旧日本軍化学兵器処理問題 中国やソビエトに兵器が引き渡されたことを示す書類発見

2006年05月27日 | 政治 経済
旧日本軍が遺棄したとされる化学兵器について、兵器が引き渡されたことを示す書類が見つかった。この発見は国会でも取り上げられた。旧日本軍が遺棄したとの前提で日本政府が資金や技術などを提供してきた化学兵器処理問題。26日に行われた衆議院内閣委員会で、自民党の戸井田 徹議員はこの問題に疑問を示した。
戸井田議員は「手元にお配りいたしました引き継ぎ書にあります日本側と中国側の授者(受者)の署名・なつ印は、引き継ぎ者側の同意を得ていたことになります」と述べた。戸井田議員が配った資料は、旧日本軍が中国やソビエトに化学兵器を正式に引き渡したとされる「兵器引き継ぎ書」。ジャーナリストの水間政憲氏から提供されたものだという。戸井田議員は「旧日本軍の化学兵器なども同じように引き継ぎ者側の同意を得ていたのであれば、当然、旧日本軍の化学兵器といえども、所有権は中国側に移行したものと理解しておりますけども」と述べた。外務相の梅田邦夫参事官は「今この時点で明確なお答えをすることはできない」と述べた。日本は1997年発行の化学兵器禁止条約に基づき、廃棄することが義務づけられている。日本政府は2000年以降、970億円を投じて化学兵器の発掘、回収事業を実施。事業総額は2,000億円以上とみられている。中国・吉林省敦化市ハルバ嶺には、遺棄化学兵器が30万発以上も眠っている。中国やソビエトに化学兵器が引き渡されていた場合、遺棄したのは旧日本軍ではない可能性もある。戸井田議員は指摘の意義を「中国との関係が変わってくる可能性がある」、「遺棄化学兵器に関しては、関係きちんと精査して、真実はなんだったのかということをそこに出せる資料なわけですよ」と強調した。安倍官房長官はこの兵器引き継ぎ書について、「遺棄化学兵器が当該目録に記載されているかどうかが、1つある意味でポイントになる」と述べた。日本政府も精査の必要があるとした兵器引き継ぎ問題。兵器が中国やソビエトに引き渡されていたならば、補償を求めてきた中国と日本外務省の姿勢が問われることになる。

FNN Headline
http://fnn.fujitv.co.jp/headlines/CONN00090741.html


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