やっつけ仕事

EverQuest2に登場する"本"を勝手に集めた場所。一部日記有り。08/06/20更新終了。管理は続行

カラス・スムーズメインの伝記-協定破り

2005年12月22日 | EQ2 本
★カラス・スムーズメインの伝記 - 協定破り
この本のタイトルは『カラス・スムーズメインの伝記 ― 協定破り』となっている。
これは完全版で、ケンタウロスのある族長とその部族が、サンダリングステップでジャイアントたちと共存してゆく道を模索したいきさつが書かれている。

本書は、ベイラザーン族の族長Karath Smoothmaneとともに私が旅したその記録である。
彼は常に私の良き友であった。
私はケンタウロスの習慣を学んだだけではなく、彼の人生についても教えてもらった。
私が聞いた中でも最も重要な話は、これに続くページで述べる。
“協定破り”のことである。

その夏も終わりに近い頃、Karathが話してくれた。
ケンタウロス族は、ジャイアントが6人以上でグループを組んでいない限りは襲いかからないと決まっている。
年寄りとか、時に見かけるはぐれジャイアントといった、容易に倒せるものは襲わず、敵に自衛する力がある場合のみ襲ってもよいことになっているのだ。
それはなぜかといえば、“協定破り”と呼ばれる出来事のせいだった。

“協定破り”が起きた時、Karathの父のそのまた父は、ベイラザーン族の族長だった。
ジャイアントとケンタウロスとのあいだには、何世代にもわたる休戦協定があって、同じ土地に住んでいるが互いに干渉しないことになっていた。
“大変動”の時代でさえそれは守られたが、ラクリンの月を破砕した“大破砕”は、この種族間の協定をも破壊してしまった。

月の破片が降り注ぎ始めたとき、両種族は生きのびるために協力し合うことを決めた。
単なる休戦協定ではなく同盟を結ぼうと双方のリーダーが合意し、両者の会見のために大がかりな儀式が準備された。

両種族代表団が歓迎の挨拶を交わしていたところへ、悲劇が襲った。
燃えさかる巨大な隕石が月から落ちてきて、瞬時にしてふたりのリーダーは死亡したのだ。
その場にいた者のうちごく少数だけが命からがら逃げ帰ったが、同族には敵が裏切ったのだと話した。

それに続く何年というもの、ジャイアントとケンタウロスのあいだで戦争になった。
Karathの父はようやく成年に達すると、立ち上がって一族を再統合した。
彼は雄弁をもってジャイアント襲撃に終止符を打った。
ケンタウロスの名誉を重視した彼の説得は次のようなものであった。

ジャイアントは動物並みの種族でしかないということを、彼らに示そうではないか。
敵を倒すために相手のレベルまで自分を引き下げることはない。
ケンタウロスは“大破砕”を越えて生きのびるために、人間のように野蛮なふるまいをすべきではない。
それが同族に向けたKarathの言葉だった。

そうしてベイラザーン族は、新しい族長に相談しつつ、ルールを決めて合意した。
年を経て、自衛できないほど弱い者を襲うことなかれ、という戦略が定着した。
そのとき以来ケンタウロスはその考え方を継承しているのだと、Karathは言った。
私は彼に、そのあいだ倒した敵の数を尋ねた。
彼はひとこと、「ゼロだ」と答えた。

宿敵と呼ぶジャイアントを100年のあいだ1人も殺さずに、うまくいっているとはどういうことかと私が首をかしげていると、Karathは笑ってわけを話してくれた。
父は族長になる日を待ちながら、少年時代の日々を唯一の親友と過ごした、それはジャイアントの族長の息子だったのだ、と。

ともに遊びながら二人の子供は、それぞれの種族の誇りを保ちつつ両種族を仲良くさせるにはどうすればよいかと考えた。
大人になって一族を率いるようになったら、実行しようと決めた計画が、自衛できないほど弱い相手は襲わないという取り決めだった。
つまるところ、戦争は継続しているといいながら、双方1人の戦士も、女子供も死なせることなく、2世代が経過した。


---------------------------------------
RoVには何度も行ってるが、Varsoonってどんな死に方したかは、
EQ2内では語られてないような・・・。


今後どこかで発見出来たら追記するとする。


ケンタの族長が書き手と一緒に行ったのは腐敗の聖堂の辺り(Paw入り口の辺り)だろう。
(根拠は無いんだけど)


最新の画像もっと見る