東京と大阪-憧れの大都会

日本を代表する二大都市の凄さや共通点に注目!

歴史ある中央郵便局

2006-08-23 21:27:17 | 大都会の基礎知識
東京駅前には白色の東京中央郵便局が、大阪駅前には灰色の大阪中央郵便局が、堂々と建っている。
価値ある重厚な建物は、大都会の象徴だね。

中央郵便局建て替え「待って」 モダニズム建築理解されるか
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 来年10月の郵政民営化に伴い、貴重な近代建築である「東京中央郵便局」と「大阪中央郵便局」の建て替え計画が浮上。高層ビル化して賃貸収入を得る新事業が検討されている。こうした動きに対し、日本建築学会などは保存を求める要望書を提出した。2大ターミナルの駅前に位置する両郵便局は都市の“顔”ともいえるが、極めてシンプルなモダニズム建築だけに、果たして文化財としての価値は理解されるのか。(猪谷千香)
 両中央郵便局は旧逓信省で多くの近代建築を手がけた吉田鉄郎の設計。東京は昭和6年に完成した鉄筋コンクリート地上5階地下1階建ての建物。大阪は14年完成で同地上7階地下1階建て。いずれも近代建築の保存活動を行う国際的な非政府組織「DOCOMOMO」(ドコモモ)日本支部による優れた日本の近代建築100選に名を連ねている。特に東京中央郵便局は当時来日した世界的な建築家、ブルーノ・タウトに絶賛されたことで知られる。
 日本郵政公社から事業を引き継ぐ日本郵政は、先月発表した事業計画の中で「都市部の郵便局等の再開発など不動産の有効活用」をうたっている。日本郵政では「両中央郵便局について、具体的な計画は決まっていない」とするが、政府はこれまで都市部の局舎を高層ビル化、賃貸収入を得る試算をしてきた経緯がある。そのため日本建築学会、日本建築家協会、ドコモモ日本支部の3団体は5月に両郵便局の保存を求める要望書を日本郵政に提出した。
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 大都市に残る特色ある建築物が文化財として保存される例は増えているが、両中央郵便局はシンプルなモダニズム建築。文化財としての浸透は容易ではない。
 東京中央郵便局の近隣には、平成9年に昭和の建築として初めて重要文化財指定された「明治生命館」がある。東京中央郵便局よりも3年後に建てられたが、華麗なネオ・ルネサンス様式の明治生命館は文化財として見た目にわかりやすい。
 保存を訴えている3団体は、まず東京中央郵便局の価値を広く知ってもらおうと先月、初の合同シンポジウムを開催。「近代建築のシンプルな手法を用いながら、帝都の中央郵便局として、玄関広場にふさわしい記念性と威厳を表現しえた建築として高く評価できる」と東工大の藤岡洋保教授は、建築史の立場から重要性を訴えた。
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 東京中央郵便局がある丸の内では、東京駅丸の内駅舎の復元や三菱商事ビルの建て替えなど複数の再開発が進行中だ。しかし、それぞれに景観を協議する団体はあっても、全体の景観について連携が十分ではないという大都市ならではの問題点が、シンポジウムで挙げられた。
 「それぞれ大きなビジョンを掲げているが、隣の敷地には口を出せないでいる」と東京大の鈴木博之教授。東京中央郵便局の保存も「周囲の計画と調和できれば可能性が出てくる」と指摘する。
 大阪駅前も現在、再開発が急ピッチで進められている。今後、ドコモモ日本支部などでは、大阪中央郵便局の価値を訴える同様のシンポジウムを開きたいという。シンポジウム開催に携わった埼玉大の内田青蔵助教授は「中央郵便局は公的な財産。多くの人が声を上げれば、街づくりは変わります」と話している。
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