goo blog サービス終了のお知らせ 

I~これが私~

風の吹くまま,気の向くまま,ありのままの自分で。

『死神』7.死神の教え?<3>

2011-07-13 18:02:30 | 小説『死神』
死神

7.死神の教え?

<3>

「なんだ、つまんねーの。」
龍牙様は人気のないところに私をさらって(?)、そう言った。
「な、なにがですか。」
初対面な事もあり、ものすごく警戒…。
「ルリがあんまり驚かなかったこと!」
「…子供じゃないんですから…。」
呆れる…けど、面白い人!
でもなんか、長って感じしないなぁ……。
「で、龍牙様。何の用で来たんですか?」
「わールリ冷たい…。いつからそんなに冷たくなったんだよ?」
「死んでますから。体どころか気持ちまでってとこです。」
これ、ずーっと前(私が死神になりたての頃)にルカが言ってたやつ。
「まぁねー、生きてる時は暖かかったもんねー。」
「…へ?龍牙様、生きてる時の私、知ってるんですか?」
私が聞くと、龍牙様はしまったというように口を閉じた。
ん…?
何か、隠してる……。
「迅とは、どう?」
龍牙様は知らないフリしてそう聞いてくる。
私は眉をひそめて返した。
「だから、悪いですって。この仕事できるのか…。」
「ルリ。」
龍牙様が強い声で私の声を止めた。
驚いて顔を上げると、目がとても真剣だった。
「龍牙様…?」
思わず呟く。
そしたら龍牙様は急に目を和ませて、言った。
「仕事、なんだろ?」
「……あ。」
そうだ…私は、龍牙様にそう言ったんだ。
仕事だから、自分の気持ちで動かすのは変だって。
今、私…。
自分で言ったのに、忘れてた…。
「ありがとうございます、龍牙様。」
「ん?俺なんもしてないけど。」
しらばっくれる龍牙様。
きっと、このために来たんだろう。

私に、教えるため。

自惚れてるかもしれないけど、私はそう思えた。
「じゃ、俺帰るからな。頑張れよ!」
「はい。また来てくださいね。」
「おう。で、言い忘れてたけど…俺、フルネームで黒沢 龍牙だから。」
龍牙様が照れくさそうに言う。
く、くろさわ…?
「じゃあな。」
「あ…!」
黒ローブを翻した龍牙様は、一瞬で消えてしまった。
………何で……?

何で龍牙様の名字、私と同じ『黒沢』なの…?


written by ふーちん


最新の画像もっと見る