この世界、人間をかたちづけ、成り立たせるためには、勢いよく突っ張るものと、どんななかでもつながるもの、この二つが必要となります。
この二つの力があって、あらゆるものが形づけらています。
つながる力と、つながらない力といってもよいでしょう。
私たちの身体(からだ)を考えるとわかります。
私たちの身体のなかの、たとえば、心臓の細胞同士(どうし)は、しっかりとつながってもらわないと困るでしょう。
でも、心臓の細胞と他の臓器の細胞がくっついたら、さあたいへんですね。
つながる力と、つながらない(突っ張る)力といっても、言葉にすれば簡単ですが、実際に身体のなかで働いているものは、絶妙といっていいでしょう。
こんなこと、私たちが自分の力でしていると思えますか?
私たちは、それが当たり前というより、きっと、意識さえしていないはずです。
人間が人生を生きるためには、生と死も必要です。
人間のもとであるたましいは、生き通しなので、人間は死ぬことにより、たましいに回帰する、初心に帰るということが必要なのでしょう。
過ちをおかしても、再出発できるのですから…
死ぬのではなく、生まれ変わって、一からやり直すのです。
この生死をつかさどる力は、風の力です。
人間が生まれるとき、オギャアと叫んで、次に、初めて外から空気(風)を取り入れます。
そして、死ぬとき、風の出し入れを止め、死を迎えます。
これも、人間は自分でやっているように思っていますが、自分の力ではありません。