
昨日、久しぶりに苫小牧に住んでいる友達から電話がありました。
10年以上前に私がエレクトーンを習い始めた頃に出会った友達です。
彼女はピアノを習っていて一緒に発表会に出ることになり、家も近所だったことからすぐに仲良くなりました。
音楽が大好きで歌やギターがとても上手で音楽を心から愛する人です。
それから何度となく一緒に発表会やコンクールにも出て彼女のおかげで全道大会でトロフィーをもらうこともできました。
「こったら苫小牧」とバカにしながらもランチをしたりお茶をしたり、買い物をしたり、時には東京の美容室に行ったり、おしゃれな彼女からいろんなことを教えてもらいました。
私が札幌に来てからは頻繁に連絡を取る事はなかったけれどクリスマスと誕生日にはお互いに一生懸命にプレゼントを選んで送っていました。
そんな彼女の去年の6月の誕生日にプレゼントのお礼の電話をもらった時に彼女のご主人が末期のガンだと聞きました。
彼女のとこは子供がいない夫婦ふたりの生活をとても素敵に楽しんでいたので、そんな話を聞いてもなんだかピンときませんでした。
そして何度か電話で話をしていたのですが、私が先月九州から帰った直後に彼女のだんなさんは帰らぬ人となってしまいました。
お葬式に流れていたのは中島みゆきの「時代」
私達が全道大会でトロフィーをもらった曲です。
この曲が流れる中、気丈にも喪主として立派に挨拶をしていました。
ご主人はまだ現役の社会人で5月初めに最期の入院をするまで仕事を続けていたらしいです。職場の人には初期のガンだと言って誰からも病状をさとられることもなかったくらい頑張っていました。
学生時代の友人、スポーツの仲間、職場の人達、驚くほどの数の人たちが見送りに来ていました。
昨日、電話で話した時に彼女から「お礼を言いたかったんだけどずっと忙しくて。でもあんたは私が電話できる時間ができるまで待っててくれる人だと思ったからさ」って言ってました。
どんなに離れていても心の内を知る事ができるのが友達なのかなぁと思いました。
私は自分にはまねできないほど立派な挨拶をきかせてもらったと言ったら、最後まで立派に生きただんなさんのことを来てくれたみんなに伝えたかったからだと言ってました。
余命宣告を受けた1年前から亡くなるまでが結婚して一番楽しい時間だったとも。
亡くなったことでだんなさんの周りにこれほどたくさんの温かい心を持った人がいたことを知る事ができたとも。
彼女の22年の結婚生活は、決して後悔することのない時間だったと思います。
お互いにそう思いあってお別れしたんでしょうね。
彼女を見習って生きているうちから感謝の気持ちを言葉にすることを心がけようと思いました。
言葉にできるうちに思いを伝えようと。
とても悲しい話だったけれど同時に温かい気持ちになれた久しぶりの電話でした。
今月、彼女の誕生日があります。
今から一生懸命プレゼントを選んでいます。