「メジャーの打法」~ブログ編

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ナンバ走り(5)

2008年04月05日 | 古武術

 訂正。

 ナンバ走り(3)で、パウエルのスタートについて、

宙に浮いている方の脚のつま先が地面すれすれで動いている


ことに注目し、朝原との比較映像を紹介した。
 さらに、「スタートだけではなく中間走も同様であり、朝原はヒザの屈曲で股関節屈曲を補っているのではないか?」と書いた。しかしそれは間違いだった。

 世界陸上東京大会のデータが本になっている。

「世界一流陸上競技者の技術」ベースボールマガジン社


 深代や小田の考察もそのデータに基づいている。


 スタートについては、確かに、ルイス、バレルより日本人の方がヒザの屈曲(引き付けと呼んでいる)が大きいのだが、中間走ではむしろ逆のようだ(屈曲角速度はマチマチ)。トルクを見ると、離地からモモが上がるまでヒザのトルクは伸展値で、―意識してヒザを曲げ、それによって股関節の屈曲を助ける―などということはない。


 考察のところを引用すると、

Itoらは・・・(中略)・・・引き付け動作とそれに続く下腿の振り出し動作は、大腿の前方スイングの加速と減速によってひきおこされ、それぞれの動作は膝の屈筋と伸筋の伸張性収縮によってコントロールされていることを報告している。本研究でも世界と日本の一流選手について、同様の結果が得られた。つまり、選手のレベルに関係なく引き付け動作や振り出し動作は、それぞれ膝の屈筋や伸筋で積極的に行うものではないことが、明らかになった。




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