あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

短篇も凄い

2023-01-11 | 本(文庫本)
宮部みゆきさんの『さよならの儀式』を読みました。
私にとっては「安定の宮部さん」の作品。でもちょっと違うのは、これが短篇集であること。しかもSF! ファンタジーは少々苦手ですが、SFならOK。やはり読む前からワクワクしました。様々なテーマで描かれた、全8篇の本格SFでした。

(母の法律)虐待される子どもとその親を救済する奇蹟の法律「マザー法」がもたらす功罪。
(戦闘員)孤独な日々を過ごす老人が「侵略者」の存在から覚醒する。
(わたしとワタシ)45歳のわたしの前に中学生のワタシが現れる。
(さよならの儀式)長年一緒に暮らしてきたロボットとかわす最後の挨拶。
(星に願いを)妹の体調不良も駅の無差別殺傷事件も、全部「おともだち」が発端。
(聖痕)調査事務所を訪れた依頼人の息子「少年A」は、人間を超えた存在になっていた。
(海神の裔)日本の小さな漁村に「屍者」のトムさんがやって来て……。
(保安官の明日)閉ざされた小さな町の保安官が守ってきたものは何だったのか?


もぉ~、良い! 全部良い! 見事としか言いようがないです。実に感動的なSF短篇集でした。
宮部さんの作品はミステリーや時代もの、人情味あふれる怪奇ものなどなど、それぞれのジャンルで名作ぞろいではありますが、SFも見逃せないのです。だってあの大長編作品の『蒲生邸事件』もSFですから。私、この作品大好きですから。それと同じくらいのSF作品であると断言いたしましょう。
個人的には「海神の裔」がじんわりと沁みてお気に入りです。明治期の日本のどこかの漁村が舞台なのですが、これが、ネタバレになるから書きませんが、こういう設定で物語を組み立てられること自体が凄いと思うのです。
そして「聖痕」。これは長篇にしても全然いいんじゃないでしょうか。いや、ぜひとも長篇で読みたい。結末は知っているけど、長篇になったら絶対に読むな~。

こんな感じで2023年の読書が始まりました。今年はどんな作品を読めるでしょうか。充実した読書時間がたくさんもてますように。

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