やっつけ仕事

EverQuest2に登場する"本"を勝手に集めた場所。一部日記有り。08/06/20更新終了。管理は続行

ノールの知識

2006年01月12日 | EQ2 本
★ノールの知識
私の名はPearl Honeywine。
ノールという生き物をより深く知るために、彼らの習性と社会構造について研究している。
私の著書「ノールの知識」がこのけものたちについての深い知識を提供し、また、それによって彼らの個体数を制限する方法を模索していければ幸いだ。

Pearl Honeywine著 『ノール この身近な存在』 ― アントニカ地方に棲息するノールの社会、文化、習慣に関する研究の集大成。

アントニカのノールはかつてのノーラスのケイノス・ヒルズやブラックバロウといった地域に暮らしていたノールたちの子孫である。
彼らは一見すると直立した犬のようで、鼻づらは長く、頭のてっぺんからはぴんと尖った耳が立っている。
身長は標準的なヒューマンよりも高い。
また、その雄雌を見分けるのは、遠くからでは不可能である。
現代のノールをより良く知るためには、まず彼らの歴史についてある程度知っておかなければならない。
私はノールと生活を共にし、そのなかで彼らの秘密をいくつか知ることに成功した。
――これまで他の種族には決して明かされることのなかった秘密を。

ノール・クランとは、その地域の有力なノールの部族であり、たとえばセイバートゥース・クランなどがその例だ。
ノール・クランは複数のノール・パックからなっており、これはいわゆる大きな家族のようなものと考えていいだろう。
ノール・パックは毛皮の模様から知性の程度まで、さまざまな特徴を共有しているのだ。
セイバートゥース・クランは多くのノール・パックからなっている。
だが、ごく稀にひとつの巨大なノール・パックのみによってクランが構成されている例もある。
たとえばかつて存在したノール・クラン、スプリットポゥ・クランはこうしたクランのひとつとされており、アルビノ種ノールのみによって構成されていたと考えられている。

多くの不注意な冒険者によって証明されているとおり、ノールは自分の方が優位だと感じる限りにおいては、視界に入ったものすべてを攻撃する。
また、群れをつくる種族なので、1人でいるノールが攻撃されると、周囲の仲間たちが駆けつけてきて戦闘に加わることも少なくない。
したがって、冒険者はよほど自分の防武具や強化系魔法が万全だという確信がない限りは、攻撃をしかける前にまず周囲のノールをきちんと確認しておく必要があるだろう。

群れのなわばり意識は、ノールをしばしば手ごわい強敵にする。
ノールの中には徒党を組んで自分たちのなわばりをつくり、これを熱狂的に守ろうとする者たちがいるのだ。
そしてなわばりに足を踏み入れたすべての者に攻撃を加えるのである。
そんなノールたちだが、自分たちより身体の大きな者が相手となると、話はまるで違ってくる。
ノールは困難な戦闘や難しい仕事といったものは徹底的に避けることをいとわないのだ。
臆病で、弱い者だけを攻撃する、そんな種族だと言えるだろう。

セイバートゥース・クランは多くのノール・パックからなっている。
その中の2つが、ダークポゥとティンバークロウだ。
ノール・パックはそれぞれが食糧探しや略奪、トンネル掘りなどの専門分野をもっている。
彼らはノールのテリトリーを維持するという目的で動いているため、他の種族を仲間に加えようとはしない。
だが、唯一他の種族と戦おうというときだけは、オークやトロル、オーガといった種族と同盟を組むことも辞さないのだ。

戦闘時におけるノールの最大の武器は、ひとえにその数の多さである。
私は結局彼らの繁殖地を発見することができなかったが、しかしそれがブラックバロウの暗い地床のどこかに存在することは確かである。
部族内の個体数が著しく減ることがあっても、彼らは迅速にその数を元通りに戻すことができるのだ。
尽きることのない秘密の手段で常に部族の強さを補うことによって、ノールはその戦闘技術によってよりもむしろその数で、他の弱い種族に対する脅威となっているのである。

しかし、だからといってノールが知性に欠けるというわけではない。
彼らはずる賢く、頭の切れる種族なのだ。
ハンターやウォーリアーといった職業が重要視されているとはいえ、秘儀や儀式を執り行うノールのシャーマンやミスティックも存在する。
こうしたノールは戦闘時には手ごわい敵になりうる。
その強さゆえでももちろんあるのだが、それよりもむしろノールが攻撃や防御のスペルを使ったという衝撃が、敵を打ちのめすのである。

ノールについて語るときに欠かすことができないのが、その歴史上最も名の知れたノール、フィッピー・ダークポゥである。
セイバートゥース・クランのメンバーであったフィッピー・ダークポゥは『混乱の時代』において、ケイノスのメインゲートへの精巧な襲撃作戦の立案に尽力した。
彼のその後の運命を知るものはいないが、その子孫は後に甚大な数を誇るアントニカのダークポゥ・ノールの基礎を築き上げることとなったのである。

だが、それとは別のもう1人のフィッピー・ダークポゥが存在したのだ、という言い伝えもある。
並外れてずる賢く頭が切れ、ケイノスのアッカノン時計の部品を盗み出して動かないようにしてしまったのもこのノールなのだ、と。
そしてこのミステリアスなもう1人のフィッピーは、その知恵によって現在もまだ生き続けているというのだ。
常に各地を渡り歩き、ノール以外の種族を観察し、そして自分が得た知識を彼らに対して使っているのである。
彼は常に極端に人目をしのび素早く移動しているというので、私も果たして一度くらい変装した彼に出会ったことがあるのか、それともそもそもそんなノールは存在しないのか、定かなことは言えないのである。
ただ私個人としては、そんな話はありえないと考えている。
そのような賢いノールがこの世に存在するなど、にわかには信じがたいからだ。

この本が今後みなさんがノールについてさらに深く学んでいくうえで必要な基礎知識を提供できたならば幸いだ。
ノールの精神を理解するには、そのさまざまな部族のもとに直接出向き、じかに情報を得ることが大切だ。
それではごきげんよう、読者のみなさん。
ノールの知識を探る旅での幸運をお祈りしている!


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