防衛研究所で「化学兵器中国で遺棄」覆す文書見つかる

2007年11月30日 | 政治 経済
2007.11.30 20:58
 終戦後、中国大陸で旧日本軍が化学兵器を中国側に引き渡したことを示す文書が、防衛省防衛研究所などに保管されていることが分かった。日本軍が中国で遺棄したことを前提に進められている遺棄化学兵器処理事業は見直しを迫られることになりそうだ。
 この事実は、防衛省の関係団体「財団法人ディフェンスリサーチセンター」が外務省の依頼で行った調査資料の中から、ジャーナリストの水間政憲氏が見つけた。調査資料は今年1月、外務省に報告されているが、中身は公表されていない。
 それによると、防衛研究所には、「支那方面艦隊引渡目録」と書かれた3点の文書が保管され、いずれも、引き渡した時期、場所、日本側と中国側の責任者名、品目などが記されている。
 例えば、昭和21年1月18日の文書では、引き渡し場所は「上海地区」、日本側責任者は上海海軍特別陸戦隊「海軍中尉 古田小作」、中国側(国民政府)は中国海軍陸戦隊「海軍中尉 陳永禄」、品目は「手投涙弾(催涙弾)二一四〇個」とある。他の2点も、引き渡された品目は「手投涙弾」だ。
 手投涙弾は通称「みどり」とも言われた非致死性の兵器だが、遺棄化学兵器の処理を求めた化学兵器禁止条約(1997年)に伴う日中覚書(99年)では、日本が全額負担して廃棄すべき遺棄化学兵器に含まれた。

同センターの資料には、山形県のシベリア史料館に保管されている「旧日本軍兵器引継書」の分析結果もあった。水間氏が存在を確認し、政府が調査していた文書だ。そこからは、台湾で、日本側が中国国民政府に「緑筒」「赤筒」などを引き渡したことを示す文書2点が見つかった。
 緑筒は防衛研究所の文書にある「手投涙弾」と同じ催涙弾だ。赤筒は「くしゃみガス」とも言われた非致死性化学兵器で、日本が全額負担すべき兵器とされている。
 これまでに、台湾で日本側から化学兵器が引き渡された文書が防衛研究所にあることは、雑誌「正論」編集部の取材で明らかになっていたが、中国大陸での引き渡し文書が見つかったのは今回が初めてだ。
 中国に残っている化学兵器はすべて旧日本軍が遺棄したものとされ、日本が全額負担しなければならない理由を、外務省は「引き渡したことを証明する書類がない」としてきたが、水間氏の調査により、外務省の主張はますます根拠を失った。
 水間氏の調査結果は、1日発売の雑誌「正論」来年1月号で詳しく報告される。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071130/crm0711302059042-n1.htm





【主張】北方領土返還 多数の参加で対露圧力を
2007.11.30 02:35
 あす12月1日、銀座・有楽町など東京の中心部で、北方領土返還を訴える行進がある。北海道根室市と周辺4町で組織する連絡協議会が、あえて国政の舞台に近い場所で計画し、国会議員や首都圏の人たちに領土問題への関心を喚起する狙いだ。
 行進は「北方領土の日」の前日の今年2月6日、東京・西新宿で実施され、今回で2回目になる。前回参加者は約100人と決して多くなかった。しかし来年7月のサミット(主要国首脳会議)は北海道で開かれ、ロシアの新しい大統領もやってくる。ロシア側への返還要求を強めるためにも、行進への多数の参加を期待したい。
 国後、択捉、歯舞、色丹の北方四島は昭和20(1945)年、日本の降伏に乗じて侵入した旧ソ連軍に不法占拠された。これに抗議するため、敗戦からわずか3カ月半の同年12月1日、当時の根室町長らがGHQ(連合国軍総司令部)のマッカーサー司令官に最初の直訴状を送った。この日は、北方領土返還運動の原点ともいえる。
 しかし最近の政局の混乱が北方領土問題の行方を不透明にしている。先月からロシアのラブロフ外相、ナルイシキン副首相と相次いで来日、福田康夫首相らと会談したが、日本側は経済協力の拡大要請という攻勢を受けるばかりで、肝心の領土では有効な得点をかせぐことができなかった。
 ナルイシキン副首相は来日前の日本人記者との会見で、日本、ロシア以外の第三国企業の資本を北方領土内に導入する方針を強調した。こうしたことから、政府内では「福田政権が国会対応に追われ、外交に十分な時間が割けないととられ、足元をみられている」といった嘆きも聞かれる。いわゆる「2島返還」、4島の「面積折半」で妥協をはかろうとする動きなど日本側の足並みの乱れも手伝って、ロシア側に付け入るスキを与えてもいる。
 根室市の長谷川俊輔市長によると、占拠当時4島に居住していた元島民1万7200人余のうち約54%がすでに死亡し、あと10年もすると、元島民がいなくなってしまうおそれもあるという。来春に大統領選を控えるロシアとの交渉は難しい時期だが、ここで4島一括返還で国民が結束し、態勢の立て直しをはかるべきである。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/071130/plc0711300235005-n1.htm


「化学兵器引き渡し」「中国で遺棄」覆す文書
 数年前からこの文書が存在することは明らかにされていた。大東亜戦争終結後、各地で「終戦の儀式」が執り行われ、「降伏調印式」がそれぞれの相手と取り交わされたのはわかっていたはずであった。負けてはいなかった大陸でも、支那派遣軍総司令官・岡村寧次将軍と国民党軍の何王欽上将との間で調印式が行われたのをはじめ、各地で調印式が行われ、勝っていた軍隊が負けていた軍隊に武装解除されたのであった。
写真(「昭和の戦争記念館・第二巻=大東亜戦争と被占領時代」展転社刊から)

 ソ連が国際法を無視して殴りこんできた樺太でさえも、第88師団将兵は、大本営の命令によって抵抗を止め、8月27日に調印し武装解除され、帰国させると騙されてシベリアに送られた。

 そんなことは我が国の歴史的事実として国の機関が当然知っておくべきなのに、「中国で遺棄したことを覆す文書」が「防衛研究所に保管されていた」と云うのだから無責任も甚だしい。「保管」ではなく「放置」されていたと言うべきであろう。一ジャーナリストの水間氏が、熱心に調査研究していて、国は“傍観?”しているようだが、外務省は徹底的にこれを調査して結果を公表すべきである。防衛省と山田洋行だけが、国民の血税をどぶに捨てているように報道されているが、国家機関全体がたるんでいるのである。防衛省・防衛研究所はこの問題が生起したとき、間髪をいれず、外務省に証拠文書を提示して、政府が間違いを起こさない様にすべきであった。今後は責任を持ってこの問題を解決するよう、全力を尽くしてもらいたいと思う。
http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/20071201/1196483207



仙台市で「正論」懇話会 渡部昇一氏が講演

仙台「正論」懇話会の第10回講演会が29日、仙台市内で開かれ、上智大学名誉教授の渡部昇一氏が「これからの日本の問題点」と題して講演した。渡部氏は「戦後、秘密文書の公開が進み東京裁判史観が覆され始めた」とした上で、「だが戦後教育の担い手たちは東京裁判史観をくつがえせない。本人やその弟子がまだ要職にいるのが真実が普及しない原因」と主張した。

渡部氏は、「日本では戦争が時事問題として扱われている」と指摘し、安倍晋三前首相が東京裁判のパール判事の遺族をインドに訪問したことについて「東京裁判を否定する行動だったのでは」とする見解を披露。「東京裁判の論理を正義とする戦後教育から脱し、子供たちが誇りを持てる国にすべきだ」と力を込めた。
 
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/071130/plc0711300054002-n1.htm





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ストップ・ザ裁判員制度
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           馬場 伯明

先に、裁判員制度について「ひとり切歯扼腕する日々が続く」と絶望的
な気分を吐露した。しかし、ネット記事などを見ると反論もなされてい
る。この動きに乗れないだろうか。たとえば、こちら。

○「天下の大悪法・裁判員制度徹底糾弾!!高野善通の雑記帳」
   http://www.interq.or.jp/enka/svkoya/blog/enka
○「裁判員制度はいらない!大運動」
http://no-saiban-in.org/

一方、法務省・最高裁などは(もう決定しているので)制度の是非では
なく、運用上の事務的な質疑や周知徹底に専念している。制度の意義や
利点などの本質論的な説明はない。

元来、故矢口洪一元最高裁判所長官や中坊公平元日本弁護士連合会長ら
少数ながら極めて熱心な刑事裁判への国民参加制度導入論の人たちが取
り組んできたとされる。(現「裁判員制度」を理想としたかどうかは別
だが)

また、佐藤幸治京都大【法】名誉教授は司法制度改革審議会の当時の会
長として裁判員制度導入の「意見書」を取り纏めた。(偶然なのか)3人
とも京都大(法)出身である。

審議会の最終意見書を受け(2001/6/12)、小泉首相はその日に「速やか
に推進する作業にはいる」と明言。「裁判員制度・刑事検討会」をつく
り、作業に入った。

その後政府は法案を作成し、国会提出(2004/3/2)、衆参両院で可決、
新法公布に至った(2007/5/28)。この重要法案の審議期間はわずか3ヶ
月にも満たない。票にはならないが、すんなり通した与野党を含む国会
議員の責任は重大である。

賛成論・推進論の論拠は何だったのか。「健全な社会常識」を刑事裁判
に反映させる、つまり「裁判員が裁判官とともに刑事裁判を行なうこと
が司法に対する国民の理解と信頼を向上させる」という。(「最終意見
書」)

だが、もともと、国民や世論が刑事裁判への参加を熱望・要求した訳で
もないから、法律ができてもちっとも世論は盛り上がらない。この制度
は何の必要性も必然性もなく生れたものだということがわかる。

だからその後、それ見たことかというように、裁判員制度を広報する低
調なタウンミーティングで質疑の「やらせ」が各地で発生する。「やら
せ」というのは八百長。「嘘」のしかけである。最近発覚した食品偽装
経営者と同根の精神(モラル)の退廃・溶融である。

「裁判員制度の正体」(西野喜一、講談社現代新書、?720)は反対論の
良書である。むしろ出版が遅すぎた。西野氏は判事から大学教授になっ
た人。

本書には「憲法違反」「粗雑司法」など多岐な論点にわたり国家の刑事
裁判制度と国民の権利に立脚した理路整然とした鋭い反対論が展開され
ている。「この現代の赤紙から逃れるには」(第9章)にはユーモアもあ
る。ぜひご一読をおすすめしたい。

しかしながら、私には少しだけ不満がある。西野教授は(控えめな人な
のか)賛成論者の実名を記さず「ある学者は」などとして相手を批判し
ている。実名を記しているのは小泉純一郎首相だけだ。

せっかくの立派な反対論であるのにこれではパンチに欠ける。名前のな
い影を切っても相手は殺せない。たとえば、次の発言者(A~F氏)は
誰なのか。実名を明らかにしてほしい。

(A):「どういう結論(判決)になるかということは裁判官の裁判員
に対する説得次第だ。(素人の裁判員の意見などは専門家である裁判官
の説得で何とでもなる)」と言う学者。(p86)

(B):「どうしても裁判への国民参加をやりたい人たちが憲法を無視
し、ごり押しした」そのごり押しした人たち。(p90)

(C):「(審議会では)労働者の労働環境を悪化させるのに労働者の
立場を守ろうとする声がまったくなかった」その全国的な労働団体の役
員である委員。(p167)

(D):「日本人は働きすぎだから、自営業者が裁判員の仕事で何日か
仕事を休むこともよいではないか」と言う推進論者のトンデモ学者。
(p172)

(E):「裁判員制度は民主的な司法を確立し擁護するためのものであ
るから憲法違反ではない」と言う「民主的」学者。(p187)

(F1~F13):裁判員制度を審議し意見書を出したときの「司法制度改
革審議会」の13人の委員。(p53)(この13人に刑事専門の裁判官がな
ぜ入らなかったのか、禍根が残る)

裁判員制度論議で特徴的なのは、国会議員(与野党)・法曹界そしてメディ
アまでが沈黙していること、いわば「三沈状態」となり、一方国民は無
気力・無関心・無感動の「三無主義」に陥っているように見えることだ。

歌(「知りたくないの」)の文句じゃないけれど、「♪ あなた(法律)
の過去など知りたくないわ 済んで(公布)しまったことは 仕方ない
じゃないの」なのか。「しょうがない」じゃ済まないのだが・・・。

裁判員就任の要請をあらゆる手管で拒否し、この制度の野垂れ死にを待
つということも考えられるが、どっこい、一度施行されてしまったらそ
うはならない。やはり、施行させず、廃止に追い込むのが最善である。

裁判員法の付則には、施行にあたって政府は「裁判員の参加する刑事裁
判が円滑かつ適正に実施できるかどうかについての状況に配慮しなけれ
ばならない」とある。

ここが手掛かりとなる。50%以上の国民が裁判員になりたくないという
ならば、「円滑かつ適正に実施できる状況」ではないからだ。施行目途
の2009(平成21)年5月を過ぎてもその状態にしたい。

そのために、小さい力ではあるけれどもできる行動には積極的に参加し
ていきたい。このまま「負け犬の遠吠え」では終わりたくない。(了)

(追記)

裁判員制度への反対論には左右(?)からの二つの立場がある。一つは
伝統的な刑事裁判制度を維持発展する立場(大久保太郎元東京高裁部統
括判事、西野喜一教授ら)。もう一つは「真の」市民参加をめざすリベ
ラル系の反対論(高山俊吉弁護士ら)である。

とにかく、日弁連は積極推進、国会は全会一致通過、当局(最高裁・検
察・法務省)は粛々と実務を推進。加えてメディアもほぼ翼賛報道であ
る。

最後の頼みの綱は、裁判員になりたくないとしてこれを敬遠する約70%
の「声なき声」の国民のみである。(2007/11/24千葉市在住)





「超円高」的中の若林氏:円は今冬100円突破できず‐11年には74円

  11月27日(ブルームバーグ):米サブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローン問題に端を発した投資家のリスク回避に揺れる円・ドル相場は、クリ スマス前と2008年2月に1ドル=100円に迫るが、突破は難しい。来秋には115 円程度まで反落するものの、11年には74円の戦後最高値に達する??。投資情 報サービス会社、ワカバヤシ・エフエックス・アソシエイツの若林栄四代表は 27日のインタビューで、短期の円高と中期の円安、長期の超円高を予想した。

  若林氏は、サブプライム問題の影響について、今がメディアなどによる「ネ ガティブ・キャンペーンのピークだ」と指摘した。金融システム不安はほぼ相場 に織り込まれ、米実体経済への波及に焦点が移っていくと予想。米連邦準備制度 理事会(FRB)は12月を最後に利下げを休止するが、米経済は「比較的容易 に」回復に向かうと語った。

  原油や金など国際商品相場が上昇傾向にあり、ドルが安い環境で利下げを重 ねるFRBについては、日本銀行が1980年代後半に犯した「過ちを再現してい る」と述べた。政治的な圧力などにもさらされる中央銀行は、金融システム不安 を恐れるが余り、過剰に金融緩和しがちになるとの見方を示した。

  円・ドル相場は26日に一時1ドル=107円23銭と、05年6月以来の円高・ ドル安水準をつけた。年初来では9.9%上昇した。6月22日には124円13銭と、 02年12月以来の円安・ドル高だった。

 8年サイクル、5年間は円高

  若林氏は、円・ドル相場は8年周期で動いており、円は底値をつけた後、 「大体60カ月(5年間)」は上昇すると指摘。特に、底値の直後は6、7カ月間 に「最低でも18%、最高で23%」程度、円が急騰すると語った。6月につけた 124円13銭から、円が18%上昇すると101円台、23%上昇すると95円台となる。

  したがって、円はクリスマス前に103、104円前後まで上昇し、いったん反 落した後、2月半ばころまでは「何度か100円にチャレンジする」と予想。ただ、 今冬の円高局面では94年以来となる100円突破はならず、来年9月頃にかけて 115円程度まで円が反落するという。一方、今年6月の安値を割り込むような円 安は「10年単位で」訪れないと言明した。

  若林氏によると、その後は円が再び急騰。11年には74円と、1995年4月に つけた戦後最高値79円75銭を更新する見通しだ。この円高局面では、仮に政 府・日銀が円売り・ドル買いの市場介入を実施しても「効かない。(円高が)止 まる時は相場が止める」と述べた。

 日経平均は2万円目指す

  不安定な値動きが続く日本株については、80カ月の周期があるとし、03年 4月に大底を打った相場は10年初め頃までは上昇基調を保つと分析。日経平均 株価は2万円超に達すると予想した。

  若林氏は66年、東京銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行。87年から96 年まで勧角証券(アメリカ)の執行副社長を務めた。90年代前半、ドル・円相 場が140円前後だった時点で「95年4月に1ドル=80円」と予測。実際、95年 4月に79円75銭の史上最安値をつけた。その直後には一転、「10年後は1ドル =150円」と予想。時期こそ外れたが、ドル・円は98年に1ドル=147円台に上 昇した。
更新日時 : 2007/11/27 16:37 JST
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&refer=jp_japan&sid=aM0c674VEqoc




【インタビュー】ウィルコム・喜久川政樹社長(1)2.5ギガヘルツ帯で免許を取得する
2007.11.28 22:07
 総務省が免許審査を進めている2.5ギガヘルツ帯の次世代高速無線通信について、ウィルコムの喜久川政樹社長は28日、産経新聞のインタビューに応じ、ウィルコムが採用する次世代PHS方式の優位性をアピールした。また、ソフトバンクの孫正義社長が、次世代PHSには別の周波数(2.0ギガヘルツ帯)を割り当てるよう提案したことについて、「技術的、制度的に理由がなく、現実的にも不可能。議論は公平性にも欠ける」と反論。2.5ギガヘルツ帯で免許を取得する考えを強調した。やりとりの全文は以下の通り。
 Q.孫社長が、ウィルコムは2.0ギガヘルツ帯に移行しろと主張しているが、喜久川社長の意見を伺いたい
 A.私も困っている。先週(22日)、「リングに上がらせろ」ということで公開討論会のリングに上がったが、今週になって場外乱闘が始まってびっくりした。討論会の場で2.0ギガヘルツの話は終わったと思っていたら、つい数日前に「ウィルコムは2ギガへ行くべきだ」という(孫氏の)ご主張を各新聞がかかれていたので、今週になってもコメントしているのかと。非常に心外であり、困惑している。「何を迷惑なことをおっしゃっているのだろう」と感じている。いまも、2.5ギガヘルツ帯で技術開発をやっている社員がたくさんいる。そういう社員に対して僕が何もコメントしないのも困るので、コメントしておかなければいけないと思った

 まず、少なくとも技術的に、あるいは制度的に、われわれが2.0ギガヘルツ帯へ行くべきという根拠はまったくない。ここは明確にしておきたい。例えば、公益性が高い理由とか、技術的親和性が高いという理由があるなら話を聞いてもいいが、まったくない中で、孫さんがそんなことをおっしゃっているということは、自分が免許を取りたいから「ウィルコムさん向こうへ行ってよ」と言っているように聞こえる。非常に公平性に欠ける。あれだけ「フェアにしろ」とおっしゃっている方が言うこととしては非常におかしい。
 2.0ギガヘルツ帯はもともと3G(第三世代携帯電話)のTD方式で規定されている。それにどこが一番近いシステムかというと、ワイマックスの方が近いと思っている。(孫氏が)そういうことをおっしゃるんだったら、ワイマックスの方が向いているのではないかと(公開討論会で)申し上げた。
 百歩譲って、2.0ギガヘルツ帯へ移行する話をするにしても、次世代PHSだけの話ではない。ワイマックスを含めて、2.0ギガヘルツ帯、2.5ギガヘルツ帯、場合によっては(ソフトバンクが)返上した1.7ギガヘルツ帯も含めてどうするのだという議論でしょうね。
 われわれの会社の立場で申し上げると、2.0ギガヘルツ帯では(免許を取得する)権利がなかったですから、2.5ギガヘルツ帯でこの2年間くらいずっと開発をやらせているし、デバイス(機器、部品)の手配なども2.5で考えていろんな所と話をしている。それを今さら2.0ギガヘルツ帯に行ってくれといわれても、開発の時間的ロスと投資のロスが大きく、競争上不利になる。競合相手から不利になる所へ行けと言われのは、妨害工作だとしか言いようがありません。

2.0ギガヘルツ帯に次世代PHSが適しているということはまったくない。電波の干渉問題は、ワイマックスも次世代PHSも同じですから。周波数帯域の幅は15メガヘルツしかなく不利なので、最低限、平等に議論してほしい。
 孫さんのところは、1.7ギガヘルツ帯で新規参入する免許を取得した。他にいいもの(旧ボーダフォン)を買ったから「フェアに返上しました」と言っているが、(結果的に)空き地になっている。それで、今回、2.5ギガヘルツ帯にまた新しい割り当てを欲しいといっている。最初にもらった饅頭をカビさせておいて、こんどは新しい饅頭が2つある。それを食いたいが、ウィルコムという競争相手があるから、「2.0ギガヘルツというちょっと小さい饅頭を食っておいて」と言っているように聞こえる。
 審議会の議論は孫氏が主張するようにならないと思っているが、世論がそういうことを信じると困るので、コメントしなければいけないと思った。
 Q.もともと2.0ギガヘルツ帯は次世代PHS用ではない。審議会で総務省令を規定しなおすとどうなるのか
 A.日本は法治国家ですから、法令があり省令がある。省令改正には1年くらいかかる。周波数を移るにしても、うちに免許がくると明確にならないと2.0ギガの開発ができないので、事業展開が遅れてしまう。

http://sankei.jp.msn.com/economy/it/071128/its0711282207005-n1.htm


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