バッテリーや充電方法のことをよく知れば、より効率的なバッテリー充電ライフを送ることができます。
バッテリーの放電容量(Ah)
バッテリーは充電池であり、充電できる容量が大きいほど、長時間利用することができます。バッテリーに貯蓄できる容量はAh(アンペア時)で表現されます。これは、放電時の電流と満タンに充電された状態から充電が切れるまでの時間の積から計算されます。
スマホでは比較的小型な充電池が使用されますので、単位はmAh(ミリアンペア時)となります。本体に付属しているバッテリーは、だいたい1,500mAh~3,000mAhの間ぐらいですが、サードパーティー製の大容量を謳うバッテリーは、3,000mAhを超えるようなものもあります。モバイルバッテリーでは、何と10,000mAh以上の放電容量を持つ製品もあります。
バッテリーの出力(A)
バッテリーの放電容量が分かったところで、次はバッテリーの出力です。スマホ本体のバッテリーは端末を動作させるために電力を出力しますが、モバイルバッテリーはスマホなどの機器に内蔵されているバッテリーを外部から充電するために電力を出力します。
この際、出力できるパワーをA(アンペア)で表します。アンペアが高い数値の充電池ほど、短時間にバッテリーの充電を行うことができます。例えば、0.5Aの出力では、1000mAhの放電容量を持つバッテリーを充電するのに2時間かかりますが、1Aの出力では半分の1時間で充電することができるのです。最近では、1.5A~3Aのモバイル充電器が充実してきています。モバイル充電器を購入する際には、放電容量に加えて出力も気にしてみてはいかがでしょうか。
この中で、最も充電池の寿命を縮めるのは実は1です。驚いた方はニカド電池(ニッケル・カドミウム蓄電池)のイメージで充電してしまっています。ニカド電池は継ぎ足し充電によるメモリー効果(継ぎ足し充電をよく行う残放電容量付近で放電電圧が低下し、利用機器によっては容量が減少したように誤認する現象)が顕著に現れるため、できるだけ充電をゼロにしてから充電するほうが良いとされていました。
しかし、リチウムイオン電池ではメモリー効果はほとんど発生しないため、継ぎ足し充電することはそれほど問題になりません。むしろ、充電をゼロにしてしまう方が、充電池を劣化させてしまいます。(ただし、製品によっては購入後数回は充電をゼロにしてから充電するよう指示されているものがありますので、その場合はメーカーの指示に従ってください)電圧制御が正しく行われずに充電ゼロを超えて過放電になると、電池が異常発熱を起こす恐れがあります。充電をゼロにすると、こういったリスクがあるのです。
しかし、リチウムイオン電池のもうひとつの特徴として、満充電のまま放置すると劣化するというものがあります。つまり、常に満充電にしようとする3も充電池の寿命に悪い影響を与えています。最も寿命を延ばせるのが、満充電の期間が短く充電をゼロにもしていない2ということになります。買ったばかりの充電池が満充電ではなくある程度減った状態になっているのもこれが理由です。ちなみに過放電の逆に電圧制御が正しく行われずに過充電になると、電池が急激に劣化し、最悪の場合、破裂や発火することがあります。携帯電話用のバッテリーが、焼いたお餅のように膨らんだ物はその前兆であると言えます。
厳密にはスマホの電源を完全に切ってしまわなければ、バッテリーは常に使用されているため、満充電での放置には当たらないと言えます。電源を完全に切って長期間保存する場合は、満充電を避けて50%以上放電してから保存するようにしましょう。満充電で半年も放置しておけば、次使用した時には既に充電できない程に劣化する可能性があります。
他に気をつけたいこととして、充電しながらCPUが発熱する作業を行うことが挙げられます。充電池は熱に弱いので、ただでも熱を持つ充電時にCPUも発熱している状態では劣化は避けられません。充電時にはCPUが発熱するような作業は避けるべきです。
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