goo blog サービス終了のお知らせ 

胸毛からどんぐり

ボートとその他いろいろ気ままに更新しまする

愛しい彼女とのmemory

2017-12-05 19:44:18 | 日記
12月4日 エルゴ60分終了後

 「おつかれー」

「あ~彩音ちゃんが残り2分半で声かけてくれなかったらそのまま終わってたよ~!」

 「…え?」

「残り10分ずっと一人しりとりしてた~!ラップ見ようと思ってたんだけどぼーっとしてた!!ほんとありがとうね!!」



ずいぶんときついメニューであったはずなのに彼女はとても楽しそうだ。


「今日は何食べよっかな~~♪」

 「家に何あんの?」

「パン、米、ベーコン、卵、ある」

 「留学生みたいな片言しゃべってんね。チャーハンとかは?」

「パン食べたい。パン。」

 「夜にパン?」

「ダメかな~~ダメかな~~、、フレンチトースト!!」

 「ご飯のほうがいいんじゃない?」

「パン、卵。私はフレンテトーストを食べたい。」


依田ちゃんが練習後によくしゃべるようになるのはいつものことだが今日は異常だ。


「ごめんね、彩音ちゃん、うるさいよね、黙るね。はい、私は今から黙ります。、、、でもね、いざ私が黙っちゃうと彩音ちゃんきっと寂しくなっちゃぁあ~今日何食べよう。パン、米。」

 「チャーハンは?(もう一度)」

「私にはチャーハンを作る気力がない!!しゃべる気力はあるんですけどね~~」

 「今日めっちゃしゃべるね。」

「やばいねぇ~!私めっちゃしゃべるときとめっちゃ黙るときがあるの~。今日はエルゴで1時間黙ってたから今めっちゃしゃべってる。そのうち急に静かになると思う。」

 「めんどくさ。でもエルゴの途中で集中切れてたじゃん。エルゴやってる横の外国人チラチラ見てたでしょ。」

「あれはパメラちゃんに教えてた野田くんが急に英語ペラペラしゃべれるようになったのかと思ったのよ。ほら、その直前まで二人があのエルゴ使ってたでしょ?」

 「間違えないでしょ。」

「こ、こ、こ、、!」

 「こ?」

「“こ”だ!!一人しりとりで“こ”がなかなか出てこなかったの!!」

 「おぉう。」


もはや私が返事をしなくても依田ちゃんの中で会話が進んでしまうのだからすごいもんだ。


家に着いてしばらくすると依田ちゃんの食事アルバムが更新されていた。


そこにはおいしそうなカルボナーラが写っていた。




A mal tiempo, buena cara.

2017-11-27 20:44:29 | 日記
---ヌレチャレス・マタ?彼はとても良い選手だね。各年代のスペイン代表にも選出されているし、リーガでも指折りのアタッカーだよ。彼のような選手がうちにいてくれると戦術の幅は確実に広がると思うよ。だけれど彼はバルセロナの選手だ、そうだろう?もちろんそのような移籍の噂というのは常にあるものだ。だが私は何も聞いていないよ。今後どうなるか見てみよう。ただ一つ言えるのは、私は今のスカッドに満足しているということだよ---

寂れたバーのラジオから雑音混じりに聞こえてくるスポーツニュース。

メルセデス・ミラモンテスはにやにやしながらそのラジオに聞き入っていた。

「どうだい?俺の流す噂は広まるのが速いだろ。これで君は後に引けなくなったな、背水の陣ってやつさ。カナリア諸島行きの搭乗券を取らなくちゃなあ」

メルセデスはガハガハ笑いながらサン・ミゲルを飲み干すとジョッキをドンッとテーブルの上に置いた。

「おい、流石に声がでかいんじゃないか」

俺は狭い店内をキョロキョロ見回した。

「心配するな、誰もいやしねぇよ。いるはずがないんだ」

バーにはカウンター席が6席、窓際に小さなテーブル席が4席あるだけだ。

確かに他に誰かいればすぐに気づくだろう。

少し安堵してメルセデスの方に向き直ると、彼はいつのまにかおかわりしたサン・ミゲルを喉を鳴らしながら飲んでいた。心なしか彼が持つジョッキは先ほどよりも一回り大きいものに見える。

あきれた奴だ。今は一応ビジネスの場なんだが…

「よくこんな場所を見つけたもんだな。バルセロナに住んで5年になるが、ランブラス通りにこんなバーがあるなんて初めて知ったぞ」

「まあ、仕事柄人払いがよく効く店は知っておいて損はないからな。ここのマスターも顔馴染みだ。彼の取り計らいで今夜は俺と君以外の客は来ないようになってるのさ」

メルセデスは小皿に入ったナッツをむんずと掴むやいなや、大きな口に放り込みビールで流し込んだ。

俺はさらにあきれながら正面にいるひげ面の男の顔を改めて見つめた。

メルセデス・アルバロ・ミラモンテス。名門マドリード・コンプルテンセ大学出身の新進気鋭の若手代理人だ。

トレードマークの毛むくじゃらのひげは童顔な彼が交渉の場で舐められないために編み出した技らしい。

ひげを伸ばし始めてから業績も伸び始めたらしいが真偽のほどは定かではない。

代理人としての彼の売りはずばり選手、クラブの双方が満足する結果に導くこと。

そう信じて彼と契約したのだが…

「俺はまだ移籍すると決めたわけじゃないんだがな、あれは飛ばしか?」

「いや、本物さ。現に昨日までグラン・カナリア島にいたんだぜ。交渉は最終段階に来ている、もう後戻りはできない」

俺はうつむいて視線を落とした。

トマトジュースの入ったグラスを握る右手に自然と力が入る。

「ならどうして移籍先をラス・パルマスに絞ったんだ。聞いたぞ、ビッグクラブからもオファーがあったと」

「そのビッグクラブに行ってどうするんだ。バルセロナでトップチームに昇格できず、かといってリザーブで最も秀でた存在だとはいえない君が他のチームでは活躍できると?やめておけ、飼い殺しになるだけだ」

「それなら俺はバルサに残る道を選ぶ!ラス・パルマスだけはごめんだ!」

そう吐き捨てた。

メルセデスは困ったような顔をしてため息を一つついた。そしてグラスに入った水を一口だけ口に含んだ。

少し考えるような顔つきをした後、彼は俺を諭すように語り始めた。

「バルセロナに残ってどうするというんだ。知っての通り、上にはフランス代表リュカ・デュラン、ウルグアイ代表トマス・ズレアー、そしてアルゼンチン代表のライオネル・ジーマがいる。このトリデンテには他のトップ選手たちでも割って入ることは不可能だ。加えてベンチにも優秀な選手が揃っている。断言してもいい、あと5年は君を含めてリザーブの若手がトップチーム入りすることはできない」

「どうしてそこまで言える、あんたに何がわかるっていうんだ」

自分の声が上ずっているのがわかった。

「わかるさ、これでも君より長くこの業界にいるんだ。君のような優秀な若手が飼い殺しにされたのを何度も見てきた。U-18W杯も近いことだし、君にはああなってほしくない」

「じゃあゾランやウーゴはどうなんだ。あいつらも飼い殺しにされるっていうんだろ。なのになぜ移籍しない?」

「俺は彼らの代理人ではない。だから憶測になるが、おそらく話は来ているはずだ。だが会長は彼らを放出することはしないだろう。あっても期限付き移籍だろうな」

「なぜだ!?あいつらと俺では何が違うというんだ!」

地雷を踏んでしまったような感じがした。

残念なことに俺はいろいろなことに鈍感だ。ただ、表情の変化くらいには気づくことができる。メルセデスの顔が曇るのがわかった。

「わかっているんだろう、彼らと君との間には大きな差があることが。確かに彼らと君は同年代でスペイン代表にも共に選ばれ、バルサのリザーブでも常に3トップでスタメン出場していた。ゴール数も彼らに劣ってはいないさ。けれど君はあの二人とは違う」

わかっていた。あいつらとプレイしてきた俺が一番わかっていた。それでも認めたくなかった。

「これは言うべきか迷ったんだがね、君に決心させるために言うよ。今回の移籍の件で会長に完全移籍をちらつかせてみたんだ。するとどうだ、あのおっさん快諾しちまったよ。首脳陣にとっての君の評価はそういうことさ。いてもいなくても同じということだ」

わかっていた、わかっていたさ。そんなこと。けど…

「12でラ・マシアの門を叩いたとき、俺は言われたんだ。ジーマの後継者は君だと、次世代のバルセロナを牽引するのは君だと。それなのに…それなのに……」

自分の声が次第に自嘲するような声に変わっていった。

手のひらの水滴がグラスについていたものだけではないことに気づいた。

「いまさら必要ないと言われても、困るんだよ……」



もう我慢できなかった。俺は年甲斐もなく声を上げて泣いた。

なぜ…どうして…

俺は今まで多くのものを背負ってきた

背負うことを決めたのは自分だ、だけど背負わせようとしたのは大人たちじゃないか

それをいまさら背負わなくていいと言われても…



メルセデスが俺に近づいてきて背中を優しくさすった。

「今は泣くといい、酷な現実を突き付けられたんだ。本当の自分と向き合うってのはいつだって酷なもんさ。けれど逃げちゃだめだ、いいな、逃げたら終わりだ。忘れるな、君は一人じゃない、俺がついてる、ついてるからな」

気のせいか、メルセデスの声も揺れている気がした。

先ほどまでにぎやかにニュースを知らせていたラジオはいつのまにかオーケストラ特集の番組になっていたようだ。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第二番第一楽章が静かにバーに響き渡る。

夕刻から降り始めた雨は強まることも弱まることもなくさわさわと降り続いている。

ラフマニノフと雨音のセッションが空間を包み込む。

雨粒で濡れた窓ガラスからはランブラス通りのきらびやかなイルミネーションの光が幻想的に差し込んでいる。

顔を上げればそこには美しい光が見えるのに…顔を上げれば…

俺はまだ光と向き合うことはできなかった。
















エッセン☆ブログ_牛太郎

2017-11-26 11:15:03 | 日記
もぐもぐ、もぐもぐ、もぐもぐ。
彼はもう四時間も咀嚼を続けていた。店に入った頃満員に近い混み具合だった店内も閉店間近となって空いてきた。
「んふー」と1つ鼻息を吐いて、彼は水を飲んだ。
ハァ-、こんなはずではなかったのになぁ·····

午後4:30
片山さん、伊藤、藤田と一緒に店内に入った。
う~ん、ミスドを食べた直後だから、カツはきついよなぁ。よし、牛丼にしよう。
テレビでは、コンサドーレ札幌の試合が放送されていた。ここまで13位の札幌はこの試合に勝つとJ1 残留が決まる。記憶にある限り札幌が残留したことはない。唯一の残留は2001年。このまま勝って残留だ!

午後4:45
「はい、牛丼の大盛りです。」

これぞ牛太郎というようなどんぶりとご飯がやってきた。
よし今日はキメットと勝負だ。

一口、また一口。牛丼は口に運ばれて行く。
良いペース?同じ牛丼を注文した隣の藤田はあっという間に半分を食べた。一方、目の前のどんぶりは4分の3程残っている。そしてキメットは、何ともう独走している❗

店内には次々とお客さんが入ってきた。そしていつの間にか外では雪が降っていた。

午後6:00
戦意を喪失した。 藤田は漫画を読み始めた。キメットはスタジアムに向けて走っている。

午後7:00
高校のサッカー部がぞろぞろとやってきた。どうやら初めてのようで、カツカレーの大盛りに驚いている。 「まじか❗やばっ」「⚪×、いけるの?」
ところが、健啖な者は20分後には皿を空にしていた。
(彼)「すいません、はやい人ってどのくらいでたべおわりますか?」
(おばさん)「う~ん、測った事はないですけど、(あなたは)速い方だと思いますよ。中には4時間くらいかけて食べる方もいますよ。北大生の方で先輩におごってもらっているから残しちゃいけないって」
それは僕の事ですね。片山さんと目が合った。

午後9:00
食べ終わった。
おばさんに心配された。