あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

残念大賞

2021-05-28 | 本(文庫本)
柚月裕子さんの『蟻の菜園』を読みました。
とにかく何か読みたくて仕方なくて、でも手元に何もなかったとき、通りがかりの古本屋さんで見つけて購入。ワ~って感じで一気に読んでしまいました。

「車中練炭死亡事件 結婚詐欺容疑で43歳女性逮捕 複数の男性殺害に関与か」。ネットニュースを見た今林由美は逮捕された円藤冬香の写真にくぎ付けになった。誰もが認める美貌の持ち主。結婚詐欺などしなくても異性に不自由するはずがない。お金が必要ならいくらでも稼げそうな女性だ。フリーライターの由美は冬香のこれまでの人生に何があったのかに興味を持ち、この事件に隠された真実を追うことを決意する。

非常に残念な作品だという読後の感想です。一気に読んでしまったのは面白かったからではありませんでした。すぐに読み終えて次に行きたかったから。
とにかく残念なのは、もっと深く掘り下げられるテーマだったんじゃないかってこと。題材は面白いのに人間描写も心理描写も浅い。浅すぎる。単に状況説明の羅列になってしまっていました。どの登場人物も「同一人物か?」と思えるほど、次の行動や発言が予測できてしまってそれが的中してしまうという流れでした。
途中で謎な人物が出てくるのですが、ここでも出てきてすぐに「はいはい、解離性人格障害ね」って分かってしまい、終盤にいよいよな感じで「解離性人格障害でした」と描かれても「知ってた」となったので、本当に残念。
そのほかにもいろいろ残念なところがありすぎて、ただのグロくて悲惨な話、で終わってしまいました。本当に残念。

「もし同じ題材をあの作家さんが描いたら、まったく違う読み応えの作品になるはず!」
とどうしても考えてしまったので、次、その方の作品に行きます。
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