鳥羽能楽保存会

鳥羽能楽保存会の活動を紹介、あなたもいっしょに能や狂言の楽しさを体験してみましよう

安楽島小学校を訪れて

2009年12月11日 | 小中学校での交流
小学校六年生の教科書に、狂言「柿山伏」が学習内容として載っていることもあり、単に文字や写真での学習でなく本当に生きた授業として本物の狂言を演じていただけないかと云う安楽島小学校からの申し出が当保存会にあり、10月29日に、下村優太くん・城山志都さんが、保存会のメンバー・伊勢市の森浩一師範や西村さんたちと一緒に安楽島小学校を訪れ、体育館に設置された舞台で六年生と三年生のみなさんに狂言を演じて見せました。

 始めに森師範と西村さんが、教科書に載っている「柿山伏」を演じられ、次いで二人が衣装を着けるところからみんなに見せたあと狂言「しびり」を堂々と演じました。
 狂言が持つ緊迫感や臨場感を授業の一環として見せられたことは大変意義があり、本物に触れる感動を汲み取っていただけたものと思っております。

 今後、保存会事業の中に、このような本物に子ども達や市民が触れる機会を多く取り入れ、広くPRをして若い世代の育成にも努めていくことも課せられた課題の一つであると思います。

「みんなの感想」
◇ わずか二年生ですが、狂言独特の言い回しをしっかり覚え、問いかけや間合い
もうまく上手に表現してくれ、関心しました。 (山下校長)
◇ まだ二年生なのに、あんなに長いせりふをおぼえてすごいと思いました。とて
もたいへんな練習をしたんだなと感心しました。(六年 吉川 真理那さん)
◇ きょう狂言を見て僕はすごいなぁと思いました。なぜかというと、二年生で
あんなに大きな声を出すなんてたいしたものだなぁと思いました。
        (六年 池内 勝哉くん)

狂言「柿山伏」と「能・狂言の歴史」

2009年12月11日 | 小中学校での交流
去る6月11日、加茂中学校にて全校生徒や地域住民を対象に、森狂言師により “柿山伏 ”を実演していただきました。
 喉の渇きを癒すために柿を食べている山伏をからかう柿の木の持ち主と、からかわれている山伏のやりとりに、自然と笑いが会場を包みました。
 演技終了後、「室町時代から伝わる狂言は、劇の中で人生の喜怒哀楽やおかしさを演じるもの」と、狂言の笑い・泣き方の指導を生徒と共に大声で御指導いただきました。
その後、能楽保存会々長の川村さんにより、“三百年余の伝統ある賀多神社の能楽の歴史 ”のお話がありました。
 江戸時代、神社境内に馬屋を造ったことから神様の怒りを受け、疫病が鳥羽地域に流行した。神の怒りをおさめるため能楽が奉納されるようになり、最近まで奉納されていたというお話がありました。
 加茂中生徒の真剣な鑑賞態度。狂言師と共に大声で泣き・笑いを演じるひとり一人の姿に、地域・学校が一体となって豊かな心を育てているのだということを痛感しました。

『狂言』を鑑賞して
    加茂中生徒の感想

 今まで僕は、ここ鳥羽市にこのような能・狂言というものすらあるということも知らなくて、今日狂言を見せてもらい、「こんなのが鳥羽市にあったんだ」思いました。おもしろおかしくて、なんだか勝手に笑っていて、「おわらい」とは全然違う笑いでわらわせてもらいました。いつか機会があったら、能というものも見せてもらいたいです。 《2年 男子》

 今まで私は能とか狂言は自分にとって遠い存在だと思っていたけど、身近にあったんだなぁと初めて知りました。神様が河内神社に逃げて、呼び戻すために能や狂言をしたという話を聞いて、河内神社と関係していることにもびっくりしました。能や狂言のことを全く知らなかった私でも見ていて楽しい気持ちになれて、すごいなあと思いました。これから見る機会があれば、ぜひまたみたいなぁと思いました。  《2年 女子》

◎「柿山伏」は結構身近な物語で、昔の言葉使いとかが入っていたけど大体内容がわかった。〈笑い〉や〈面白おかしさ〉が取り入れられていて、見ている人は昔も今も変わらず、こうやって自然に笑っていたんだなぁと思いました。

◎狂言をしている時の声の出し方は、すごいなぁと思いました。お腹の底から一音一音にとても気持ちの込められた声が、体育館にものすごく響いていて、すごく感動しました。