10月9日の記事で、20年近く使用されず朽果てる寸前の茶室を、昨年復活・リフォ-ムした旨紹介しました。
リフォ-ムの前提は屋根、外壁、天井、内装等は極力オリジナルを維持し、設備・造作等は
正式な茶会を目的とするのでなく、入居者が自由に、何時でも、気楽に御茶を楽しめる様、
形式に拘らないカジュアルで利便性に富んだ茶室に変貌させる事でした。
具体的には、入居者がいつ手ぶらで来ても直ぐに御茶を点てられる様、必要な全ての備品・道具や懐紙、
茶巾、黒文字等の消耗品類を常時用意しておく為、点前座を収納棚を備えた備品収納庫にシフトする。
それにより、茶席と備品収納庫との境界はロ-ルスクリ-ン等で仕切り、炉を中央に移す事により、
Bを茶道口とする[四畳半切本勝手茶室]とする事でした。
この案を具体化する為、権威ある茶道の先生に相談したところ、「この茶室はAを茶道口、Bを給仕口とする、
正式な[四畳半台目切茶室]である。又仮に四畳半切本勝手茶室にするなら、茶道口はCにくるべきであり
(実際は水屋があり不可能)、畳の敷き方も違うので、この変更はすべきでない」との指摘でした。
然し上記前提(入居者の利便性)を堅持したい為、別の先生に相談したところ、当方の意向を理解して頂き、
茶席との仕切は壁と一体感のあるつい立等で仕切る様指導頂きました。そこで写真の様な壁と同じ仕様で、
壁と一体に見え且つしっかり感のある片開きの戸襖を追加して、備品収納庫を茶室から独立させました。
今回のリフォ-ムは専門家諸先生には多々異論があると思われますが、入居者ファ-ストの精神を守り、
今は入居者から大変使い勝手が良いと喜んで頂いておりますので、これで良かったと思っております。
たまの茶会では、客は露地(?)を踏み、正式に濡縁よりC傍掃出窓から入室するアプロ-チとしています。
なおバレ-ハウスのHPは http://www.valleyhouse.jp/ を御覧下さい。
バレ-ハウス家主