土曜日の昨日、置き忘れてしまったデジカメを取りに新梅田食堂街の居酒屋さんへ行ったのは夕方。お昼は国立国際美術館に行きました。デジカメを取りに行く前なので画像は携帯で撮ってます。
前回の展覧会『エミリー・ウングワレー展』は、その時期生活がバタバタしていて行けずじまいでした。この美術館の友の会に入っているので、行かないと勿体ない。
今回の展示会は、
『液晶絵画』です。今日までの展示ですね。
趣旨等はリンク先を読んで頂くとして、この展示会はとても面白かった。簡単に言うと「絵が動いてる」訳なんですが、なんとも不思議な空間というか、吸い込まれるような感覚を味わいました。
印象に残った作品をあげてみると、
サム・テイラー=ウッド
リンク先には≪ピエタ≫という作品の画像が載せられていますが僕が「面白いなあ」と思って見ていたのは≪スティル・ライフ≫と≪リトル・デス≫でした。この2つは隣り合って展示されていました。≪スティル・ライフ≫が果物等を置いた静物画で、≪リトル・デス≫には画像の中にウサギが置かれていました。
双方とも、時間が経つにつれて腐敗して、崩れ落ちて行くんです。「絵」の主題が徐々に形を無くしていく、というのはかなりインパクトがありました。
ドミニク・レイマン
≪Yo Lo Vi≫という作品が、今回一番印象に残っているかもしれません。リンク先画像を見てもらえると分かりますが、首のない裸の体が背を向こうに向けています。僕がこの作品を見たちょうどその時は、その体の向こうに帽子を被った小学校低学年くらいの女の子がいました。
その女の子がすこしずつ動いていて「うわあなんかシュール」と思ってみていたら、その女の子が、なんか自分の目の前にいる女の子と姿形がとてもよく似ている。
時間を遅延したライブカメラで写し出された映像というのが分かって、その偶然性に思わず震えを感じました。その後に、いろいろな人がピースしたりいろんな動きをしたりして楽しんでいましたが、僕は最初に見た光景がとても印象に残っています。
千住博
≪水の森≫という作品でした。これ、綺麗でしたねえ。椅子が置かれていたのでそれに座ってずっと見てました。屏風みたいに角度が着いた液晶画面の中に水墨画のような画像が描かれていて、その中で鳥が飛んだり、木の枝がそよいだりするんです。異空間に迷い込んだような感覚でした。
小島千雪
一番出口に近い所にあった小島千雪さんの作品≪リズミカルム、砂の陸≫は、自分の中のどこかの心情と符号するものがあったように思います。一番長い間見ていました。画面に微かに浮かぶ見えそうで見えないものを、特に見るわけでもなくでもないけど見ている、という、なんていうんだろ、精神的に浮遊しているような気持ちになりました。
今回は行った時間帯もあるのか、かなり盛況でした。展示によっては行列も出来てました。全体的にカジュアルな雰囲気で、壁にもたれたり床に座ったり、自分のペースで鑑賞して、それが別にマナーに反するというのでもない、親しみ安い展覧会でした。充実した時間を過ごすことができました。