。幕末に登場してきた人物の中でも、いちばん刀を有効活用した人でしょうから、その人の目から語られる物語に期待は高まります。
新撰組にまつわるオイシイ部分のエピソードは、既に前2作で語られつくしているようにも感じられますが、本作では竜馬暗殺と戊辰戦争の場面が注目ポイントでしょうか。「西郷、大久保の出来レース」という説がちょっと面白かった。案外本当だったりして…。
そして今回の「浅田節炸裂の泣かせポイント」は、甲州鎮撫に赴く土方が、日野宿で盲目の兄・為次郎と再会するシーンです。鬼の副長・土方歳三が、兄の前でだけは「幼い弟」になって泣くのです。情景が鮮やかに思い浮かぶ、とても良いシーンでした。今回は私、泣きませんでしたけど。

これにて新撰組三部作は完結ですが、続き物ではないので、どの作品から読んでもOKかも。でも、今作に関してはまず『壬生義士伝』を読んでから入られることをおススメします。斎藤一と吉村貫一郎の新撰組内での関係性は、知っておいた方がより楽しめるはずですから!
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 新しいいこいの場 | トップ | 何かとやられた! »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
携帯より… (ハナキャップ)
2013-11-03 04:08:57
失敗したらゴメン…(最初に言っとく)

この本はヤバイね!
壬生義士伝を愛する私は間違いなく、ネグレクト風にペイを放置プレイしちゃう予感だ…(汗)
でも絶対読む!
映画版の斉藤一(佐藤浩一)が大好きなんだもん♪

本は買わずに借りる主義な私の、数少ない永久保存本になるに違いないから、これは図書館で予約待たずに本屋行くわ☆

返信する
ハナキャップさん (とみ)
2013-11-06 08:31:43
(最初に言っとく)斎藤一、斬るよ。バッサバッサ斬るから。
そのシーンがちょっとグロかったりするので注意!

それにしても佐藤浩一。私もファンどす~
「好きな俳優を挙げよ」と言われたら、間違いなくトップ争いの位置にいる
こんなところまで、ハナキャップさんと一緒だなんて、ウフフフフ
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

本(文庫本)」カテゴリの最新記事