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『ミゼット ウィング』第3章-2

2010-11-17 22:22:19 | 小説『ミゼット ウィング』
ミゼット ウィング
 ~小さな小さな はね物語~


第3章 部活体験談

2.いきなり仕事!? ナチュラル&ロア

その日の中休み。
フラットとラートとは違って、ナチュラルとロアは部長に連絡を取ってから、部室に行った。
「失礼しまーす。」
そろそろと入ってみると、そこはとても忙しそうで、床がいろいろ書かれた紙で見えなくなっていた。
「あ、あなた達が連絡くれた子達!?ああ、そう。そこらへんで待っててくれる?」
返事もしていないのに、勝手に話が進められる。
しかし、そこらへんってどこだ。
仕方がなかったから、ナチュラルとロアは出入り口の近くの床に体育座りで座った。
しばらくたつと、さっき勝手に話を進めた人が来た。
その人は、ナチュラルとロアの前に来ると、その場に正座した。
「さて。いきなりだけど、あなた達に仕事を頼みたいの。」
「マジでいきなりですね。」
と、ロアがボソッとつぶやく。
「そうなのよ。アイドル部に新しいアイドルが来たらしくて。それの記事をよろしく、みたいな?」
「フラットとラートもアイドル部に行ったんだよね。」
と、ナチュラルがロアに確認する。
ロアは静かにうなずいた。
「で、そのアイドルが正式にデビューしたら、その雑誌を作ってもらいたいって言ってたかしら」
「…マジすか。」
「マジっす。」
ナチュラルの質問というか、確認に、部長さんもノリで返した。
「で、それをどうしろと?」
「ああ、炎学校の人たちにインタビューしてもらうから、それの練習、とか。あと雑誌の名前――はチーム名が決まってから。ってことは、そんなに考えることないのか。」
じゃあいいやと手をたたく。
「なら、帰りまぁす!」
ちょっと浮かれているロア。
仕事がそんなに嬉しいか。
「あ、ちょっと待って。名前、聞いてなかった。」
ふと部長が引き止める。
「あ、私ロアです。んで、これが…。」
「これ!?それってひどくない?私はナチュラルです。これではありません、断じて!!」
部長さんはくすくす笑う。
これでもライバルなんだけどなあ、と2人はへこんだ。
「私はドルチェ。ちょっと変わってる名前で覚えやすいと思うわ。」
ドルチェは苦笑した。
「仕事。がんばってね。」
帰ろうとしていたロアとナチュラルは、ドルチェの言葉にふりかえり、満面の笑みを浮かべる。
「任せてください!」



written by ふーちん


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