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あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

痛快ではあるけれども

2017-01-19 | 本(文庫本)
伊坂幸太郎さんの『オー!ファーザー』を読みました。
2017年最初の読書記録ですから、スカッとするストーリーの作品にしたかったので、読後の爽快感が約束されている伊坂作品をチョイスいたしました。

高校生の由紀夫には個性的な4人の父親がいて、4人と同居している。それぞれが「自分が本当の父親」と確信しているのだが、4人の父親たちの間に諍いはない。父親たちは由紀夫を大切に守ろうとするのだが、当の由紀夫は次から次へと事件に巻き込まれる。愛する息子の危機を救うべく、父親たちが立ち上がる!

4人の父親っていう設定も突飛ですが、4人のキャラ設定もかなり面白くて、ここで面白い展開になることが約束されたようなものでした。でもあまりにも突飛すぎて、リアリティがあるか、と言われたら返答に困るかも。
それでも最後は温かい気持ちで読了させてもらえました。4人の男を虜にしてしまった由紀夫の母親が最後の最後にフラ~っと登場して、ほんわかとした空気に変えて終わり。
「お洒落だわ」
と、ちょっと前まで惨い事件が描かれていたとは思えないエンディングでした。

と、すっかり幸福感で終了できたか、と言いますと、そうでもなく、なんだかもやっとする部分も残りました。それは、由紀夫と事件に巻き込まれた親子以外の登場人物にありました。
とにかくみんな自己中なの。由紀夫の同級生の多恵子なんて、不快になるくらいの自己中。こんなにまで自己中になれるって、自分のことが大好きなんだろうなぁ~、と。
現実世界でこんな人たちだらけになってしまったら、本当に嫌だ! って思ってもしまった読後でした。
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