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フロリダ半島日記―人気世界一のスーパー。チェーン。“ウォルマート”(Wal Mart) 2

2012-10-21 14:32:04 | 日記
ウォルマート”(Wal Mart)は世界最大のスーパーマーケットで、世界一の売上高を誇っています。有名な世界的ビジネス雑誌の“フォーチュン” (Fortune)は毎年一度、世界の企業の売上高ランキング“フォーチュン・グローバル500”を発表するのです。2012年版 の世界企業ランキングの10位までは以下の会社です。1.ロイヤル・ダッチ・シェル。2.エクソンモービル。3.ウォルマート。4.BP.5. 中国石油化工。6.中国石油天然気集団公司。7.国家電網公司。8.シェブロン。9.コノコフィリップス。10.トヨタ自動車。
このランキングでわかることは、ほとんどの企業が石油関連であり、自動車ではトヨタがはいっていますが、小売業としての“ウォルマート”(Wal Mart)は第3位であることです。つまり、ファミリー。ビジネスでディスカウント。ショップのスーパーが上位に入っていることは驚くべきことです。世界一の金持ちはマイクロソフトのビル。ゲイツです。2006年の統計ではそのビル。ゲイツの次に位置するのが“ウォルマート”(Wal Mart)の創業者サム。ウォルトンの親族5人です。その一族の総資産は8兆円を超えていて、ビル。ゲイツの総資産の5兆9000億円を越えているのです。今や“ウォルマート”(Wal Mart)は世界15カ国に,8500店を持っています。それらは、55の違った名前をつけています。全従業員は200万人以上。日本の場合は、西友を子会社化しています。このような奇跡の小売業を創設したのはサム。ウォルトンです。彼は1918年、アメリカのオクラホマ州の片田舎の貧乏な家に生まれました。少年時代の仕事は牛の乳搾り、ミルクの配達、新聞配達などでした。1945年、アーカンソー州で雑貨店を始めます。1962年、初めてディスカウント店の“ウォルマート”(Wal Mart)を同州のロジャーズに開店します。1970年には、初めての流通センターをオープン。2年後にはニューヨーク証券取引所に上場。1987年に全米最大の衛星通信システムを完成。1990年には全米最大の小売店となる。このような成功の秘訣は一体なんでしょうか。サム。ウォルトンはまず、大恐慌の真っ只中で少年期、青年期を送り貧困のなかでアルバイトをしながら“1ドル(約100円)”を稼ぐことがいかに苦労をしなければならないかを骨身にしみて体験したことです。ここから薄利多売のビジネスを学びます。つまり、売る商品を1ドル節約すれば、お客の懐を豊かにして、他社との競争に勝てるということです。お客に満足を保証できるわけです。サム。ウォルトンはどんどんと事業が成功していっても、絶えず改善、改良を怠りませんでした。普通、事業の指導者たちは、批判を恐れます、しかしサム。ウォルトンはあらゆる人々に店や流通センターについて感想を求めました。そしてお客の反応や感想を逐次ノートに取ったりカセットに録音したりしました。指導者になると益々、最前線の従業員との接触がなくなりますが、サム。ウォルトンは常に全てのストアーの前線を訪ね歩いたのです。つまり、非常に謙虚であり控えめでした。Michael Bergdahlという人が、サム。ウォルトンの成功の秘訣を述べています。決してあきらめないビジョンを持ち、楽天的でもあること。競合の相手の店から学び、それを独自に実践する。リスクを恐れない。絶えず改善に励む。特に自分とマネージャーたちの自己批判と自己改善。仕事に情熱を持ちそれを楽しむ。サム。ウォルトンは、4時半ごろから仕事を始めたという。それは、お客様への奉仕、いかに低価格で商いをするかというビジネスを愛したのでした。しかし、私は、実際、お客として “ウォルマート”(Wal Mart)で買い物をすると創業者サム。ウォルトンの考えが受け継がれているのかな、とイブカシク思うことも多いのです。レジに多くの人が並んで順番が来ないことが多いのです。20箇所ほどあるレジのうち数箇所しかオープンしていないのです。従業員の削減でしょうか。やはり、あまりにも低価格をモットーにしていてお客へのサービスが足らないということを実感します。

フロリダ半島日記―人気世界一のスーパー。チェーン。“ウォルマート”(Wal Mart) 1.

2012-10-13 17:31:19 | 日記
ディズニーがアメリカが産んだ世界的遊園地(テーマパーク)だとすると“ウォルマート”はアメリカが産んだ世界的スーパー。マーケットといえるでしょう。“ウォルマート”はいわば庶民向けの格安百貨店です。ここにいけばとにかく何でもあり、また格安なのです。必須の食品や日用品はどこの店より安いのです。主婦たちに大人気の理由です。もちろん“ウォルマート” (Wal Mart)の会社も、売る品物を大量に安価で仕入れるわけです。それも、“ウォルマート”(Wal Mart)の価格に合うように納入業者の生産過程から使用材料や価格決定にまで干渉するといわれます。ただ“ウォルマート”(Wal Mart)で働く人々も低賃金で労働組合も健康保険もないといわれます。それほど徹底した強烈なコスト削減をするのです。私の町にも各種の“ウォルマート”(Wal Mart)があります。各種というのは地区地域に応じた“ウォルマート”(Wal Mart)になっているということです。例えば、低所得層の黒人やスパニッシュの人々向けの“ウォルマート”はまるでいつも黒人の家族のお祭りという感じです。そこに行くとレジには山ほどの余った食品などが積まれていることがあります。それは、低所得層の買い物客が店内(といっても野球場ぐらいの広さの)を“夢”をもって鼻歌を歌いながら買いたい品物を、買い物カゴや買い物用手押し車(cart)に入れていきます。ところが、いざレジに到着すると手持ちのお金が足りないことにハタと気が付きます。そしてレジ係のお姉さんに大半を譲り渡すことになるのです。レジ係のアルバイトをしていた人にあるエピソードを聞いたことがあります。一人の子供をつれた夫婦が多くの食料品を運んでレジを済ませようとやってきたそうです。さて支払いということになったのですが、お金が足りないことがわかりました。現金が足りないのかカードが問題なのかは聞きませんでしたが。後ろには10人ほどのお客が列を作っています。レジ係の女の子もどうしていいかわかりません。夫婦は狼狽し恥ずかしそうに、そして80ドル(約8000円)の食品をどうするのかヒソヒソと悲しそうに語り合っています。すると、見るに見かねたのか後ろの列の青年が、“大丈夫です。僕が払いましょう”とカードを差し出したというのです。この感動的な話をしてくれたのです。かとおもうと、大きな店舗には様々な魅力的な品があるようでゴマカシテ泥棒する人も絶えません。そのレジ係の人も嘆いていたのは、買い物用手押し車(cart)の下にこっそりとゲーム機(100ドル以上の)を隠していて、それを注意したりしたとか、また時々、喧嘩が始まったり、恋人同士が長いキスをしていたりととにかく人生劇場なのです。私も“ウォルマート”(Wal Mart)の出口でのことを思い出します。一人の女性がソソクサと出ていこうとした時のことです。3人ほどのセキュリティー係のレスラーのような男たちが走ってきてこの女性に詰め寄りました。多分、カメラにこの女性が何かを盗んだのが映っていたのでしょう。それにしても、私は世界中の市場、マーケットを見てきたのですが、どこでも市場は若者たちのデートの場であったり家族の憩いの場でした。アメリカの“ウォルマート”(Wal Mart)は、低所得者たちがたとえお金がなくても安くものが買え、また買えなくても店内を見ているだけで慰められるような憩いの場でもあるようです。さて、いまひとつの“ウォルマート”(Wal Mart)は客層が全く違うのです。品揃えも異なります。この店は割合に裕福な観光客たち向けです。朝からディズニーなどのテーマパークで遊んで夕方は“ウォルマート”(Wal Mart)にやってくるのです。どこの“ウォルマート”もマクドナルド店が入っていますが、ここのマクドナルド店は大理石のようなもので飾られています。時々、中南米のブラジルなどからやってくるお金持ちの若者たちがバスを横付けして買い物にやってくるのです。電化製品など大量に買い込んでいくのです。またそのラテン系の商人たちが服や食品を格安で大量に仕入れて南米の諸国に売るのです。次も“ウォルマート”(Wal Mart)に関して書きます。

フロリダ半島日記―自然最前線。フロリダ

2012-10-08 09:41:09 | 日記
私はアフリカに長く住んで多くの野生動物などを見て、“大自然のアフリカ”を体験してきました。しかしアメリカ大陸の最南端のフロリダ半島も自然の最前線であることを実感するのです。1週間ほど前、家の端に大きな穴を見つけました。穴の入り口には掘り起こした土が山のようになっています。陸亀です。陸亀は地下に縦横にわたって数メートルの穴を掘る炭鉱夫なのです。最近も近所でネコぐらいの大きさのチワワ犬が行方不明になりました。それはこの陸亀のほった穴に入り込んで迷い込んでしまったからでした。私の家の下に向けて大きな穴が掘られているので皆心配しているのです。家の土台が崩れて家が傾いてしまうのではないかというのです。水道の水を穴に注げばいいのではという意見もあるのですが、陸亀は泳げないのです。動物愛護の観点からみればかわいそうだというのです。今日は亀の専門家が近くのパークにいるらしいので対策を聞くつもりです。亀はまだかわいくていいのですが、フロリダにはファイアー。アントというアリがいます。英語を訳すと、“火のアリ”という意味です。普通、童話の<アリとキリギリス>のようにアリは働き者で小さなかわいい小動物というイメージがあります。しかし、このファイアー。アントは恐ろしいアリです。免疫のない初めてさされた人は大変です。火のような痛みとカユミに泣かされます。フロリダの土地にスバシッコイ行動をしているアリがいたら多分ファイアー。アントです。よく旅行者が噛まれて大きく膨れた足で観光局やクリニックを尋ねています。私もフロリダに来てこのアリに噛まれてひどい目にあいました。昼間は時々、自動車を運転しながらカユミに襲われて、自動車を止めて、車内の冷房用の窓口に足を当てていたりしました。このファイアー。アントは中南米のアマゾンかどこかから船舶にまぎれて数十年前にアメリカ南部のルイジアナあたりの港に降り立ったらしいのです。それが瞬く間にフロリダやアメリカ南部の州に生息するようになったそうです。一昨日、私は庭にでて花壇のアーチ状のツタを絡ませたところに立って、下に生えているアロエの葉を一枚取ろうとしました。すると、頭に鋭い痛みが走りました。まるで、バラのトゲで引っかいたようでした。しかし、そのあたりにトゲは見当たりません。するとバラバラとまるで小さな戦闘機が襲ってくるような光景となりました。イエロー。ジャケットです。これは、スズメバチの一種です。そのアーチ状の天上にイエロー。ジャケットの巣が出来ていて、10匹ほどいます。すぐさま、イエロー。ジャケット用の噴霧器を持ってきてこの巣に噴射したのです。そして、慌(あわて)てながらベーキング。ソーダの箱を取り出して水に溶かして頭に刷り込んだのです。私はアフリカ生活で重宝したファーストエイド、緊急用の処方箋の本を持っています。これは国連に勤めていた日本の医師の書いた本です。蛇に噛まれたり、犬に噛まれたり、火傷をしたりした時どうすればいいか具体的な処方が書いてあって随分助かったのです。この貴重な本を開くと、蜂に刺された場合のアドバイスがありました。“氷を当てる、そして黒い針が残っていたらそれを抜く”とあり、かゆくなったらアンモニア水やベーキング。ソーダもいいとありました。インターネットでもイエロー。ジャケットにさされた場合の体験談が載っていましたが、これらは、脅かされるようなことが書いてあって閉口しました。頭が少しはれて痛いと気分が不快なものです。2日経った今、かゆみが出てきました。蜂やアリなどに刺されたとき、とにかく一番重要なことはパニックに陥らないことです。子供たちは泣いて叫んでしまうのですが、気分を落ち着かせて、ユッタリさせて好きな食べ物などで気を紛らわせることです。やがて自然の治癒力で治っていくものです。私にとっての最大の昆虫の敵(?)は蚊です。アフリカでは蚊によるマラリアが大変な被害を及ぼしています。自然の中には何故、こういう生き物が生存しているのだろう、と不思議に思うものがあります。蚊とかゴキブリはその代表でしょう。フロリダなどのアメリカ南部はごく最近までマラリアを起こす蚊が多くいたらしいのです。これを絶滅させたのですが、時々、ニュースで警告しているのが、ウエスト。ナイルという病気を運ぶ蚊に関してです。そういうわけで、私は蚊がやって来るのを察知する訓練を随分積んできたようです。肌に蚊が到着するやいなやすでに私はこの仇敵をたたいていることがよくあります。昔の宮本武蔵などの剣豪も気配ですでに危機を察して無意識のうちに行動しているという境地も理解できるような気がします。とにかく、小さなアリや蜂のみならず、巨大な津波や地震や台風やと人間は大自然に対峙してそれを克服、征服することを余儀なくされているわけです。

フロリダ半島日記―映像とイメージに踊る大統領討論会

2012-10-05 09:04:53 | 日記
昨夜は全米6700万人もの人々が大統領選挙のテレビ討論会の釘付けとなりました。このテレビ討論会はコロラド州で行われました。
フロリダ州とは時差が2時間ほどあります。夜7時に始まった討論会ですが、ここのテレビは夜9時に始まりました。私の友人、家族、親族は大統領候補者への支持、不支持も様々で、皆一筋縄では行かない論客が多いのです。アメリカの特徴でしょう。まるで、アメリカン、フットボールの優勝戦の“スーパーボール”を観戦するという雰囲気です。共和党のロムニー氏はアメリカ史上初のモルモン教出身ということで、共和党内でも最初は賛否両論の渦がまいていました。しかし今は“政治的手腕は未知数だけども、成功した実業家、ビジネスマンとしての経歴がある”というイメージが定着したようです。私の知人たちの中では、大きな企業に勤めている人などはロムニー支持者が多いようです。ただ、ロムニー氏は相棒の共和党副大統領候補のポール。ライアン氏と共に失言が多いようで、それが今回の揚げ足を取られる結果となっています。本来、“激戦州”フロリダ州やオハイオ州は歴史的に共和党が強いところなのですが、オバマ氏が優位に立っています。
米調査機関によると全米においても現在、オバマ優位といわれます。このテレビ討論会はロムニー氏の最後のチャンスであるといわれていたのです。テレビ討論会は昨夜が第一回目で経済、雇用などロムニー氏の得意分野でした。この結果はロムニー氏に軍配があがったようです。次はタウンミーティング形式で質問と答弁方式なのでオバマ氏が好んでいる討論会です。最後はフロリダ州において今度は外交問題が中心となり、ロムニー氏は不得手だと思われます。
昨夜の討論会ではロムニー氏は大先輩のレーガン氏のことを考えているようです。1980年の大統領選挙では共和党ロナルド。レーガン氏が民主党ジミー。カーター氏に支持率において劣っていたのです。が、テレビ討論会で見事な演技力(?)で逆転したのです。このような勝利をロムニー氏は是非受け継ぎたいようです。それにしても、アメリカ大統領選挙はレーガン氏のような俳優出身で外形や姿勢や演技などを見事に演じる人にどうしても人々は票を投じたくなるようです。テレビが普及する以前、ラジオの影響力を充分に活用した大統領がフランクリン。D.ルーズベルトです。それまで大統領選出などは民衆から遠く離れた暗闇的存在であったようです。ところがルーズベルトは歴史上初めて記者会見を慣習化し、報道官を設置し、国民と大統領の双方がコミュニケーションをスムーズにできるようにしたのです。またルーズベルト大統領はラジオを通して茶の間にくつろいだ態度で話しかけました。ラジオからテレビになってくると、国民には更に大統領の姿が鮮明に眼前に現れるようになります。このことを上手く利用したのがケネディです。1960年、ケネディとニクソンがテレビ討論会にのぞみました。そのころは白黒のテレビでした。ニクソンは暗いバックに自らも暗い服装で立ったので、視聴者は暗い陰気な大統領候補と映ったようです。それに対してケネディーは映像とイメージについて計算していたようです。明るい派手ないでたちで応じたのです。国民はケネディに希望を持ち人気沸騰となりました。ケネディのメディアに対する演技は抜群でした。フランスに夫人と訪問した時も、“私はジャクリーン(ケネディ夫人)のお伴をしてきた男です”と自己紹介して喝采を受けました。しかし、実際のケネディはどうかというと、病気がちで、いろいろあった(ウーマナイザー、不倫などの)大変な日常生活であったようです。最近ではレーガン大統領がちょうどルーズベルトがラジオを使ったようにテレビという映像を見事に利用して国民的人気を得ました。ますます、アメリカ国民は大統領をまるでスクリーンで完璧に演技する俳優のようなイメージでみるようになりました。2000年の大統領選の討論会ではブッシュとゴアの対決でした。しかしゴア氏が時々、ため息をついた表情がありました。このような些細な表情も国民は判断基準にするようになりました。昨日のオバマ氏も語るとき時々ロムニー氏の方を見ずに、カメラの方を向いてまるで国民に演説をしているようなシグサをしました。これも人によっては傲慢だとかロムニー氏を無視しているとか評価するようです。私はテレビ討論会の感想として、表面的な演技的な映像やテレビのイメージだけで大統領を選ぶことには問題があると思うのです。日本において例えば幕末から明治においての西郷隆盛などがテレビ討論にでても、今ならとても人々は投票しないかもしれません。テレビや映像の狭い範疇に西郷さんはおさまらない英雄だからです。ヨーロッパでも歴史に残るような政治指導者たちは“気まぐれでカリスマ性をもち、たとえわずかにしても悪魔的な一面を備えていた。神の霊感を受けたと主張し、歴史の流れを変えたいと公言した”(ダニエル。ブアスティンの言葉)だったそうです。例えば、ナポレオンやビスマルクやクロムウェルです。こういう政治指導者はとてもアメリカのテレビ討論会では評価されないでしょう。アメリカの政治指導者に求められているのは、単なる国民の代表者であり、誰にでもあるような平凡な美点を多く持っている映像にいいイメージを与える人のようです。

フロリダ半島日記―映像とイメージに踊る大統領討論会

2012-10-05 09:04:53 | 日記
昨夜は全米6700万人もの人々が大統領選挙のテレビ討論会の釘付けとなりました。このテレビ討論会はコロラド州で行われました。
フロリダ州とは時差が2時間ほどあります。夜7時に始まった討論会ですが、ここのテレビは夜9時に始まりました。私の友人、家族、親族は大統領候補者への支持、不支持も様々で、皆一筋縄では行かない論客が多いのです。アメリカの特徴でしょう。まるで、アメリカン、フットボールの優勝戦の“スーパーボール”を観戦するという雰囲気です。共和党のロムニー氏はアメリカ史上初のモルモン教出身ということで、共和党内でも最初は賛否両論の渦がまいていました。しかし今は“政治的手腕は未知数だけども、成功した実業家、ビジネスマンとしての経歴がある”というイメージが定着したようです。私の知人たちの中では、大きな企業に勤めている人などはロムニー支持者が多いようです。ただ、ロムニー氏は相棒の共和党副大統領候補のポール。ライアン氏と共に失言が多いようで、それが今回の揚げ足を取られる結果となっています。本来、“激戦州”フロリダ州やオハイオ州は歴史的に共和党が強いところなのですが、オバマ氏が優位に立っています。
米調査機関によると全米においても現在、オバマ優位といわれます。このテレビ討論会はロムニー氏の最後のチャンスであるといわれていたのです。テレビ討論会は昨夜が第一回目で経済、雇用などロムニー氏の得意分野でした。この結果はロムニー氏に軍配があがったようです。次はタウンミーティング形式で質問と答弁方式なのでオバマ氏が好んでいる討論会です。最後はフロリダ州において今度は外交問題が中心となり、ロムニー氏は不得手だと思われます。
昨夜の討論会ではロムニー氏は大先輩のレーガン氏のことを考えているようです。1980年の大統領選挙では共和党ロナルド。レーガン氏が民主党ジミー。カーター氏に支持率において劣っていたのです。が、テレビ討論会で見事な演技力(?)で逆転したのです。このような勝利をロムニー氏は是非受け継ぎたいようです。それにしても、アメリカ大統領選挙はレーガン氏のような俳優出身で外形や姿勢や演技などを見事に演じる人にどうしても人々は票を投じたくなるようです。テレビが普及する以前、ラジオの影響力を充分に活用した大統領がフランクリン。D.ルーズベルトです。それまで大統領選出などは民衆から遠く離れた暗闇的存在であったようです。ところがルーズベルトは歴史上初めて記者会見を慣習化し、報道官を設置し、国民と大統領の双方がコミュニケーションをスムーズにできるようにしたのです。またルーズベルト大統領はラジオを通して茶の間にくつろいだ態度で話しかけました。ラジオからテレビになってくると、国民には更に大統領の姿が鮮明に眼前に現れるようになります。このことを上手く利用したのがケネディです。1960年、ケネディとニクソンがテレビ討論会にのぞみました。そのころは白黒のテレビでした。ニクソンは暗いバックに自らも暗い服装で立ったので、視聴者は暗い陰気な大統領候補と映ったようです。それに対してケネディーは映像とイメージについて計算していたようです。明るい派手ないでたちで応じたのです。国民はケネディに希望を持ち人気沸騰となりました。ケネディのメディアに対する演技は抜群でした。フランスに夫人と訪問した時も、“私はジャクリーン(ケネディ夫人)のお伴をしてきた男です”と自己紹介して喝采を受けました。しかし、実際のケネディはどうかというと、病気がちで、いろいろあった(ウーマナイザー、不倫などの)大変な日常生活であったようです。最近ではレーガン大統領がちょうどルーズベルトがラジオを使ったようにテレビという映像を見事に利用して国民的人気を得ました。ますます、アメリカ国民は大統領をまるでスクリーンで完璧に演技する俳優のようなイメージでみるようになりました。2000年の大統領選の討論会ではブッシュとゴアの対決でした。しかしゴア氏が時々、ため息をついた表情がありました。このような些細な表情も国民は判断基準にするようになりました。昨日のオバマ氏も語るとき時々ロムニー氏の方を見ずに、カメラの方を向いてまるで国民に演説をしているようなシグサをしました。これも人によっては傲慢だとかロムニー氏を無視しているとか評価するようです。私はテレビ討論会の感想として、表面的な演技的な映像やテレビのイメージだけで大統領を選ぶことには問題があると思うのです。日本において例えば幕末から明治においての西郷隆盛などがテレビ討論にでても、今ならとても人々は投票しないかもしれません。テレビや映像の狭い範疇に西郷さんはおさまらない英雄だからです。ヨーロッパでも歴史に残るような政治指導者たちは“気まぐれでカリスマ性をもち、たとえわずかにしても悪魔的な一面を備えていた。神の霊感を受けたと主張し、歴史の流れを変えたいと公言した”(ダニエル。ブアスティンの言葉)だったそうです。例えば、ナポレオンやビスマルクやクロムウェルです。こういう政治指導者はとてもアメリカのテレビ討論会では評価されないでしょう。アメリカの政治指導者に求められているのは、単なる国民の代表者であり、誰にでもあるような平凡な美点を多く持っている映像にいいイメージを与える人のようです。