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YOU ’LL NEVER WALK ALONE~ヘイゼルの悲劇

2007年10月16日 | FC東京の基礎知識
1985年5月29日に、その悲劇は起こった。

UEFAチャンピオンズカップ(現在のチャンピオンズリーグ)決勝、
場所はベルギーのヘイゼルスタジアム。
その年のヨーロッパチャンピオンは、
リヴァプールとユヴェントスとの間で争われた。

その年に僕は17歳で、サッカーとはやるものであって見るものではなかった。
当然、ヨーロッパのサッカーシーンになどまったく感心がなく、
クラブチームとナショナルチームの区別もつかなかった。
それでも、この「悲劇」のニュースは記憶に残っている。

サポーター同士の乱闘がおこり、
老朽化したスタジアムの壁が崩れ、
下敷きになった観客に死傷者が出た。
死者39名、負傷者400人以上。
世界中を駆け巡った惨劇のニュース…
これが、「ヘイゼルの悲劇」である。

フーリガンと言う存在が、世界中に知られるようになったのも、
この事件が契機ではないかと思う。
イギリスのサッカーファンは、理由もなく荒くれだち、
破壊行為を各地でしてまわる、そういう印象を、
高校生だった僕にも植え付けられた。

当時、失業にあえぐイングランドの労働者たちが
不満を爆発させるのがスタジアムだったと言う話も聞く。
そして、政府へ不満の矛先が向くのを避けるために、
フーリガンへの規制をわざと緩くしていた、と言う説もある。
事実は違うかもしれない。
真相は僕は知らない。
確かなのは、亡くなった死者39名の命は、もう戻らないと言うことだ。

リヴァプールの街に本拠を置く2チーム、リヴァプールとエヴァートン。
普段は仲の悪い両サポーターは、
この時ばかりは、共に蝋燭の灯をともし追悼の歌を歌ったのだと言う。
その歌が、You'll Never Walk Aloneであった。
もっとも、悲しいYou'll Never Walk Aloneだったのだろうと思う。
同じサッカーファンとして、
このような惨劇を2度と繰り返してはならない、
そう固く胸に誓いながら、僕も青赤のマフラーを掲げ歌うのである。

この歌は、世界一有名なサポーターソングであると同時に、
世界一血塗られた過去を持つサポーターソングでもある。

トキオ


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