ハラスメント・いじめ問題を考えましょう

厚労省就活セクハラ実態調査の衝撃

厚労省委託調査「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」(2021年3月)の中から、就活セクハラの調査結果をまとめました。

この調査結果は衝撃的で、就活セクハラが極めて深刻な状況にあることを示しています。

今回は調査結果だけをまとめ、コメントはあらためてまとめたいと思います。

 

1 厚労省・就活セクハラ実態調査(「職場のハラスメントに関する実態調査」より)

(1)調査時期 2020年10月

(2)調査対象

 就活・インターンシップ経験者1000名(大学622・大学院92・短大57・専門学校229)(男性476・女性524)を対象にしています。

2 主な調査結果

(1)就活セクハラを受けた経験

 就活セクハラを受けたことがあるという回答は約4人に1人(25.5%という高い割合でした。

 男女別では、受けたことがあると回答した割合は男性(26.1%)の方が女性(25%)より高くなっています。また男女・学歴別でみると、経験したと回答した割合は「男性・大学院生」において最も高くなっています。

(2)受けたセクハラの内容

 就活セクハラの内容としては、「性的な冗談やからかい」(40.4%)が最も多く、次いで「食事やデートへの執拗な誘い」(27.5%)、「性的な事実関係に関する質問」(23.6%)、「不必要な身体への接触」(16.1%)、「性的言動に対する拒否等による採用差別、内定取消し等の不利益な取扱い」(11.0%)、「性的な関係の強要」(9.4%)となっています。

(3)セクハラを受けたとき

 就活セクハラを受けたときは、「インターンシップに参加したとき」(34.1%)が最も多く、次に「企業説明会やセミナーに参加したとき」(27.8%)、「就職採用面接を受けたとき」(19.2%)、「内々定を受けたとき」(13.7%)、「内々定を受けた後」(12.9%)、「リクルーターと会ったとき」(12.5%)、「志望先企業の従業員との酒宴の場」(11.8%)、「SNS やアプリを通じて志望先企業の従業員とやりとり等のとき」(7.5%)、「大学のOB・OG 訪問のとき」(5.9%)となっています。

(4)セクハラ行為者

就活セクハラの行為者としては、「インターンシップで知り合った従業員」(32.9%)が最も多く、 「採用面接担当者」(25.5%)、「企業説明会の担当者」(24.7%)、「学校・研究室等へ訪問した従業員、リクルーター」(12.5%)、「SNS やアプリを通じて知り合った志望先企業の従業員」(12.2%)、「志望先企業の役員」(11.0%)となっています。

(5)セクハラの心身への影響             

 就活セクハラを受けての心身への影響としては、「怒りや不満、不安などを感じた」(44.7%)が最も多く、「就職活動に対する意欲が減退した」(36.9%)、「眠れなくなった」(18.4%)、「学校を休むことが増えた」(14.5%)、「通院したり服薬をした」(11.8%)、「入院した」(3.9%)となっており、「特に影響はなかった」(10.2%)もありました。「眠れなくなった」「学校を休むことが増えた」「入院した」などについては女性より男性の方が高い割合になっています。

(6)セクハラ被害後の行動

 就活セクハラ被害後の行動としては、「何もしなかった」(24.7%)が最も多く、「大学のキャリアセンターに相談した」(19.2%)、「大学のキャリアセンター以外の部署(学生相談窓口 など)に相談した」(18.0%)、「家族・親戚、友人に相談した」(17.6%)、「大学のOB・OG に相談した」(12.9%)「大学の指導教授等に相談した」(12.2%)、「セクハラを受けた企業への就職活動をやめた」(9.4%)、「就職活動自体をやめた」(7.8%)、「企業の採用担当者等に相談した」(6.7%)、「ハローワークに相談した」(4.3%)、「総合労働相談コーナーに相談した」(3.5%)、「警察に相談した」(2.4%)、「弁護士に相談した」(2.0)となっています。

(7)セクハラ被害後何もしなかった理由

 就活セクハラを受けて何もしなかった理由としては、「何をしても解決にならないと思ったから」(47.6%)が最も多く、「何らかの行動をするほどのことではなかったから」(34.9%)、「就職活動において不利益が生じると思ったから」(17.5%)、「行為がさらにエスカレートすると思ったから」(7.9%)、「相談先がなかったから」(6.3%)、「相談先がわからなかったから」(6.3%)、「相談しにくい雰囲気があったから」(3.2%)、「相談先の問題解決能力に疑問があったから」(3.2%)、「相談先が公正に取り扱うと思えなかったから」(1.6%)となっています。

(8)セクハラ被害相談後の対応者の対応

 就活セクハラを受けていると相談した後の相談先対応者の対応としては、「事態の解決に向けて企業に働きかけてくれたり、対応策について助言してくれた」(43.0%)が最も多く、「解決策・対応策は示してくれなかったが、相談にのってくれた」(35.4%)、「企業として事態の解決に向けて動いてくれた」(33.5%)となっています。


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