死神
6.死神の臨時仕事
<1>
―――夏。
「…あっつい…。」
「んー、まさに夏!だよね…。」
私とルカは、ふらふらと頼りない様子で歩いていた。
じりじりと照りつける太陽。
蝉の鳴く声。
あっついといえばさらに暑くなるが、言わずにはいられなかった。
「ローブ脱ぎたいぃ!」
私は思わず叫ぶ。
私達死神は、決まりとして黒ローブを身につけなければならない。
―――わけではないが、どうしても脱げない理由があるのだ。
「無理っしょ。だって、これの下…あれだし。」
ルカが真面目に嫌そうな顔をした。
あれとは、そう、ゴスロリのことだ。
女性死神の制服とか言って、ものすごいものだった。
「龍牙様ぁ~恨んでやるぅ~!」
「こらこら。そんなこと言っちゃダメでしょ~。私も同意するけど。」
そんな感じで、死神には耐え難い(女性は特に!)夏の毎日だった。
私は空を仰いだ。
あぁ…こんなに暑いのになぁ~…。
空は涼しそうだなぁ~…。
「ん?」
高層ビルが目に入る。
うーん、中は暑そうに見えるが…。
エアコンで涼しいのか…?
って、ちょっと待て!
「るるるルカ!あれ、自殺者!?」
「え、どれー?」
「わ、私行ってくる!」
高層ビルの屋上に、人影があった。
そしてその人影は緑色のフェンスを乗り越え、今にも飛び降りようとしていた。
「私が行くまで待ってなさい、このバカ!」
聞こえるわけがないけれど、私は人影に向かって叫んだ。
全速力で走ってる時に気付いたのだが。
黒ローブって、メチャクチャ走りにくいぃ…!
written by ふーちん
6.死神の臨時仕事
<1>
―――夏。
「…あっつい…。」
「んー、まさに夏!だよね…。」
私とルカは、ふらふらと頼りない様子で歩いていた。
じりじりと照りつける太陽。
蝉の鳴く声。
あっついといえばさらに暑くなるが、言わずにはいられなかった。
「ローブ脱ぎたいぃ!」
私は思わず叫ぶ。
私達死神は、決まりとして黒ローブを身につけなければならない。
―――わけではないが、どうしても脱げない理由があるのだ。
「無理っしょ。だって、これの下…あれだし。」
ルカが真面目に嫌そうな顔をした。
あれとは、そう、ゴスロリのことだ。
女性死神の制服とか言って、ものすごいものだった。
「龍牙様ぁ~恨んでやるぅ~!」
「こらこら。そんなこと言っちゃダメでしょ~。私も同意するけど。」
そんな感じで、死神には耐え難い(女性は特に!)夏の毎日だった。
私は空を仰いだ。
あぁ…こんなに暑いのになぁ~…。
空は涼しそうだなぁ~…。
「ん?」
高層ビルが目に入る。
うーん、中は暑そうに見えるが…。
エアコンで涼しいのか…?
って、ちょっと待て!
「るるるルカ!あれ、自殺者!?」
「え、どれー?」
「わ、私行ってくる!」
高層ビルの屋上に、人影があった。
そしてその人影は緑色のフェンスを乗り越え、今にも飛び降りようとしていた。
「私が行くまで待ってなさい、このバカ!」
聞こえるわけがないけれど、私は人影に向かって叫んだ。
全速力で走ってる時に気付いたのだが。
黒ローブって、メチャクチャ走りにくいぃ…!
written by ふーちん